対戦格闘ゲーム『
ザ・キング・オブ・ファイターズ』のナンバリングタイトルで展開したおもなエピソードを多数のスクリーンショットとともに紹介する。
公開日時:2021-12-10 19:00:00
シリーズを重ねるごとに重厚なシナリオが展開される『KOF』。本稿では、前回の記事に引き続き、シリーズのナンバリングタイトルの中から、『KOF '99』~『KOF 2001』までのネスツ編についてプレイバック!
主人公が草薙京からK´へと代わり、新たなシナリオが展開した新生『KOF』。過去作をプレイしたことがないという人は、ここでK´を中心とした物語を追体験してほしい。
※シリーズの歴史をプレイバック! 『KOF』ヒストリーその1 オロチ編
※シリーズの歴史をプレイバック! 『KOF』ヒストリー その2 ネスツ編
シリーズの歴史をプレイバック! 『KOF』ヒストリーその3 アッシュ編
※各タイトルのシナリオは、とくに指定がない場合は主人公チームのストーリーを紹介します。なお、この記事は編集部調べによるものです。
前回の大会からしばらく経ち、再び“KOF”の時期を迎えた。
今年も世界各地の格闘家に届けられる招待状。しかし、今回は少し様子が違っていた。招待者のまわりで、前大会のような世界規模の盛り上がりを見せる気配が一向になかったのだ。
さらに、今回は“ストライカーマッチ”という新しいルール規定が追加。聞き慣れない対戦形式に、格闘家たちは戸惑いを隠せずにいた。この大会にきな臭いものを感じたハイデルンは、ラルフたちを大会に送り込み、真相究明に乗り出すこととなる。
そんな中、これまで京、大門とともにチームで大会に参戦してきた紅丸は、招待選手で結成されたスペシャルチームの一員として大会に招かれていた。そこに記されたチームメイトには矢吹真吾に加えて、K´、マキシマという格闘界では聞いたことのない名前が……。困惑する紅丸。今大会は、数多くの謎を秘めたまま開幕を迎えることとなった。
K´たちのチームは順調に大会を勝ち進み、地中奥深くにある謎の施設を進んでいた。時を同じくして、大会の不審な動向を監視していたハイデルンは、世界各地で不審車両から草薙京に似た人物が降り立つ謎の映像を衛星から確認した。
この各国に姿を現した京はいったい何者? そして今回の大会との関係は? ハイデルンはラルフ、クラークに連絡を試みるが、通信は途絶えてしまっていた。
地下奥深くで姿を現したのは、謎の秘密結社“ネスツ”の幹部であるクリザリッド。「ご苦労だった。K´、マキシマ」という言葉によって、紅丸と真吾は初めてチームメイトの正体を察した。
今回の大会は、このクリザリッドによって開催されたもの。部下であるK´、マキシマを通じて格闘家の戦闘データを収集し、そのデータを使って世界に配備した兵器である草薙京のクローンを一斉稼働させるという計画だったのだ。
ネスツは、組織の持つクローン技術によって、世界に新しい秩序をもたらし、支配を目論んでいた。以前、オロチ封印後、行方不明になった京はネスツによって捕らえられており、その目的は地球意思オロチをも倒した草薙の炎の解析にあった。同時に、京からクローンのもととなるデータも採取していた。
さらに、クリザリッドからは衝撃の事実が語られる。この技術を応用して生まれたクリザリッドのクローンこそK´だったのだ。自分の生い立ちをクリザリッドから初めて知らされたK´は動揺。事実、彼には過去の記憶が一切なかった(じつはクリザリッドがK´のクローンであり、ネスツにより記憶を操作されている)。
クリザリッドはK´とマキシマに最後の任務として、クローンを起動させるためのトリガーデータ、すなわち人の殺しかたのデータ採取を指示するが、K´はその命令に対して無言で立ち尽くしていた。
そしてK´は、マキシマとともにネスツに対して造反を決意する。やがて、最後の対決がスタートし、からくもクリザリッドを倒したK´たち。敗北したクリザリッドは、用済みになったとしてネスツの上級幹部から存在を消されてしまった。
K´とマキシマは、クリザリッドの拠点から脱出を図るなか、行く手を阻む残兵と対峙していた。
ネスツに反旗を翻したふたりは、その後、身を潜めながらネスツ壊滅のための活動を進めていくことを決意する。
●ボス紹介
ラスボス:クリザリッド
クリザリッド戦は『KOF '94』のように2度の対決がある。コートを脱いだ2回目のバトルこそ本番だ。足から竜巻を起こすテュホン・レイジは攻撃判定が広く、とにかく強力!
謎の秘密結社ネスツの存在が明らかになってから、しばらくの時が過ぎた。だがネスツは前回の大会以降、これといった活動を起こすことなく影を潜めてしまう。
一方、世界各地ではテロが頻発する事態が発生。ハイデルンたち傭兵部隊は、その活動がK´とマキシマのふたりによるものであることをつかむ。さっそくふたりの追跡を開始しようとしたハイデルンだったが、ちょうどそのとき"KOF”開催の知らせが……。
主催者招待によるスペシャルチームとしてK’とマキシマは、メキシカンプロレスラーのラモン、エージェントのヴァネッサの4人で大会に参加。
以前よりK´とマキシマは、世界各地に点在するネスツ製の転送装置である“ジェネレーター”を破壊する活動をしていたが、この装置が今回の大会の開催地サウスタウンに多く設置されていることに気がつく。そこから、ネスツの不穏な動向を察知していた。
そして大会は開幕。K´たちはハイデルンたちに監視されながらも、大会を勝ち進んでいった。大会の最中には、ネスツによって“K´を倒すもの=アンチK´”として作られた、氷を操る少女クーラ・ダイアモンドとの激闘も展開していく。
そして決勝を前にして、ハイデルンとともに司令室に居たリングが不審な行動を取っていた。決勝進出チームを誘導してジェネレーターの起動を指示。対ネスツの衛星兵器“ゼロ・キャノン”を都市の上空に配備し、さらにはハイデルンに銃口を向けていた。これまでハイデルンたち傭兵部隊が上官リングと信じていた人間は、ネスツによって作られたクローンとすり替わっていたのだ。
そして首謀者であるゼロが現れる。彼の目的はゼロ・キャノンを手に入れること。傭兵部隊を欺き、今大会の開催を仕掛けたのはゼロ・キャノンの強奪、そして格闘家の力をジェネレーターに転送してゼロ・キャノンの発射に協力させるためだった。ゼロは手中にした力を誇示するかのようにゼロ・キャノンを発動し、ひとつの都市を壊滅させてしまう。
ネスツにすら謀反し、暴走した支配欲にかられるゼロ。その所業にK´たちは怒りの炎を燃やし、ゼロとの闘いに挑む。
ゼロの野望を砕いた後、K´は泣き叫ぶ少女の夢にうなされる。この風景は失ったはずの記憶なのか……?
目が覚めたあと現れたのはその少女に似た女性、ウィップだった。死ぬ直前のクリザリッドから、自身がネスツに殺されたK´の姉のクローンであることを知らされたウィップは、“弟”の前で言葉にならない言葉を必死に紡ぐ。姉の想いをしかと受け止めたK´は、決意を新たに固めたのだった。
●ボス紹介
ラスボス:ゼロ
コートの裾に強力な刃が装着されており、なびかせることで、対空も含めた広範囲の攻撃をくり出す。飛び道具を跳ね返す技も持っているので攻め方に悩む!
前大会の開催中、衛星兵器ゼロ・キャノンによりひとつの街が消失した。しかし、その事実は隠され、各国の新聞では人工衛星の落下事故と報じられた。
何らかの事故がつきものであるKOFは中止の声も少なからずあったが、皮肉なことに、このいわくつきの格闘大会は再び人気を取り戻していき、その人気ぶりはかつての全盛期だった'97年大会か、それ以上に過熱していった。
大会を前に、K´、マキシマ、ウィップの3人は、ネスツの支部を襲撃し、潰してまわっていた。しかし、最近は3人の行動を先読みするかのように、奇襲をかけるネスツの関連施設はすべてもぬけの空になっていた。
苛立ちを隠せないK´たち。そのときマキシマが、このことに関連があるかもしれないつぎの"KOF”のことを語り出す。
なんと出場チームに“ネスツ”の名があるというのだ。これまで闇に潜んでいた秘密組織が、ついに表舞台に表れる。K´はそんなことを深く考えても仕方ないと、つぎの施設に急ごうとした。そのときだった。微かに3人をつけている気配が……。同時に影は鋭く動きK´に接近したが、反応はK´たちに軍配が上がった。
3人はその男を椅子に縛り上げた。男の名は麟(りん)と名乗った。黙秘を続けていた麟にウィップは、つけてきた目的を問いながら1枚の写真を見せた。動揺する麟の様子を見て、ウィップは彼を敢えてメンバーに加えた4人によるKOF出場を提案する。
それに対し、挨拶もなしにその場から消え去った麟。彼の目的は3人の動向を探り、“飛賊”の長からネスツに寝返った、一族の誇りを忘れた龍(ろん)の行方を求めることであった。
ネスツチームは、ネスツ上級幹部のフォクシー、構成員のアンヘル、クーラ・ダイアモンド、K´をライバル視する草薙京の9999体目のクローン、K9999(ケイフォーナイン)の布陣で出場。
かくして"KOF”は開幕を迎えた。自分のため、そして犠牲になった多くの人々のため、K´は決着をつける戦いに挑むことになる……。
激闘の末、大会はK´たちのチームが優勝を果たす。優勝者はセレモニー会場と思われるエアシップに案内された。間違いなく何かあると睨む4人。その考えどおり、エアシップは分離して搭乗部が宇宙の衛星軌道を目指して上昇していった。
そこに現れたのはゼロだった――。
前大会で死んだのは、じつはクローンのゼロ。今回姿を見せたゼロこそ真のオリジナルだった。ストライカーにはペットのグルガンと前々回の大会で、クローンゼロに殺されかけたところを救われたクリザリッド、そして麟が探し求めていた龍の姿が!
“あのお方”に代わって強さが本物かどうか試してみようと、K´たちに闘いに挑んでくる。
激しい戦いののち、エアシップは軌道上の要塞に到着。意味深な言葉を残し、ゼロは去っていく。この奥にいる“あのお方”とは?
そのころ、地上では空遠くを眺めるネスツチームの者たちが。“始まった”頃合いを見越して、K9999はフォクシーに襲いかかる。K9999はアンヘルとともに、これから起こるであろうイグニスの父親ネスツに対する謀反に同調したのだ。
裏切りの行動に「絶対許さない……」と、クーラは怒りの感情をあらわにするのだった。
上空ではネスツ最高幹部の3人がついに姿を現した。イグニスはK´の帰還を労う言葉をかけた。彼が言うには、すべてはK´を最強の戦士に成長させるために計画されたことだったという。
最強の身体を提供する代わりに、封印した過去の記憶も返してやるとイグニスは言った。
「ネスツの役目は終わった!!」ネスツは、イグニスの私利私欲を満たすための組織に変貌しており、イグニスは虚像として操っていた本来の長である父親ネスツも亡き者とし、新しい神の誕生を宣言した。
そして最後の決戦の幕が切って落とされる!
イグニスを倒すと、要塞は降下を始めた。火球と化す要塞を見つめて、クーラはそこにネスツのなかで共に過ごした親しい存在を感じ取る。
クーラは降下点に向かうと、その場所で自分と同様にネスツによって作られた存在、K´たちと出会う。ふたりの心の中で何かが共鳴した……。
●ボス紹介
中ボス:ゼロ(オリジナル)
スキあらば強烈なストライカー攻撃を多用することもあって、前作に登場したゼロよりも凶悪度は格段にアップしている。
●ボス紹介
ラスボス:イグニス
ネスツ編のラストを飾るのは、神を名乗るイグニス。あらゆる技が強力で広い攻撃範囲を持っており、一部では『KOF』史上最強のボスだと言われることも。
編集:とよまん(豊泉三兄弟)