ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、同社のゲーム機プレイステーション5が世界累計の売上で1000万台を突破したことを発表した。

 プレイステーション5は、2020年11月12日に発売。1000万台突破は2021年7月18日時点のことで、これは前世代機にあたるプレイステーション4の販売ペースを依然上回っており、同社史上最速の勢いを保っているという。

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 またこの発表に合わせて、傘下のPlayStation Studiosに属するスタジオの作品についても販売本数が発表されている。いずれも2021年7月18日時点での数字。

ジム・ライアンCEO: PS5の供給改善は「最優先事項」

 SIE社長 兼 CEOのジム・ライアン氏は、プレスリリースでファンコミュニティをはじめ開発者やパートナー企業に感謝の言葉を述べる一方、新ハードの供給が依然として需要に追いついていない点について触れ、在庫レベルを改善することを最優先事項として取り組んでいることを表明している。

 本誌でも同氏にいくつか質問することができたので、その内容をお届けしよう。(※質問・回答は英語で行われ、翻訳は編集部側で行った)

――PS5にとって2回目のホリデーシーズンがまもなくやってきますが、依然として入手困難であり、転売問題や半導体等の世界的な部品不足のあおりなどが現在懸念されています。今年の終わりにかけてPS5の入手状況は改善されると思いますか? そしてこの点についてSIE側で新たな取組はありますか?

ジム・ライアンゲーマーの皆さんがPS5を入手するのがいまだ難しいことは承知しており、それについては大変申し訳無いと思っています。

 ローンチ段階で製品をこれまでになく豊富に供給するという点については達成しているものの、いま言及されたような問題に繋がっているように、非常に大きな需要に対しては十分ではありません。状況がすこしゆるくなる兆しは見えていますが、まだ私たちがやらなければいけないことは多いです。

 状況改善のために私たちができる最大のことは供給を増やすことです。この点について、私たちはパートナー企業とともに非常に厳しく取り組んでいます。

――直近でSIEはいくつかパートナーシップ契約や企業獲得を発表しました。ソフト側の現在の戦略について教えてください。プレイステーションのラインナップを拡大するのが目的でしょうか? PC版もですか? 独占タイトルをもっと期待すべきなのでしょうか? それともサブスクリプション型のカタログなどに繋がってくるのでしょうか?

ジム・ライアン私たちはPlayStation Studiosが現在開発しているゲームのクオリティに非常に満足しています。ローンチ段階でのラインナップは私たちが過去にやった中でももっとも強いもので、さらにそこに『MLB: The Show 21』や『Returnal』や『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』といったタイトルを加えられました。

 (前述のような発表を通じて)ご覧の通り、私たちはゲーム開発能力をもっと成長させ、プレイステーション所有者の皆様が楽しめるより多くの独占タイトルを開発できるよう計画しており、今後数年のうちにその成果をご覧いただけるでしょう。

 また私たちのIPをPCにも提供していく取り組みについても、まだまだ初期の段階ですが満足していますし、それを助けてくれるようNixxes(※)と働けるのを楽しみにしています。(※今月はじめにSIEが買収を発表した、PC版移植を得意とするオランダのスタジオ。『トゥームレイダー』リブート版3部作や、『デウスエクス マンカインド・ディバイデッド』、『Marvel's Avengers』などのPC版を手掛けている)

――より多くの人がワクチンを受けるにつれて、開催を発表するゲームイベントなども少しずつ出てきました(※)。これに関連して、プレイステーション5のDualSenseコントローラーはその真価を知るには実際に触ってみないといけません。日本とアメリカでのプロモーション面での計画はどうでしょうか?

ジム・ライアンはい、DualSenseコントローラーの魔法を体験してもらうには、実際に触ってみるしかありません。パンデミックによりその機会を提供できなかったのは、非常にフラストレーションがたまる出来事でした。

 もっともっとワクチンを受ける人が増えて世界が元のように開くに連れて、それ(体験の機会を作ること)をできる限り早くはじめていきたいと思います。またそれは、そこに関わる全員、私たちや関係各社のチームメンバー、そしてもっとも大事なゲーマーの皆様が安全だと確信できたときだけですのでご安心ください。

(※たとえば、ゲームファン中心のイベントとして北米で最大級の規模を誇る“PAX WEST”が2021年9月にシアトルで開催することを発表している。なお入場にはワクチン証明またはPCRテストによる証明が必要になる)

[2021年7月28日23時59分修正]
※本記事の初出時、内容の一部にメーカー発表とは異なる記載があり、該当箇所を修正いたしました。