【ICO 20周年】世界中のクリエイターから届けられたお祝いコメントを一挙公開【ジェン・デザイン特製・20周年記念プレゼントあり】

　2001年12月6日にプレイステーション2用ソフトとして発売され、国内外から絶賛されたアクション・アドベンチャーの名作『ICO』。

　発売から20年目の記念日に、業界の垣根を超えて届けられた、世界中のトップクリエイターからの『ICO』へのコメントを一挙にご紹介します。

　さらに、ジェン・デザイン特製の20周年を祝う特別なグッズセットが当たるプレゼント企画も！

　Rボタンを押し込んで手を繋いだ、あの日の思い出を思い出してみてください。

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『ICO』20周年記念日公開　ファミ通.com特別コメント

桜井政博　ソラ　ゲームデザイナー

代表作：『星のカービィ』、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズほか

『ICO』発売20周年､おめでとうございます!

拙作『スマブラDX』が同じ年の11月21日販売でしたから､非常に近い生まれになります｡
ついでに言うと､上田文人さんと私は同い年です｡

実は､先頃終了した私のファミ通コラムでは早いうちに『ICO』を取り上げています｡
なんと640話中の11話目｡単行本の1巻に掲載されました｡

この中で､『ICO』を､”孤高の塔”と形容しています｡

同じ価値観に乗じることができる人にはひたすら高い位置の景色を見せ､そうでない外から見る人にも存在が明らかで目立つと｡
これは『カービィ』や『スマブラ』における作風は”高さは低いがすそ野が広い丘”として､真逆の作品性を解説しました｡

いつの時代になっても､それぞれの人が向き､走る方向が別々だからこそ価値が出ます｡
唯一無二の作品を作り出せる上田さんと､彼を信じてついて行くスタッフを応援しております｡

須田剛一　グラスホッパー・マニファクチュア　ディレクター

代表作：『ノーモア☆ヒーローズ』シリーズ、『killer7』ほか

上田さん、『ICO』20周年おめでとうございます！

『ICO』の何が素敵って、ソファに座ってセーブです。

ソファは特別じゃないですか、フカフカしてゆったりして疲れがトロける感じがして、そこに2人が座るとセーブ……。
オートセーブがまだ贅沢な時代、こんなにお洒落なセーブポイントを生み出すとはこの人、只者ではないなって勝手にライバル視していました。

僕もソファに負けない新しいセーブポイントを生み出そうと思い、トイレセーブという、上田さんと同じ椅子系セーブゲームデザイナーの仲間入りをしたのです。
いつか僕もソファ(シングルですよ)セーブをお借りしたいので、トイレセーブを使いたくなったらいつでもお貸ししますので遠慮なく言ってください。

話は変わりますが、上田さんはソニー時代“上田王子”と呼ばれていたと噂で聞きました。
ゲーム業界には三大王子がいますが、僕は上田さんが1番の王子だと思ってます！　コロナがいつの日か落ち着いたら、ランチ行きましょう！

水口哲也　エンハンス　ゲームクリエイター

代表作：『Rez』、『TETRIS EFFECT』ほか

『ICO』はとても思い出の深い作品です。2001年当時、僕自身『Rez』の完成直後に、最初に手にしたのがこの作品でした。
年末、誰もいなくなった夜中のオフィス(UGA)で、女の子の手を握り続けながら、不思議な感覚でゲームに没頭し続けたことを今でも鮮明に覚えています。

その強い作家性に、同じ時代を生きるクリエイターとしてシンパシーを感じましたし、とても勇気づけられました。

2002年、サンフランシスコのGame Developpers Choice Awardの会場で上田さんチームと一緒になったのも、楽しい思い出です。
それ以降、新作を発表するタイミングがお互い重なったりしたこともあって、常に同志のような存在だなあ、と思い続けています。

上田さん、genDESIGNのみなさん、これからもますます、素敵なクリエイションを続けてください。

新作、楽しみにしています。『ICO』20周年、おめでとうございます！

Arnt Jensen（アーント・イェンセン）　Playdead　ゲームデザイナー

代表作：『LIMBO』、『INSIDE』

『ICO』は、繊細さと、この業界ではまれな感情を揺さぶる物語の中、展開される。

卓越したアニメーションとビジュアル表現による、研ぎ澄まされた美しさで、『ICO』は、強くいつまでも残る印象を与える。20年経った今でも。

キャラクターの存在感と真正さ、特にヨルダの儚さは、プレイヤーを引き込み、『ICO』の抽象的な世界と本物のつながりを確立する。

上田さんのデビュー作であり傑作である『ICO』は、私を心底から揺さぶる影響をもたらし、今でも最も好きなゲームの一つであり、その大胆で先を見据えた類まれな表現で、私を真に駆り立てたゲームなのです。

業界内外から寄せられた『ICO』への20周年記念コメントをご紹介

浅野いにお　マンガ家

『ソラニン』、『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』ほか

『ICO』20周年おめでとうございます。

『ICO』発売当時、僕はまだ学生で、夜な夜な友人宅に入り浸りゲームで遊ぶ毎日だったのですが、とりわけ『ICO』は仲の良かった後輩のSと徹夜でクリアした思い入れのある作品です。

Sのアパートは４畳半の和室で、テレビは14インチの小さなブラウン管でしたが、『ICO』の舞台である海に囲まれた広大な古城の情景は、まるで自分がそこにいたかのように今も記憶に残っています。

実のところ僕はあまりゲームで感動するということはないのですが、上田さんの作品に限ってはしばしば涙腺を刺激されることがあり、言葉を超えた感情の訴えや寂寞とした空気に魅了されているファンの一人です。（といいつつも、後日ヨルダの最後のセリフが気になって仕方がなく、必死に二周目もクリアしたのですが……）

他のゲームとはまるで異なるゲーム体験ができる上田作品に今後も期待しています。

大今良時　マンガ家

『聲の形』、『不滅のあなたへ』ほか

『ICO』に出会うまで色々ゲームをしてきたけど、『ICO』との出会いは衝撃でした。

風や建物、陽の光の温度や、空間の広さ、ヨルダの体重を感じたり、ああ、痛そうって思ったり。
完全にイコと同化して、没入して、何周もして……プレイのたびに終わりたくないな〜って思いながらするんですが、そんなゲームは初めてでした。

それでこの凄いゲーム体験をどうにかしたくて、絵を描いたり、祖父母の家に持っていって、まだ小さかったいとこと一緒に遊んでました。
大きくなったいとこは後に「あのスイカのゲームは何だったんだろう」と思って探してプレイしてくれたそうです。私はやったぜと思いました。

未だにこの凄いゲーム体験をどうにかしたくて、生きています。

人が作ったものがこんなにも感動を与えられる事ができると知って、私もこんな作品を作れたらなぁと、今の創作欲に繋がっています。

ありがとうイコ！

大島ミチル　作曲家

『ICO』の楽曲製作を担当。代表作：「模倣犯」ほか

『ICO』20周年おめでとうございます。

20年前に『ICO』の音楽の打ち合わせをした時のことを今でも鮮明に覚えています。
クリエイターの上田さんが、私がそれ以前に作曲した「ワーズワースの冒険」のテーマ曲「シャリオン」のイメージでと希望され、その無国籍な雰囲気で「ICO -You were there-」を作曲しました。

歌は、リベラというイギリスのボーイソプラノに歌ってもらいましたが、
ボーイソプラノの持つ独特の美しい声がさらにICOの世界観を強く引き出してくれて、ロンドンでの録音も素敵な記憶として残っています。
（余談ですが20年前、あの時に歌ってくれた、やんちゃな男の子だったスティーブンくんは、今では立派なリベラの音楽ディレクターになっています。）

この20年間多くの人に「『ICO』大好き」と言ってもらいましたが、こんなに嬉しいことはありません。
日々めまぐるしく変化する時代の中で、『ICO』は私にとって、唯一無二の「心の宝石」のようなゲームです。

どうぞこれからも『ICO』をずっと好きでいてくだされば、音楽家としてもこんなに幸せなことはありません。

宮崎英高　フロム・ソフトウェア　ディレクター

代表作：『DARK SOULS』シリーズ、『Bloodborne』ほか

個人的な話になりますが、大学を卒業して仕事をはじめ、しばらくゲームから離れていた時期に、たまたま、友人の家で勧められて『ICO』をプレイしました。

そこには、想像もしていなかった、語られない美しい体験と物語があり、 友人には大変申し訳なかったのですが、静かに感動し、無口になってしまいました。

そして、それを切っ掛けに私はその時勤めていた会社を辞め、ゲーム業界、フロム・ソフトウェアの門を叩きました。

大袈裟でもなんでもなく、私の人生を変えたゲームでしたし、それが『ICO』であったこと、また、上田さんのゲームであったことを、勝手に誇りに思っています。

『ICO』発売20周年、おめでとうございます。
一人のファンとして、上田さんの新作を楽しみにしています。

『ICO』をはじめとして、上田さんのゲームに通底する神話性は、ずっと私の目標です。

宮部みゆき　小説家

代表作：『龍は眠る』、『火車』ほか

『ICO』の発売20周年、おめでとうございます。

私は体験版をプレイした段階で完全に心を奪われ、一方的なラブレターとも言えるノベライズ版まで書かせていただきました。
快くノベライズをお許しくださった上田文人さんの寛大なお心に、今も感謝しております。

これからも多くのゲームファンに愛され続ける『ICO』と霧の城の世界に、永遠の静謐な祝福があることを願ってやみません。

ヨコオタロウ　ブッコロ　ゲームデザイナー

代表作：『NieR』シリーズ、『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズほか

20年前。自分が初めてゲームディレクターとして悪戦苦闘している時に、『ICO』は発売されました。

目眩を覚えるほどに完璧なゲームなのに、当時ファミ通さんのクロスレビューで点数が低く、怒っていた気持ちを覚えています。
でも、今ならわかる気がします。高得点を付けられなかった理由、そして、『ICO』が点数なんか必要としてなかった事を。

あの時に出会えて良かった。

改めて、オメデトウゴザイマス。

米津玄師　音楽家

代表作：「Lemon」、「カナリヤ」ほか

『ICO』を初めてプレイした当時わたしはまだ14、5歳の子供でした。

生活に漠然とした違和感を覚えながらそれを言語化することもできない日々を過ごしていたところに、このイマジネーションそのもののようなゲームと出会いました。

どこの文化圏なのかもいつの時代なのかもわからない世界の中で、何か特別な思い入れがあるわけでもない少女を、真っ黒な影から守り通そうとする少年に自分を重ねながら、これ以上に美しいものなんてそうないよな、と納得しながらプレイしていたのを憶えています。

大人になって以来じぶんの現実を振り返ってみても、あんなファンタジックな体験は起こり得なかったし、これからも地味でわい雑な人生が続いていくでしょうが、いついかなる時も『ICO』の切れ端を生活に感じながら今まで生きてきました。

イコの献身性、ヨルダの寝顔、黒い影の恐ろしさに似たものを現実に見つけ、この世もまた『ICO』の世界と地続きにあることを知ることができたのです。

このゲームと出会えなかったら、わたしはいまだに漠然とした違和感の中に閉じこもって空虚な日々を送っていたかもしれません。

Guillermo del Toro（ギレルモ・デル・トロ）　映画監督

代表作：『シェイプ・オブ・ウォーター』、『パンズ・ラビリンス』ほか

上田さんの作るゲームは、引き込まれる世界観と精神的な要素、愛や善といった価値を連想させる冒険によって、唯一無二の感覚を生み出しています。

作中のデザインは、物語と物語の背後にある思想を引き立てて、主人公たちの重要性を際立たせるものとなっています。

見事な腕前で磨き上げられ、優美に照らし出された作中のシーンは、大切な思いや心のつながりや素晴らしい閃きを映し出してくれます。

上田さんの関心は、プレイヤーが勝つか負けるかではなく、試練にさらされる大切な思いや、ゲームをプレイするための閃きにあるのでしょう。

『ICO』は、長く伝えられてきた説話やアニメ、デ・キリコの絵画と画家のような“光”の感覚が生み出した世界を舞台にした幻想的な旅路です。
しかし、その旅は私たちに、この世界──それがゲームであれ現実であれ──にいるのは、仲間と救い合うためだということを教えてくれるのです。

Jenova Chen（ジェノヴァ・チェン）　thatgamecompany共同社長　ゲームデザイナー

代表作：『Flowery』、『風ノ旅ビト』ほか

『ICO』は、私にとって初めてAuteur（映画用語で、映像作家を意味するフランス語）という言葉を意識させてくれたゲームでした。
一人の人間の声が私に、はっきりと、そして自信を持って語りかけてくるように感じられました。

ミニマルなデザインの中には、壮大な感情のうねりがありました。

イコとヨルダの掛け合いは、世代を超えてプレイする人全てを驚かせ、感動させ、そしてそこから多くの人が、芸術的なゲーム制作を追求すべきキャリアとして目指すようになったと思います。

私もその中の一人です。

『風ノ旅ビト』と『Sky 星を紡ぐ子どもたち』は、『ICO』から大いに影響を受けた、精神的な後継作品と言えるかもしれません。

Jonny Greenwood（ジョニー・グリーンウッド）　音楽家

Radioheadメンバー　代表作：『Horror Vacui』ほか

『ICO』は、私が初めて感情移入したコンピューターゲームです。

ボタンを押すというシンプルな操作で「誰かの手を握る」体験をさせるのは、当時の私にとって（そして今でも）衝撃的で、攻撃性や恐怖以外の感覚でゲームソフトと関わる方法を飛躍的に進歩させたと思います。

また、作中の「お姫様」が、彼女を救おうとする少年よりも背が高く、年上であるという事実から、作品に母性的な要素もあるように感じました。
（あるいは「姉的」というべきかもしれません。）
　
どちらにしても、この「守りたい」「助けたい」という純粋な衝動は、当時の（そして現代でも）コンピューターゲームではとても希少なものなのです。
そして、そういった感情のすべてが見事に作り上げられた城と影たちとの幻想世界で高まっていく──。

20年前には類を見ない作品でしたが、今日でも依然としてそうなのです。
『ICO』の発売当時でさえ、ショットガンの銃口越しに世界を見て、銃口越しに世界と関わるゲームには飽き飽きしていました（そして信じられないことに、『Portal』があったにもかかわらず、ゲームの9割でそのような視点がデフォルトになっているのです）。

「棒」と「影」と「握るための手」さえあれば、私は、もう次の展開が待ちきれません。

Neil Druckmann（ニール・ドラックマン）　Naughty Dog共同社長　ゲームデザイナー

代表作：『The Last of Us』シリーズ、『アンチャーテッド』シリーズほか

『ICO』によって、上田文人氏が率いるチームは正にビデオゲーム史上の傑作を生み出してくれました。

中心となるメカニクス（あの“手つなぎ”！）とパズルのデザインが生み出す「絆」の感覚は、ビデオゲームでしか味わえないものでしょう。

美しく心に刺さる物語が、こうしたゲームシステムに豊かな文脈を与え、深い感情的な体験をもたらします。

アートディレクションとレベルデザインは、孤独感と陰のある魅力でプレイヤーを包み込んでくれます。音楽や音響は控えめですがとても印象的です。

丹念に作り上げられた各要素が見事に結びつくことでひとつの芸術作品が生まれたのです。しかも、大きな影響力を持った芸術作品が。
『ICO 』はインスピレーションの源です。

そして、全てのビデオゲームの中で私がいちばん大好きなゲームです。

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応募要項

　応募方法は、ファミ通.com公式Twitterアカウントとジェン・デザイン公式Twitterアカウントをフォローして、該当のツイート（本記事の下部にあります）をリツイートすれば完了です。当選者の方にはDMでお知らせいたします。

　応募の際は、記事下部の注意事項をあらかじめご確認ください。

応募締切

2021年12月27日（月）23時59分リツイート分まで

当選発表

2022年1月26日（水）以降に、ファミ通.com公式アカウント（@famitsu）から、当選者へDM（ダイレクトメッセージ）を使って通知します。

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