2023年8月11日~13日の期間、神奈川県・横浜市のパシフィコ横浜展示ホールにて、ポケモンバトルの世界大会“ポケモンワールドチャンピオンシップス2023(ポケモンWCS2023)”が開催。

【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」
【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」
【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」
【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」
駅からポケモン一色!

 “ポケモンワールドチャンピオンシップス”は『ポケモン』のゲームにおける、世界チャンピオンを決める世界大会。アメリカを中心に開催されており、2013年にはカナダ、2022年はヨーロッパ地域として初めてイギリス・ロンドンで開催。そして2023年は歴代で初の日本開催となる。

 2004年にアメリカで初めて開催された“ポケモンWCS”はポケモンカードゲームの大会だった。2009年開催の回からゲーム部門も競技種目に(当時のタイトルは『ポケットモンスター プラチナ』)。カードゲーム・ゲームのほかにも部門は増えていき、今年はゲーム部門、カードゲーム部門、『ポケモン GO』部門、『ポケモンユナイト』部門の4つの競技で世界一を競う。

 2023年8月11日は本大会の開会式が行われた。開会式の後にはポケモンの宇都宮崇人氏(最高執行責任者)と、The Pokémon Company Internationalのクリス・ブラウン氏(ディレクター/グローバル e スポーツ&イベントプロデューサー)へのインタビューが実施。その模様をお届けする。

日本らしくありながら、まるで海外の大会のような雰囲気

 大会会場は所謂“日本らしい”装飾が施されていたが、まるで海外のイベントに参加しているような感覚。会場には世界中から集まったポケモントレーナーたちがたくさんおり、スタッフも海外の方が中心だ。

 日本での開催であり、日本の要素が詰まった装飾でありながらも海外チックというのはなかなか新鮮な体験。

【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」
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【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」

 開会式ではカウントダウンから開幕を盛り上げるムービー、太鼓の演奏、そして株式会社ポケモンの石原恒和氏(代表取締役社長)からの挨拶が行われた。

 石原氏は「競技を通じて生まれる友情は、ポケモンにとってもっとも重要なものであり、世界大会こそがその最高の場所です」と述べ、「ここにたどり着いたトレーナーの皆さん、本当におめでとうございます」、「皆さんの健闘を祈っています」と大会の出場者、そして出場者を支えた関係者にエールを送った。

 のちのインタビューで宇都宮氏が述べているが、今回の開会式は、ふだん海外で開催されている“ポケモンWCS”のテイストがそのまま実現されており、これはポケモン側の想定通りだったのことだ。見事に世界大会の雰囲気を日本で実感することができた。

【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」
【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」

 会場にはフォトスペースも設けられており、ポケモントレーナーたちがつぎつぎと記念撮影を行っていた。

【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」
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会場にある提灯にはポケモンのシルエットが

 本大会に合わせて、会場周辺のみなとみらい地区では、“ポケモンワールドチャンピオンシップス2023横浜みなとみらいイベント”(WCS横浜みなとみらいイベント)を行っており、大会会場に入れない場合も、こちらでフォトジェニックな写真を撮ったり、お祭り感覚でポケモンを楽しむことができる。

宇都宮崇人氏&クリス・ブラウン氏インタビュー

 開会式後にメディア向けに行われた、ポケモンの宇都宮崇人氏(最高執行責任者)と、The Pokémon Company Internationalのクリス・ブラウン氏(ディレクター/グローバル e スポーツ&イベントプロデューサー)への囲みインタビューの内容を掲載する。

【ポケモンWCS2023】開会式・会場リポート&ポケモン・宇都宮崇人氏(COO)&クリス・ブラウン氏インタビュー 「ポケモンの歴史のひとつを作る存在として、選手の方には全力を尽くしてがんばってほしい」

――今回の“ポケモンWCS2023”の参加想定選手数と国の数を教えてください。

宇都宮招待選手の出場国は50の国と地域で、選手は2000名の想定です。

――“ポケモンWCS2023”は今年が日本での初開催となりますが、まずは日本での実施について率直な感想をお聞かせください。

宇都宮“ポケモンWCS”はThe Pokémon Company Internationalが主催として開催しており、今回で18回目になります。私は2010年に初めてハワイの大会に伺ったのですが、そのときにすごく衝撃を受けました。ポケモンの大会のために、こんなに世界中から人が集まり、審判員も皆さん多国籍言語。「こんなイベントがあるんだ、いつかこのイベントを日本で開催して、日本の方に見てもらえたらみんなびっくりするだろうな」とずっと思っていました。本当にいろいろとたいへんなことを乗り越え、チームのみんながこの場を実現してくれたことが、非常に嬉しいです。

クリス日本で開催することはつねに検討しておりました。アメリカやヨーロッパから日本に、これだけの方がいらっしゃっていることに驚いていますし、うれしく思います。

――今回、日本で開催するにあたり、世界のポケモンファンに対して伝えたいメッセージをお願いします。

宇都宮“ポケモンで世界をひとつに”ということをグループミッションとして掲げておりまして、それが体現されているもののひとつが、この“ポケモンWCS”だなと思っております。技を競い、磨き、腕を競うという勝負の側面もありますが、こういったイベントを通じて世界がひとつになるといいなと思っています。

――2023年のこのタイミングで日本開催が決まった経緯と、もし次回日本開催があるのであればいつごろになるかをお教えください。

宇都宮“ポケモンWCS”は数年間をかけて、慎重に議論して決めていくものです。「いつか日本でやりたい」という気持ちはずっとありましたが、今回はこのタイミングならできる、と感じられた時期であり、そこに尽きるかなと思います。そして、“ポケモンWCS”は基本的には海外を中心にThe Pokémon Company Internationalが取り組みを広げていますので、頻繁に日本で開催をするということは想定していません。つぎの機会もなかなかお伝えできないのですが、それほど今回のイベントは貴重なものだと思います。

――日本開催の中で、横浜を選んだ理由と横浜に対する印象をお聞かせください。

宇都宮この規模のイベントは、どこでもできるわけではありません。ホテル、施設のキャパシティ、交通アクセスなどさまざまな観点から、横浜は日本の中で開催にとって非常にいい場所なのではないかと考えました。また、それだけではなく、過去“ピカチュウ大量発生チュウ”などの大型イベントを何度も横浜市さんと取り組んでおり、お付き合いが長いこともあって、ここであればイベントを成功に導けるのではないかと思い、決定いたしました。横浜に対する印象はクリスから伝えてもらいます。

クリス初めて横浜に訪れたのは昨年の9月ころでした。そのときに毎朝海沿いを散歩しながら、このあたりにはたくさんレストランや施設が揃っているということに魅了されました。そして、地元のカルチャーを踏襲するという意味でもいい場所だと思っております。夏は非常に暑いですが、自分はワシントンD.C.出身ですので、天候に関してはあまり変わらず、我慢できます(笑)。

――実際に大会を開催し、改めて横浜の町全体がポケモンで彩られているのを見て、どのように感じたかお教えください。

宇都宮まず、駅のホームに降り立ったとき、改札を出たとき、道すがらマンホールなどまで、ずっとポケモンで埋め尽くされていることは、個人的にポケモンが好きなので非常に嬉しいなと思います。そして、先ほどの開会式を見ていただければわかると思うのですが、会場には非常に多くの海外の方がいらっしゃっていました。これほどポケモンが世界中で愛されているということを、まわりの日本の方々に見ていただけるというのが誇らしいですし、横浜という街にマッチした光景なのではないかと思います。

クリス今回のイベントは日本の株式会社ポケモン、そしてThe Pokémon Company Internationalのパートナーシップとしても、絆を深められるイベントになりました。今回は大会の会場以外にもたくさんポケモンで彩られているのですが、物理的に敷地が限られている中で、どれだけ皆さんが楽しく交流できる場所を作れるかを意識しました。

――さきほど、いろいろとたいへんなことがあったというお話がありましたが、具体例をお教えください。

宇都宮先ほどの開会式もそうなのですが、ふだん海外で開催されているイベントのテイストがそのまま持ち込まれております。これは我々が実現したかったことですので、すごく嬉しいです。しかし、これを実現するためには、海外の方がすべてプランニングして、それを日本の中で施工していく必要があります。コミュニケーション、考えかた、カルチャーなどをクリアーしていかないとならないということは、ふだんゲームづくりなどでも行っていることではあるのですが、それをイベントの形で実現していくことはたいへんでした。また、海外の方と日本の方でイベントに求める期待値、サービス水準なども違いますので、そこもひとつ課題でした。今回の取り組みは学びもあり、チャレンジングでもありましたが、今日という日を迎えることができてよかったと思います。

クリス世界大会を開催するということ自体がたいへんなことではありますが、総勢1000人以上のスタッフが関わっており、みんなが力を合わせて実現させるということはチャレンジングではありました。また、ファンの方がどのように参加できるかということを考えるのもたいへんではありました。

――おふたりから今回参加される選手の方、そして未来のポケモントレーナーへメッセージをお願いします。

宇都宮まず選手に向けて。先日韓国へ行ったのですが、その際カードショップにパチリスのぬいぐるみがあったのです。このパチリスは、ワシントンD.C.で開催された“ポケモンWCS2014”で優勝したパク・セジュン選手が使用したポケモンなのですが、このときの戦いかたが非常に斬新なもので、ファンに強い印象を与えました。そして韓国ではパチリスがとても人気になったのです。まさにカードショップにぬいぐるみが置かれるほどに。選手の方の活躍で、ポケモンの人気が特定の国で変化するほどのインパクトを与えることが実際にあります。ある意味ポケモンの歴史のひとつを作っていく、そういった存在として全力を尽くしてがんばってほしいと思います。

 そして、未来のポケモントレーナーに向けて。我々はポケモンを500年、600年、人間の寿命や世代を超えて残していきたいという志で取り組んでおります。将来、ポケモンというものを受け継いでくれるのは子どもたちで、その子どもたちがまたつぎの世代に受け継いでもらえないと続いていきません。こんな話をしてもお子さんはピンとこないとは思うのですが……(笑)。ただ、ポケモンのいいところを直感で掴んでもらって、少しでも楽しんで、心に残る思い出になればいいなと思います。

クリス選手に向けて、まずは楽しんでいただきたいと思っています。1年もの時間をかけてこの大会への出場権を得ている競技であり、コンペティティブではありますが、バトルを通じて友だちをつくったり、ほかの人との交流ができることを望んでおります。