2023年9月にスマートフォン版(iOS/Android版)のサービスが開始した『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』(以下、『レスレリ』)。同作は早くも100万ダウンロードを突破し、プレイヤーを沸かせている。 ※Steam版は後日配信予定。
本記事では、『レスレリ』の特徴を改めて解説するとともに、同作に登場する歴代『アトリエ』シリーズキャラクターをピックアップして深掘り。出典作品におけるキャラクターの特徴が、『レスレリ』にどのように活かされているかも紹介する。
※この記事は『レスレリアーナのアトリエ』の提供でお届けしています。
『レスレリアーナのアトリエ』って、どんなゲーム?
『レスレリ』は、錬金術をテーマとしたRPG『アトリエ』シリーズの最新作で、コーエーテクモゲームスのガストブランド、Team NINJAブランドと、アカツキゲームスが手掛けている。1997年に誕生した『アトリエ』シリーズは、25年以上の歴史を持ち、いわゆるナンバリングにあたるタイトルだけでも、その数は20を超える。
ナンバリングにあたる作品にはプロジェクトナンバーが付けられており、『アトリエ』シリーズ1作目の『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』は“A1”、2023年3月に発売された『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』は“A24”にあたる。そして、今回リリースされた『レスレリ』には、“A25”のプロジェクトナンバーが付けられているのだ。このことから、『レスレリ』に対する力の入れようが伺える。
さて『アトリエ』シリーズと言えば、温かみのあるキャラクターとストーリー、複数の素材を組み合わせて新たにアイテムを作り出す“調合”の奥深さ、そのアイテムを駆使しながら戦うバトルなどが特徴だ。『レスレリ』も、これらの特徴をもちろん備えている。以下で、簡単だが本作のバトルと調合の特徴を紹介しよう。
タイムライン制を採用しているバトル。画面左下のタイムラインの上部に、赤や青の効果パネルなどが表示されている。これらのパネルを取得すると、強化効果や弱体効果などさまざまな効果が発現する。また、バーストパネルというものもあり、これを取得すると強力な必殺技を使用可能だ。
つまり本作のバトルは、いかに有利なパネルをゲットし、不利なパネルを敵方に押し付けるかが肝。どの局面でアイテムやスキルを使って、いかに行動順を変えていくかが重要になってくる。
本作の調合は、合計5人のキャラクターが協力して行う。アイテムのレシピ、キャラクター、素材には“ギフトカラー”というものが設定されていて、調合をする際、同じ色が隣り合うようにキャラクターや素材を選択していくと、強力なアイテムが生まれやすい。つまり、多くのキャラクターを仲間にして、さまざまな種類の素材を集めると、それだけ有利な選択肢が増えるというわけだ。
そして本作にはさらに、新しい特徴がある。
ふたりの主人公と、謎めくヴィランたち
本作の物語の中心となるのは、レスナとヴァレリアというふたりの主人公。ところどころで、ふたりの視点が切り換わっていく形で物語は進む。錬金術が大好きで、自分の夢を叶えるため一人前の錬金術士になるべく励むレスナと、失われた自分の記憶を追いつつ、気の置けない仲間たちと暮らすヴァレリア。ふたりの運命がどのように交わっていくかが見どころのひとつだ。
そして『レスレリ』には、『アトリエ』シリーズには珍しいヴィランが登場する(しかも、現在公開されている情報によれば6人も!)。ヴィランの存在により、これまでの『アトリエ』とはひと味違うストーリー展開が楽しめるだろう。
なお、本作のストーリー原案、シリーズ構成、シナリオ監修は、みなとそふと代表のタカヒロ氏が担当。『アトリエ』シリーズ初参加となる同氏が、新たな風を『レスレリ』に吹き込んでいる。
多数の歴代作品のキャラクターたちが、ストーリーにもバトルにも関わる!
『レスレリ』に登場するのは、レスナやヴァレリアといった本作オリジナルのキャラクターだけではない。『アトリエ』シリーズ歴代作品のキャラクターたちが、“異邦人”として本作の世界を訪れるのだ。彼らはバトルで活躍してくれるのはもちろん、メインストーリーにもしっかり関わってくる。
本作には、『アトリエ』シリーズの生みの親である吉池真一氏が『アトリエ』シリーズ監修として参加していることもあり、「歴代作品と『レスレリ』で、キャラクターの性格がまったく違う……」ということはないので、ファンは安心してほしい。
なお、『レスレリ』のキャラクターモデルは、歴代作品と比べてもまったく遜色ないレベル。歴代作品のキャラクターが、このクオリティーで新たに3D化されるというのも、うれしいポイントだ。
ひと癖もふた癖もある歴代作品キャラクターたちの魅力に迫る!
『レスレリ』は、これまでの『アトリエ』シリーズタイトルを遊んだことがなくとも問題なく楽しめる。が、プレイを進めるうちに、「このキャラクターのことがもっと知りたいな……」と思ったりもするだろう。そこで本記事では、歴代作品のキャラクターの中から数名をピックアップして紹介。もし強く興味をひかれたなら、ぜひ彼女たちの登場作品に触れてみてほしい。
マリー
『アトリエ』シリーズ始まりの作品、『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』の主人公。王立魔術学校(通称アカデミー)に通っていたが、ふつうの学生は4年で卒業するところ、成績が悪すぎた彼女は4年経っても錬金術がぜんぜん身についておらず、特別な卒業試験を受けることに。それは5年後の期日までに、街の工房で暮らして先生を納得させられるアイテムを作ること。
……という経歴を持つ、アカデミー卒業までにおよそ9年もかかった落ちこぼれなのだが、プレイヤーのがんばり次第では、錬金術士にとっての最終目標である“賢者の石”すら作り出す錬金術士に成長する。
『レスレリ』の世界にやってきたマリーは、実力派お姉さんとしての風格が漂っているので、卒業試験を終え、かなりの成長を遂げた段階だと思われる。スキル“連続フラム投げ”が強力なので、“やたら爆弾を投げるお姉さん”というイメージを持ってしまうと思うが、これは『アトリエ』シリーズ第1作である『マリーのアトリエ』では、作れるアイテムの種類はそう多くはなかったから。最強の攻撃アイテムはメガフラムだったので、当時のプレイヤーは、マリーに爆弾を投げさせまくっていたというわけ。そのことがスキルにも反映されているのだろう。
落ちこぼれ時代のマリーの様子が気になる……という人は、2023年7月に発売された『マリーのアトリエ Remake ~ザールブルグの錬金術士~』をプレイしてみてほしい。現行ハード向けにさまざまな調整が行われ、かなり遊びやすくなっている。
ロロナ
『アトリエ』シリーズ飛躍のきっかけとなったとも言える、『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』(以下、『ロロナのアトリエ』)の主人公。それまでの『アトリエ』シリーズは2Dグラフィックが主体だったが、プレイステーション3という当時の最新ハードに舞台を移した『ロロナのアトリエ』は、3Dグラフィックに舵を切った。岸田メル氏がデザインした可憐なキャラクターが話題を呼び、同作から始まった“アーランド”シリーズはかなりの人気を獲得する。
さて、ロロナはどんなキャラクターかというと、のんびり屋なところもありつつ、元気で明るい少女。パイを作るのが大好きで、パイは調合で作り出すこともできる。パイに関するイベントも豊富に用意されており、プレイヤーの進めかた次第では、ロロナがパイ職人になる道もあるほど!
というくらいパイが好きなロロナなので、『レスレリ』においてもパイを焼きまくっている。スタミナを回復するパイを、毎日12時と18時に焼いてくれるので、多くのプレイヤーがお世話になっているだろう。パイを受け取るときのムービーがかわいすぎて、スキップできない人も多いはず。
いまから『ロロナのアトリエ』を遊ぶなら、『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~ DX』がオススメ。リニューアル作であるPS3/PS Vita版『新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 〜アーランドの錬金術士〜』をベースに、早送り機能などを実装している。
ソフィー&プラフタ
2023年10月2日のアップデートで実装されたソフィーは、『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』(以下、『ソフィーのアトリエ』)の主人公。そしてプラフタは、ソフィーにとって師匠であり大切な友人でもある存在だ。
『ソフィーのアトリエ』開始時のプラフタは、ソフィーのおばあちゃんが持っていた不思議な本の中に魂が入っていたのだが、ソフィーと仲間たちの活躍により、人形の身体に魂を移される。『レスレリ』に登場するのは、魂を移した後のプラフタだ。
ほわっとした性格のソフィーと、冷静な性格のプラフタはいいコンビで、『アトリエ』シリーズの中でも人気が高いキャラクターだ。『レスレリ』においても、敵の全属性耐性を下げられるソフィー(ディフェンダー)と、 敵の弱点を攻撃すると味方のブレイクダメージを上げられるプラフタ(ブレイカー)の相性はいいので、ぜひいっしょに組ませたい。
なお、『ソフィーのアトリエ』についても、追加エピソードや便利機能を追加したDX版『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~ DX』が発売されているので、もっとソフィーたちのことを知りたい人は、ぜひDX版で楽しんでほしい。
ライザ
ライザは、
の3作品で主人公を務めた錬金術士。本作に登場するのは、『ライザのアトリエ』で、ひと夏の冒険を終えた後のライザのようだ。
『ライザのアトリエ』におけるライザは、なんてことない農家の娘である自分と、なんてことない日常に飽き飽きしていた。だが、錬金術と出会ったことで、やがて故郷の存亡にも関わる、ひと夏の冒険に出ることになる。そして冒険の中で成長した彼女は、なんてことない日常の大切さに気づくのだ。『レスレリ』におけるライザは、悩み、そして成長を経験した先輩として、レスナにやさしく接してくれる。
またライザは、ストーリー序盤で魔物に襲われたレスナを助けてくれるが、じつは『ライザのアトリエ』の冒頭でも、ライザは魔物から少女を助ける。その少女とは、後にライザの親友になるクラウディア。アニメ『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』においても、そのシーンは描かれているので、見比べてみるのもいいだろう。
今回紹介した5人以外の歴代作品キャラクターも、出典作品における特徴が、ストーリーやバトルにしっかりと活かされている。現行ハード向けに移植されている作品も多いので、『レスレリ』をきっかけにプレイしてみてはいかがだろうか。『エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~』と『ライザのアトリエ』はアニメ化されているので、まずはアニメを観てみるというのもアリ!