今回からは、第1〜3回までを執筆したライター・喫茶板東氏からバトンを受け取り、私、夢崎と申す者が『テラリア』のクラフト要素を中心にお送りしていきたい。
まずはマイキャラを作成し、ワールド名を決定。
ソ○ックブームではなく初期装備のオノで素朴に伐採して木材を集めて小屋を作り、小さいながらも初めての我が家に「ここからワイのテラリア道が始まるんや……」と悦に入っていたら、板東氏が突然「ボス戦行こうぜ!」と我がワールドに殴り込み。
「いま、始まったばかりですよ?」
「大丈夫、大丈夫。でも、まあ装備が貧弱だと死ぬから、せめて金の装備くらいはないとな……よし、いいものをやろう」
そう言うと彼は目の前に宝箱をドスンと置き、中を見てみると“きんのツルハシ”が。早速使ってみると、これが初期装備のツルハシとは比べ物にならないほどサクサクと掘れて、地下探索がはかどるはかどる。溜まった“きんこうせき”から“きんのインゴット”を作り、“きんのかぶと”、“きんのよろい”などを揃えていった。この後は第3回の内容に続く……というわけだ。
さて、そんな板東氏の記事に付き合う形で始まった私の『テラリア』ライフだったが、まだ右も左もよく分からないうちにボス戦に引っ張られ、戦うための準備アイテムとしていろんなモノをいただいたこともあり、序盤の開拓はスムーズな滑り出しを見せた。
とくに“きんのツルハシ”のサクサク感に感動し、無意味に拠点周辺を平らにしたりしていたのだが、ある程度慣れてくると、お気に入りの本拠地を作り込みたくなってくる。序盤に取り急ぎ作った木造家屋は味気なく、初心者にありがちな典型的箱型ハウスだった。
しかし、いざ建築に取り掛かってみて痛感したのは「『テラリア』で建築に力を入れたいならば、まず、キャラの強化をしたほうがいい」ということだった。『マインクラフト』には敵を出現させないモードがあったため、建築中はそれだけに専念できたが、『テラリア』にはそんなモードはなく、建築中もつねに敵との戦いを求められる。とくに困ったのが、高い建物の屋根などのきわどい足場にいる際、敵に攻撃されることで起こる落下死だった。敵の出現頻度が高いため、倒しても倒してもなかなか落ち着けず、落とされた後、階段や足場を伝ってもとの屋根まで戻る時間のロスも痛い。
板東氏の様子を見ていると、なんか鉄仮面みたいな装備に身を包んで足から炎出しながらすごい高さを飛んでたりしていて、完全にアイアンマンと化していたのだが、「俺もアイアンマンになったら、たとえ落とされても一発で屋根までジャンプで戻れるんじゃね?」と思い、「Hey、その空飛ぶブーツ、どうやって手に入れたんだい? トニー・スターク殺したの?」と板東氏に聞いたところ、「NPCが売ってたぜ」とのお答え。早速、お金を貯め、NPCを誘致するための家も整え、大枚はたいて“ロケットブーツ”を入手。
「飛んでる! 私、飛んでる!」と、はしゃいだのも束の間、着地の瞬間、カメラがとらえた衝撃映像に。“ロケットブーツ”はあくまでも一定時間飛べるだけであり、その高さからの落下ダメージについては関知しないものだったのだ。
板東氏に「ナゼ、オマエ、シナナイ。フシギ」と未開人ぽく尋ねたところ、「落下ダメージをゼロにするアクセサリーを装備している」とのお答え。「何だよ、その飛行石……」と思ったが、それはあながち間違いでもなかった。そのアクセサリーは、空に浮かぶ島にあるのだ……。
『テラリア』の世界では、ワールドの上空、高すぎず低すぎずのあたりに必ず“うき島”が生成されており、落下ダメージをゼロにするアクセサリーは、そこにある宝箱にまれに入っているらしい。しかし、島の正確な位置は不明なので、発見は困難。ワールドを作成するとき、「せまい」「ふつう」「おおきい」の3種類から選べるのだが、よりによって「おおきい」を選んでいた私は、ちょっと後悔した。地上から一定以上の高さで、画面の端から端までひたすら足場を作っていく……なんて地道なことはやりたくなかったが、「最初は仕方ないかもしれん……」と、地道な天空ロードの建設に踏み切る。
この方法の難点は、高さがちょっとでもズレていると、近くに島があっても見過ごしてしまうこと。「頼むから、画面に映る範囲内にあってくれよ」と願いながら進んでいると……。
奇跡的な確率で“うき島”に遭遇できたものの、残念ながら宝箱の中にアクセサリーはなかった。ひとつ見つけるだけでもたいへんな労力だったので、もっと効率的な方法はないものか……と考えていたところ、いつの間にかアイテム欄に“じゅうりょくのポーション”があるのを発見。使ってみると、3分間だけ自由に空を飛べるというクスリのようだった。
これなら、天空ロードを作らなくても直接空中を探索できる。早速この方法でワールド内にある“うき島”はすべて見つけたのだが、落下ダメージを無効にするアクセサリーは見つからず。てっきり、ワールド内にひとつは必ずあるものだと思っていたので、「えー、俺は手に入れられないのかー!?」と焦ったが、ふと、板東氏がここへやって来たことを思い出した。
このゲームではワールドをいくつも作れるのだが、キャラクターと所持アイテムのデータは共通して使える。つまり、違うワールドに“じゅうりょくのポーション”を持ち込めるし、そこで手に入れたものをこっちのワールドに持ち込むこともできるわけだ。
ならば……と、新規ワールド制作→ポーション使って“うき島”の位置調査→島が見つからずにポーションが切れたらロード→すべての島の宝箱からアクセサリーが見つからなかったらワールド消去→また新規ワールド制作、という力技開始。この方法にて、3つ目のワールドで、ようやくゲットすることができた。さらに、“ヘルストーン”からのダメージを受けなくする“こくようせきのドクロ”と合成することができるらしく、早速、ニコイチ。
長く苦しい戦いだった……NKT……と感慨にふけっている暇もない。そう、そもそもこれは、建設のための準備段階だったのだから……。
『テラリア』では、さまざまなNPCが出現し、彼らは住居の条件を満たした場所に勝手に住み着くという習性がある。このため、遠征して帰ってきたら知らない人が我が物顔で自宅に……なんてこともあり、仕方なく自宅を拡張した人も多いだろう。
NPCは基本的にプレイヤーに情報をくれたり、モノを売ってくれたりする存在なので害はないのだが、勝手に扉を開けて出入りするので、このせいでモンスターにも堂々と家に侵入されたり、NPC自身もモンスターに攻撃されて死んだりする。
NPCはゲームの進行度によって徐々に出現するということもあって、自宅は増築をくり返していたのだが、部屋を横に連ねていると各部屋の扉を勝手に開けて移動するため、女性NPCと男性NPCがベッドのある部屋で無言で見つめ合ったりしていることも。苦労して地下で掘った鉱石を抱えて帰還した自宅で、最初に見せられたのがこれってのはなんだかとってもチクショーな気分になってくるので、この無軌道なNPCたちを管理すべく、マンションを作ることにした。
というわけで完成したのが、この15階建てのタワーマンション。今年9月までに購入すれば消費税増税までに間に合うということで、現在非常に多くのお客様にご購入いただいている人気物件でございます。ファッキンアベノミクス。
こうした作りにしておけば、各NPCたちは左右の移動のみに留まり、NPC同士でイチャイチャする(ように見える)こともなくなる。なお、ベランダに窓ガラスがついているのは、NPCがベランダを乗り越えて投身自殺をほのめかすため。クッ、この豪華マンションが不服と申すか……。
なお、マンション内には住人の部屋だけではなく、さまざまな設備が搭載されている。
まず、2階にはあらゆるクラフト設備をご用意。マンション住人の共有スペースとして、お気軽にクラフトしていただけます。俺しか来ないけどな。
各階は“ロケットブーツ”があれば容易に上昇でき、一気に1階まで下りたい場合は、右側のガラスチューブを落下する。落下ダメージ無効のアクセサリーを手に入れたセレブだけが利用できる、大胆な新世代エレベーターのご提案。
そしてやはりマンションを統べるのは大家であり、最上層に豪勢な部屋を構えているのは当たり前。
ほかの階と比べて明らかな部屋格差を見せつける生活スペースに加え、さらに上の階を丸ごと浴室化。全面ガラス張りという開放感は、誰にも見られない15階という高さが可能にした禁断の果実。あー、ここで入浴後に全裸仁王立ちでコーヒー牛乳を一気飲みしたい。
そして屋上には空中庭園を展開。 街灯とベンチまで設置してあり、ここでそよ風に吹かれながら読書するもよし、「こちら、よろしいですか?」と尋ねてきた女性に「どうぞ」と隣の席を促すもよし。ここ、俺しか来られないけどな。
さて、この空中庭園、作るのにちょっとしたコツが要る。実際に作ってみた人なら、ただ単に高い場所に土ブロックを持ってくるだけではダメなのだと分かるはずだ。それは、草が生えていないと植樹ができないこと。土ブロックを設置して、あとはしばらく待っていれば勝手に生えてくるんじゃないのと思いがちだが、草は、すでに生えている場所から伝播させないと生えないのだ。というわけで、どうやったかというと……。
マンションの横に並んで、土の壁を高く積み上げる。これを庭園部分まで繋げるわけだ。草の伝播する速度はかなり遅いので、上まで繋げてから電源つけっぱなしで寝るくらいがちょうどいい。
ちなみに、電源つけっぱなしにしておいて朝起きたら、なぜか最初に作ったハウスに移動しており、家に無数の墓石が。
この怖すぎるホラー体験におしっこちびりそうになったが、どうも寝ているあいだに敵が活性化して、大群で襲い掛かってくる“ブラッドムーンの夜”というのが始まっていたらしかった。
“ブラッドムーンの夜”になると、ふだんは扉越しにガリガリやってるだけのゾンビやゴブリンが扉を開いて侵入してくるため、安全地帯と思っていた自室でなぶり殺しにされた挙句、ベッドによる復活地点設定が最初のハウスのままになっていたので、復活した後、またそこで延々と殺されまくっていたようだった。死んでもコインが減る程度の難易度設定にしておいたので被害は少なかったが、草を伝播させるために放置する予定の人は、朝起きて墓石だらけになっててもビビらないようにしよう。
というわけで、完成したマンションをミニマップで見てみると……。
いちばん左が、最初の家。右がマンションとなる。最初の家も、つぎつぎと訪れるNPCに合わせて増築をくり返した結果、6階建てにまでなっていたのだが、マンションはその3倍近い高さを誇っているのが分かる。
真ん中にある球体は何なのかと思われるかもしれないが、これは、ドラえもんでときどき見られる未来的ハウスをイメージして作ってみたもの。しかし、円形というのは意外と不便なうえ、すぐにマンション建築に入ったため、作り込む前に廃墟と化してしまった。みんなも、気合の入った建築物を作るときは入念な計画書を作ってからにしよう……。
さて、NPCたちを監獄……じゃなくてマンションに押し込めることに成功したので、これで腰を据えて建築に取り掛かることができる。
次回はいよいよ、モノづくり系ゲームの定番、再現プロジェクトに着手するぞッ!
Published by 505 Games (and Spike Chunsoft for Japan region).
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