面倒な敵の倒しかた
「『ゴースト・オブ・ツシマ』は、意外なことに操作がシンプルで簡単でござる」
と書いたが、遊び始めてから1週間ほどが経過したいまも、その気持ちは変わらない。戦い方がガラリと変わる侍から冥人(くろうど)への移行も特別な操作がいらず、数ある剣技の“型”の切り替えも自然な流れの中で行うことができる。これにより、
ぶっしゃあああああ!!!!
という、多勢に無勢な状況にありながらも、ときに蒙古軍を圧倒する立ち回りをすることも可能なのだ。
しかし……敵もさるもの。
ガチャプレイのままだとどうしても苦戦……というか、はっきり言ってボッコボコにされる可能性が高いツワモノも多数配置されているからタマラナイのである。
そこで今回は、こうした“敵軍のクセモノたち”を制する方法を書きたいと思う。
盾兵と槍兵
とはいえ、俺もまだゲームの中盤あたりをウロウロしているので、主人公・境井仁のポテンシャルすべてを解放できているわけではない。
ここで、
「オマエ、発売前からレビュー用のソフトで遊んでいたんだろ? 遅すぎじゃね??」
と、イタいところをクナイで突いてくる読者が出てくるかもしれないが、まあ聞いてくれよ。
のんびり屋の俺も、いい加減ストーリーを進めようと思って、血走った目でシュタタタタッ!と対馬を駆けているわけよ。
「今日は……絶対に、蒙古兵が現れてもシカトしてやり過ごすぞ!! 対馬人が襲われていようとも、「すまぬ。我は先を急がねばならぬのだ!」とか言って、見なかったことにして走り抜けてやる!」
なんて思いながらな。
でも……。
そういうときに限って、やたらと頻繁に悪鬼のごとき蒙古兵にからまれるのはどうしたことだ。
からんでこなけりゃ争いも生まれないのに、ヤツらは俺の姿を見ただけで、
「あ!! 武士だ武士!! やっちまえやっちまえ!!」
ってんで襲ってきやがる。そうなったらこっちも黙っていられなくなり、
「なんじゃいゴラァ!!! てめぇらナニ中だオウ!!!」
ということで壮絶なケンカが勃発。
目と目が合っただけで斬った斬られたの大立ち回りに発展するなんて、オマエらは発情期のノラネコか、って感じだけど、リアル世界のチンピラも似たようなものだから、こういった性質は人類の遺伝子に連綿と刻まれ続けているのだろう。
こんなことにいちいち顔を突っ込んでいるので、なかなか物語は進まない。でも、こういった寄り道こそオープンワールドの最大の楽しみだと俺は思っているので、けっきょく毎日積極的に、
「揉め事はないか!? わしが解決してやるけんの!!」
と、ウザいくらい強引に争いの種にからんでいっているのである。
そしてそんなとき、厄介なのが前述の“敵軍のクセモノたち”だ。
具体的には、中盤戦までだと“盾兵”と“槍兵”がそれにあたるのである。前者は、巨大な盾で前面のガードをガチガチに固め、こちらの攻撃を片っ端から受け止めたのちに強烈なカウンター攻撃を仕掛けてくる。後者は、槍の圧倒的なリーチを活かして長い射程の攻撃を行い、主人公を翻弄する。
どちらも、適切な対応をしないと非常にイタい目をみせられるのだが……これにはキチンと、対抗策があるのである。
身近な方の切り替えは……!
対抗策とは、いわゆる剣技の“型”である。
型には“水の型”、“風の型”なんてのがあり、最近の風潮だとついつい、
「水の呼吸ッッッ!!!」
なんて口走りたくなるが、まあそれらと大差ないと思っていい。
まず、面倒な盾兵について。
こいつらに対抗するには、流麗な“水の型”がいい。
流麗……と書いたけどそれはあくまでもイメージで、水の型でできることはズバリ、“盾吹っ飛ばし”である。
水の型になり、強攻撃がアサインされている△ボタンで剣を振り回していると、強烈な盾飛ばし攻撃が発動して敵を無防備にすることができる。そこで斬撃を畳みかければ……ア~ラ不思議、あれほど手こずっていた盾兵を簡単に屠り去ることができるのであります。
続いて、槍兵。
これを攻略するには“風の型”がいい。というのも、水の型が盾兵に対して特攻(敵の武器に対するカウンターみたいなものだな)があるように、風の型は槍兵に特攻があるのである。具体的には、槍兵に対して△ボタンの強攻撃をしたときのよろめきダメージの増加と、相手を転ばせる“足蹴り”もくり出すことができる。なので柄の長い武器を持っている敵が現れたら、躊躇なく風の型になることをオススメしたい。
しかし、敵は単独で攻めてくることはまずなく、ほとんどが剣兵、盾兵、槍兵、弓兵が入り混じった“混成軍”となっている。いくらそれぞれに適した型を持っていようとも、瞬時に切り替えられないことには宝の持ち腐れもいいところであろう。
その点、『ゴースト・オブ・ツシマ』の操作は、非常によく練られていると言える。
以前の日記で、遠距離武器を切り替えるときはコントローラーの左側(L2ボタン)を使用し、その際に、
「左手の“ひ”は飛距離(遠距離)の“ひ”と覚えよう!」
と書いたが、型の切り替えに関してはコントローラーの右側を使う。具体的にはR2ボタンを長押しして選択を行うのだ。
なのでここは、つぎのように覚えよう。
「右手の“み”は身近(型)の“み”」
これを覚えていると、ドタバタな戦闘のさなかでもかな~り華麗に型や武器を入れ替えることができる。48歳のおっさんの俺でも余裕でこなせているので、みんなもぜひ覚えよう!!w
これで、槍兵も恐ろしくない。
……って、思いっきり失敗して追い回されてるけど!!www
でもどうにか立て直し、風の型に切り替えれば、あとはザクザクと斬り刻むだけ!!
このへんのスムーズさが、『ゴースト・オブ・ツシマ』の魅力のひとつなのである。
大塚角満(おおつか かどまん)
元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。2017年に独立。編集部時代から現在に至るまでゲームエッセイを精力的に執筆し、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』、『折れてたまるか!』など、多数の著作がある。