増子直純(ますこ・なおずみ)●バンド“怒髪天”のボーカルにしてフロントマン。大成功を収めた結成30周年記念の武道館ライブの模様を収めたDVD『怒髪天結成30周年記念公演“いやぁ、こないだ、ほんと、どうもね。”LIVE AT BUDOKAN』が、2014年3月19日にリリースされる。また、2014年4月18日の京都を皮切りに、全国47都道府県を回るツアーの開催も決定。その半生を描いた初の自伝『歩きつづけるかぎり』(音楽と人刊)も話題となっている。

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魔物は強ければ強いほど燃える!

――増子さんが『ソルサク』でいちばん魅力的に感じるところは?

増子直純(以下、増子) 何よりも好きなのは、魔物のデザイン。どの魔物にもストーリーがあって、その内容に沿ったデザインになっている。哀愁を感じさせる魔物のストーリーが、世界感に深みを与えているところがいいよね。デザインも、こちらの想像を越えるものになっている。“ゴブリン”と言えば、ふつうは“小鬼”みたいなのを思い浮かべるけれど、『ソルサク』では、ネズミだからね(笑)。みんなが知っているようなモンスターをどう消化してアレンジするのかで、それぞれの作品の味が出るとオレは思うんだけど、『ソルサク』はひと味違っていたね。

――ファンタジー好きなら誰でも知っている名前が冠されているぶん、インパクトが大きい。

増子 “スライム”なんて、ふつうはあの形にならないでしょう。それぞれが、ぱっと見ただけでプレイヤーに“勝てそうもない”と思わせるルックスなのもスゴイし、好みだね。

――ちなみに、どの魔物がお好きですか?

増子 “ジャック・オ・ランタン”が好きだな。最初に出会う強敵だし、転がってくるところもいい。グールも、顔がドクロなのに王冠をかぶっているところがカッコイイよ。子どもっぽくないし、見れば見るほど丁寧に作られていることがわかる。船と一体化しているクラーケンなんて、それだけでゾクゾクするよね。設定がしっかりしているから、世界にのめり込みやすくなる。

――想像を超えた魔物がたくさん登場しますね。

増子 どれもハンパないよ。なんか『デビルマン』(編註:永井豪原作のマンガ)を思い出させるんだよね。とにかく恐ろしい。

――『ソルサク デルタ』でも、新しい魔物が現れます。

増子 “白雪姫”や“シンデレラ”が気になるね。こんな魔物がガシャガシャと道を歩いてたら、大変なことになる(笑)。攻撃方法が多彩だってことが見ただけでわかるけれど、“ブレーメンの音楽隊”に至ってはどんなことになっちゃうのか……。すごく気になる。

――現在配信されている『ソルサク デルタ』の“「共闘」体験版”で戦えますよ。

増子 まだ、戦えてないんだよね。でも、イラストを見ただけで、どんな行動をするのか気になっちゃうのは、いいデザインの証拠だよ。“赤ずきん”は、投擲魔法を防ぐんだよね。でも、近づいて魔法を無力化している部分を壊せるんでしょ? 攻略方法が段階的に変わるのは、おもしろいな。やっぱり、敵は強ければ強いほど燃えるよ。倒せたときの達成感がたまらないから。魔物の体力が表示されないのも、燃える理由のひとつだね。

――心眼を使えば、どれだけ弱っているのかはわかりますが、夢中になるとつい忘れます。

増子 心眼を使わないほど熱くなっているときに、ヤバい状況に陥って“もう無理!”となる瞬間があるじゃない? そんな状態で一撃を加えたら、魔物が倒れたりすると、ものすごくうれしい(笑)。

とにかく“悪い”魔法使いを目指す!

――ちなみに、増子さんの魔法使いはどのようなカスタマイズを施しているのですか?

増子 最初は男だったんだけど、衣装を集めるにつれて、女性のほうがカッコイイかなと思うようになってさ。魔法使いと言えば、やっぱり“魔女”でしょう、と。だから、いまは女性にして、とにかく“悪い”というか、血も涙もない魔法使いに見せるべくカスタマイズしているよ。色はやっぱり赤と黒だよね!

――『ソルサク デルタ』では、女性の顔のパーツがよりかわいくなりますよ。

増子 そうなの? オレは、洋ゲー(※編註:海外産ゲーム)みたいな、骨太の顔のキャラクターが好きだから、そのままでもいいのにな。

――ほかにもカスタマイズ用のパーツがいろいろ追加されるので、ますます“悪い”魔法使いが目指せますね。

増子 そこも楽しみだよ。

――魔法のカスタマイズはいかがですか?

増子 どれだけボコボコにできるか、それだけを考えているね。できるだけヒドイ攻撃をしたい(笑)。前にも言ったように、とにかく突っ込んでいくタイプなので、近接系の魔法と回復魔法だけでがんばって戦う感じ。盾みたいな防御系も使わない!

――ひとつの方向に特化したセッティングも、ほかのプレイヤーとの魔法連携があれば、十分戦えますよ。

増子 魔法連携は、戦略を大きく変えるね。共闘に厚みが出る。ゴーレムが小さくなって魔物に向かっていく魔法連携は、個人的に使いこなせるようになりたいな。『ソルサク』って、レベルアップすればパラメータの数値が単純に上がっていくタイプのゲームではないよね。魔法を合成したり強化することでどんどん強くなるシステムは、レベルが上がっていくのを魔法という形で体感できるから、より楽しくなる。いろいろな魔法を集めたい、って欲が刺激される。

――禁術や生贄魔法も、徐々に開放されていきますよ。

増子 エクスカリバー(※編註:自分の心臓を引き抜いて、強力な魔剣を生み出す大技。発動後は体力が減っていく)が斬新! 「そりゃ死ぬわ!」って思う魔法で、必殺技っぽい。何より、“エクスカリバー”という名前でこの魔法が生まれる発想は、エラいことだよ(笑)。いまのところ禁術はあまり使わないんだ。プレイスタイルがとにかく前のめりだから(笑)。

ガンガン遊んで『ソルサク デルタ』に備える!

増子 そういえば、ひとつ言いたいことがあって。音楽がすごくいいよね。メニュー画面で流れている、コーラスが乗ったオペラっぽい曲がいちばん好きなんだ。オーケストラで演奏していることがわかる昔、『傷だらけの天使』というドラマがあってさ。岸田今日子さんが出演するシーンでいつも流れる曲があるんだけれど、それにイメージが被って。

――あれは、確かシャンソンでしたよね。

増子 そうそう。それで気づいたんだけど、岸田今日子さんと“魔女”のイメージが繋がるなと(笑)。それで女魔法使いを選んだのかも。

――『ソルサク』の話で、岸田今日子さんのお名前が出たのは初めてですよ! 

増子 プレイステーション Vitaはすばらしいハードだってことも言いたかったんだ。グラフィックはキレイだし、とにかく持ちやすい軽さで、大きさもしっくりくる。まさに“携帯”するために作られているなぁと、感心しちゃうね。アクションゲームにピッタリのハードだと思う。

――だいぶお気に入りのようですね。

増子 素直にそう思う。大人が持っていてもおかしくない。ほかのタイトルをプレイしていて思ったんだけど、『ソルサク』も大人の鑑賞に耐えうるゲームでしょう。表現したいことに対して、「これはもっとおとなしめに」とか萎縮するんじゃなくて、プレイヤーに恐ろしい、楽しそうと思わせる方向に向かって進む姿勢がわかるから、すばらしいよ。『ソルサク デルタ』を見ていると、それがさらに加速している印象を受ける。単純なアクションゲームではなく、ストーリーや世界観の設定をしっかりして、RPGみたいにじっくり遊べるようにしているのも、大人にはうれしい。

――ほかにもさまざまな要素が『ソルサク デルタ』で加わりますが、どれが気になりますか?

増子 オンラインでの勢力争いかな。これはやる気が出るし、みんながどの勢力を選ぶのか、気になるよね。

――『ソルサク デルタ』では生贄派のアヴァロン、救済派のサンクチュアリ、運命を天に任せるグリムの3勢力が出てきますが、増子さんは……聞くまでもないですかね(笑)。

増子 もちろん、アヴァロンでしょう。見た目も悪そうだし、とにかくカッコイイから。ほかにも遊びかたが変わる要素がたくさんあるから、楽しみだよ。(2014年)3月6日なんてあっという間だし、とにかくいまは『ソルサク』をガンガン遊んで、『ソルサク デルタ』に備えておこうと思う。データの引き継ぎができると聞いて、俄然盛り上がったし。引き継ぎができないとなると、ガックリしちゃうから、安心したよ。このビッグウェーブに乗らない手はないでしょう。もう少しオレの魔法使いが強くなったら、ぜひみんなと遊びたいね!

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