戦場の狼
アーケード発売日:1985年5月 1人プレイ専用
現代の戦場を舞台にした、縦スクロールアクションシューティングゲーム。特殊訓練を受けた優秀な戦士“スーパー・ジョー”となり、ライフルと手榴弾を駆使して戦う。敵地で捕虜となっている兵士を助けながら、悪の軍団を倒すことが目的となる。
アーケード発売日:1985年5月 1人プレイ専用
現代の戦場を舞台にした、縦スクロールアクションシューティングゲーム。特殊訓練を受けた優秀な戦士“スーパー・ジョー”となり、ライフルと手榴弾を駆使して戦う。敵地で捕虜となっている兵士を助けながら、悪の軍団を倒すことが目的となる。
「とあるジャングルの奥、秘境の地で激しいゲリラ戦が展開されていた。特殊訓練を受けた優秀な兵士“スーパー・ジョー”は極秘任務を受け、今まさにこの激戦の中に乗り込もうとしている。極秘任務とは、難攻不落と言われ、ここから世界へ魔手を広げようとする、悪の軍団の壊滅と本部破壊! はたして、実行不可能と思えるこの無謀な任務を遂行できるだろうか!?」
縦画面のシューティングだが、強制スクロールではなく、プレイヤーが前に進むことで画面がスクロールするタイプ。そのため、プレイヤーがみずから切り開いて進む感覚が味わえる。
攻撃手段はライフルと手榴弾の2種類。ライフルの弾は射程があるが無限で、プレイヤーの向いた方向に弾を撃つ。手榴弾はプレイヤーの向きには関係なく前に発射され、低い障害物を越えて向こう側の敵に当てることができる。手榴弾の数には限りがあり、フィールドに落ちている弾薬を入手することでストックを増やすことができる。
プレイヤーは敵弾や敵そのものに触れるとミスとなる。またステージによっては、ジープやバイクが画面を横切るが、これに触れてもミスになるので注意しよう。
4ステージごとに敵の基地が存在し、8ステージで1周クリアーとなる。エンディングは存在せず、残り人数がある限りループしてゲームは続く。
▲ライフルと手榴弾を使って単身で敵地に乗り込む。ステージの合間には、戦士が食事をしたりタバコを吸ったりするシーンがあり、なかなかいい味を出している。
本作は自力スクロールのシューティングで、プレイヤーが前に進むことで画面はスクロールする。このようなタイプはアクションシューティングとも呼ばれ、戦闘機ではなく止まることができる人間や戦車、ヘリコプターなどをプレイヤーにするのが一般的だ。
本作が一般的な自力スクロールタイプと違うのは、画面上にタイムが表示されないこと。通常のアクションシューティングゲームは立ち止まって撃ち続けることを防止するため、たいていの場合時間制限を設ける。だが本作は自分のいる場所に敵が手榴弾を投げてくるため、同じ場所にとどまることができない。敵はひっきりなしにやってくるので、ゆっくり進むより前に走ったほうが楽な場合が多い。
つまり本作は時間制限というシステムで縛るのではなく、敵の攻撃と動きでプレイヤーを前に進ませるようにしているのである。そのために単身で突入する雰囲気がうまく表現されており、熱い戦いが実現している。このようなゲーム性は非常に珍しく、オリジナリティに富んでいるといえるだろう。
本作がゲームセンターに登場したときの人気は、爆発的なものがあった。難度はやや高いものの、短い時間で熱くなれるゲーム性はまさにゲームセンター向きだったといえるだろう。一方で本作は敵の攻撃を覚えて少しずつ進む、といったゲームの要素はあまりない。そのため、それほど長い期間ブームは続かなかった。その点では、ロングヒットを記録した『1943』とは対照的な作品といえる。
プレイヤーの進む方向に弾を撃つが、まっすぐ直進すると一直線にしか弾が出ない。これではライフルの弾がカバーする範囲が狭く、敵に当たりにくい。そこで左右に少し振るようにしながら前に進もう。そうすれば弾を左右にばらまいて進むことができる。
1ヵ所にとどまると手榴弾が飛んでくるので、基本的には前に進んでいったほうがやられにくい。とくにアーチ型のゲートの下は危険なので、できるだけ早く通り過ぎてしまおう。橋の下は隠れて見えないが、怖がらずに一気に通り抜けたほうがやられる可能性は低い。
ちなみに同じ敵でも、手榴弾で敵を倒すと得点が高くなっている。弾薬を取るとストックが増えるので、できるだけ取って使っていこう。手榴弾を使えばトラックやトーチカ、塹壕や水中の敵など、ライフルでは倒せない敵を倒すことができる。
▲手榴弾をうまく使って敵を倒そう。ステージのラストでは画面のスクロールが止まり、敵の総攻撃が始まる。この敵の猛攻に耐えればクリアーとなる。
(1) 1面と2面を通してプレイ。あまり意味はないが、ヤシの木は手榴弾で破壊できる。アーチ型の橋は、多少強引でも一気に突破してしまったほうがよい。
(2) 7面と8面をプレイ。7面後半のランチャー部隊とジープの組み合わせはかなりの難所。画面の右端、左端に追い詰められないように注意しよう。
当時としてはリアルなグラフィックと熱中度の高いゲーム性で、ゲームセンターで大人気だったタイトルです。最初にプレイしたときは難しく感じられ、あっという間にやられたものです。しかしコツをつかむと、どんどん進めるようになるのが不思議。最終的には何周かできるようになった記憶があります。
ちなみに本作の世界観を受け継ぎ、1990年に『戦国の狼II』が発売されました。これはこれでおもしろいのですが、ゲーム性は本作とはかなり違っていました。本作が進化した形のアクションシューティングがプレイしたかったな、といまでも思っています。