カプコン アーケードキャビネット -レトロゲームコレクション-|ファミ通.com

エグゼドエグゼス

エグゼドエグゼス

アーケード発売日:1985年2月 2人同時プレイ可能

ふたり同時プレイが可能な縦スクロールシューティングゲーム。ショットとクラッシュのふたつのボタンを使い、敵を攻撃する。敵の秘密兵器、超浮遊要塞EXED EXESを破壊することが目的となる。

ストーリー・システム説明

「これは地球から6千光年も離れた、ある惑星での物語。工業用に改良された昆虫型巨大生物EXESは、人間型生物NEG-NINに攻撃を仕掛けるようになった。これに驚いた科学者たちは、2機のEXES撃退用メカ、カーネル号とサージェント号を造ることになった。しかしEXESの秘密兵器EXED EXESも完成間近のようだ。急げ!! 1日も早くEXES軍を全滅させるのだ」

 オーソドックスな縦スクロールシューティングゲームで、ショットで敵にダメージを与える。空中と地上に敵が出現するが、どちらもショットで倒すことができる。空中の敵と同じように、地上の敵に触れてもミスとなる。

 ショットはPOWを取ることで、最初の段階を含めて4段階にパワーアップする。パワーアップするにつれ、射程とショットスピードが上がる。ただし画面上に表示されるショットの弾数は決まっているので、近づいて撃ったほうが敵を速く倒すことができる。ちなみにWOPを取ると10000点だが、初期段階にパワーアップが落ちるので注意しよう。

 クラッシュを使うと敵弾を消すことができる(ただし敵にダメージは与えられない)。使った直後から一定時間敵は弾を出さなくなるので、そのあいだに近づいて攻撃することが可能だ。クラッシュは自機が増えたときに出現する白い星(佐吉)を取ることで、使う回数を増やすことができる。

 黄金に光るPOWを取ると、画面上の敵をフルーツに変えることができる。このフルーツは接触すれば得点となる。中型の敵がいるときに取ればジャンボいちごが出現し、10000点になるので得点を稼ぐチャンスだ。

 そのほか、ショットは前に出るときに射程が伸び、後ろに下がるときには射程が短くなる。自機の移動も下方向への移動は減速がかかるようになっている。

ストーリー・システム説明 ストーリー・システム説明

▲ショットがパワーアップすれば強くなるが、画面上に表示される弾数には限界がある。そのため、硬い敵には接近して撃ち込んだほうが早く倒せる。

連射力が必要とされるSFシューティングゲーム

 本作がリリースされた1985年は、シューティングゲームがゲームセンターの花形であった時代だ。シューティングゲームはハードの進化とプレイヤーの欲求に応じて姿を変えていくが、本作もその流れの中に位置づけることができる。

 驚きだったのは、そのキャラクターの数の多さと浮遊要塞の大きさである。弾の数も多く、シューティングとしての醍醐味を十分味わうことができる。現在の弾幕シューティングに比べればはるかに弾は少ないが、当時はハードの制約で画面上に動く物体を多く表示できなかった時代。これほど迫力のある攻撃をしてくるシューティングゲームはあまり見られなかったといえるだろう。

 また印象に残っているのは敵の硬さである。やっかいな砲台は耐久力が高く、画面上に残って弾を撃ち続けるので危険な存在になっている。ボスの浮遊要塞ともなれば、この固い砲台がたくさんついているので簡単に倒すことはできない。ひたすら連射し、少しずつ破壊していくしかないのだ。

 そのため、連射があまりできないプレイヤーにとっては苦労するゲーム性になっている。リリース当時はゲームセンターにいわゆる連射装置は出回っていなかったので、結果的に難度は高いものになっていた。『カプコン アーケード キャビネット』に収録された本作では、設定でショットの連射をオンにすることができる。こうすれば快適さが増し、より爽快に遊べることだろう。

 本作は16ラウンドで1周となり、それ以降は後半のラウンドをループする。そして得点が1000万点を超えるとエンディングを迎える。この当時、何周もループさせて1000万点を出すのがシューティングマニアのステータスだったが、通常の作品はエンディングが存在しなかった。しかし本作はプレイヤーの心情を受け止め、あえて特殊なエンディングを用意しているのである。このような例はシューティングゲームの歴史の中でもほとんど存在しない。この作り手の配慮はすばらしいものだと思う。

 ちなみにラウンド16のラストは、これまでに出現したボスがつぎつぎと出現する。これはいわゆる“ボスラッシュ”というシステムだが、本作以前にこのような仕掛けはほとんど見られなかった。その意味でも画期的な作品である。

基本的な攻略法

 本作は連射力が重要なカギを握る。連射が速ければ砲台を倒す時間が早くなり、その結果弾の数を減らすことができるからだ。しかし自機の弾は画面上に3発までしか表示されないので、接近して撃ち込むことが重要になってくる。

 地上に設置された砲台などは、プレイヤーが近づくと弾を打たなくなる。このことを知っていれば、砲台に密着して敵弾を封じ、効率よく弾を当てて破壊することができる。連射力を活かし、砲台に密着して速やかに破壊するパターンを作っていくとよいだろう。逃げまくっていては得点も落ちるし、危険度も上がってしまう。

 空中の敵でいちばん怖いのは、背後から出現するトンボのような敵。この敵が出現したら、画面上で円を描くように動き、弾を避けながら回り込もう。“佐吉”を惜しまず使ってかまわない。

 本作には隠しボーナスや得点アイテムが多く存在するので、できれば利用して得点アップを図ろう。たとえば1面で画面上にひとマスだけ存在するひし形の地形の上に行くとボーナス点が入る。また特定の砲台を壊すことで高い点数が得られるフードが出現する。フードの位置を覚えておけば得点効率が上がるがはずだ。

基本的な攻略法 基本的な攻略法

▲フードが出現する砲台を壊したり、隠しボーナスや得点アイテムなどを逃さず取って、得点アップを図ろう。 ▲ボスのコアをすべて破壊すると、砲台の撃つ弾数が少なくなる。コアは砲台と違い当たり判定がないので、重なって撃つことも可能だ。

PLAY MOVIE

(1) ラウンド1を通してプレイ。1マスの地形の上を通ると1万点となるので忘れずに。後ろから出現するトンボのような敵には、この先のラウンドでも悩まされる。

(2) ラウンド15を通してプレイ。この動画では連射の設定をオンにしているが、ラウンド15は連射の速さが最大限に活きる場所。敵の位置を覚えて動きをパターン化しよう。

『エグゼドエグゼス』の思い出

 なかなかやりごたえのあるシューティングゲームで、発売当時はハイスコアを目指してやりこんでいました。しかしなかなかうまくならず、1周したかどうか、といったところで挫折したように記憶しています。後に地元のゲーセンに1000万点を出したプレイヤーが来たので見せてもらったのですが、そのプレイスタイルは超連射で硬い砲台を壊しまくるというものでした。弾をかわすことばかり考えていた自分にとって、それはちょっとしたカルチャーショックでした。
 本作はふたり同時プレイが可能ですが、ふたりで遊ぶのもなかなか楽しいものです。実際に発売当時、知人とふたり同時プレイを真剣にやっていました。ふたりで撃ち込めば硬さも2分の1になります。機会があればぜひ試してみてください。

石井ぜんじ
公式サイトはこちら
(c)CAPCOM CO., LTD. 2013 ALL RIGHTS RESERVED.