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第1回: MOBA概論1―そもそもどんなゲームジャンルなのか?
公開日時:2013-10-25 00:00:00
●同時接続者数は数百万人? ゲーム実況動画配信サイト人気ナンバーワンジャンル? 世界でMOBAの勢いがスゴい!†
今、世界で最も熱いゲームジャンルは? FPS? MMORPG? ソーシャルゲーム、またはブラウザゲーム? いや、MOBAである!
MOBAとは、“Multiplayer Online Battle Arena”の略でPC用オンラインゲームとしては、ここ最近トップクラスに人気のあるジャンルだ。Action RTS、AOSとか、代表的なタイトルの名前を取って“DotA系”と言われることもあるが、本ブログではMOBAで統一するとしよう。
さて先日、代表的なMOBA『League of Legends』(公式サイト)の公式大会“Season 3 World Championship”が開かれたのだが、まるで武道館のような大きな会場で開かれ、有名なゲーム実況動画配信サイトであるTwitchでの配信も世界中のプレイヤーが視聴。どのマッチアップでも数十万人の視聴者を記録するなど、一大現象となっている。
しかも優勝賞金は約1億円。お金の動きも大きい。また、大会選手にアスリートビザ(※)が発行されるなど、競技として認められている(編注:通常、国際大会に出場するスポーツ選手などに発給されるビザ)。
もちろん大会がここまで盛り上がるだけに、プレイヤー数も圧倒的だ。『League of Legends』では同時接続者数が数百万人の規模(現在は更に増えている可能性もある)であるし、Valveの『Dota 2』(Steamでの配信ページ)は同社のゲーム配信プラットフォーム“Steam”においても常に人気ナンバーワン。前述のTwitchにおいても、普段から両タイトルの配信はトップクラスの人気を誇っている。
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▲10月25日朝のSteamのランキング。2位以下を大きく引き離す圧倒的な数字。 |
MOBAは基本無料(F2P)のゲームが多く、プレイを始めやすいのも、こうした状況を加速していると言えるだろう。
基本無料といっても、お金を払うことで入手できるのは、キャラクターの見た目を変更するスキンや、使用するキャラクターを増やすことが中心だ。ゲームが始まってしまえば、お金を払った人と払っていない人でキャラクターそのものの強さには差が出ない。だから、かけたお金にさほど影響されずに腕をちゃんと発揮できるというのも、人気の秘訣だろう。
MOBAの勢いをわかりやすく伝えるために海外の状況を中心に紹介してきたが、『League of Legends』は日本でのサービスを予定しているし、セガの『カオス ヒーローズ オンライン』(公式サイト)など、日本でサービスをしているMOBAもある。さらには日本製のMOBAも発表されているなど、日本においてもMOBAがこれから盛り上がっていくのは間違いないだろう!
●RPG、ストラテジー、アクション、協力プレイ……さまざまなプレイ要素が融合†
では、そもそもMOBAとはどのようなゲームジャンルなのだろう?
MOBAは基本的に、5対5(例外もある)で行うチーム対戦ゲームである。プレイヤーは一人あたり一体のキャラクター(ヒーローやチャンピオンなどと呼ばれる)を選択してプレイ。他の4人のプレイヤーや自軍NPC兵士(プレイヤーキャラクターとは扱いが大きく異なる、スキルを持たないザコキャラ)と協力して敵軍の本拠地を先に破壊するのが目的となる。
画面はRTSやハック&スラッシュRPGのような見下ろし型の視点で、操作はリアルタイム。操作感覚もRTSやハック&スラッシュRPGに近いものがある。
見た目だけでなく、キャラクターを成長させるRPG要素や、視界確保などのRTS要素、敵のスキルを見てから回避するなどのアクション要素など、さまざまなジャンルのゲーム要素が融合しているというのが、MOBAの面白いところだ。
その組み合わせ方がキモともなっており、例えばMOBAはオンラインRPGのPvPと似ていると言われることがあるが、レベルや装備の扱いは異なる。
オンラインRPGでは長い時間をかけて育てたキャラクターでPvPをするのが一般的だが、MOBAにおいては選択したキャラクターはゲームごとにレベル1から始まり、次のゲームにレベルアップや装備アイテムを持ち越さない。MOBAではゲームごとに敵プレイヤーや敵軍のNPC兵士などを倒してレベルを上げ、稼いだお金でアイテムを買い、キャラクターを成長させていくのだ。
また、全員がレベル1からスタートするので、レベルや装備アイテムに差がついた場合、育ったキャラクターは育っていないキャラクターを一瞬で倒すことが出来る。いつも一から積み上げ直すという点では、むしろRPGよりRTSに近いと言うことができ、敵よりも早くキャラクターを成長させるという点でプレイヤースキルの差が生まれるのだ。
そのため、MOBAでは敵軍(敵プレイヤーまたは敵NPC兵士など)や中立モンスター(能動的にプレイヤー軍と戦おうとはしない)を倒しながら敵のプレイヤーよりも早くレベルを上げ、お金を稼ぎ、状況を見ながらアイテムビルドやスキルビルドを考えなくてはならない。試合前にあらかじめ決めたビルドを目指すのではなく、あくまで試合中にビルドを決めていくのがMOBAのストラテジー要素のひとつだ。
しかし、MOBAは敵を倒すゲームではない。先に説明したように、あくまで敵軍の本拠地を破壊するのが目的で、RPG要素(レベルを上げてお金を稼ぎビルドを組む)により、ストラテジー要素(敵軍の建物を破壊していく)を進行していくゲームなのだ。
敵の本拠地を破壊するためには、タワーなどの建物をまず破壊しなくてはならない。マップに散らばった敵プレイヤーや敵NPC兵士を倒しつつ、建物を破壊していくには、他のプレイヤーとの協力が不可欠である。この協力要素が大きな点も、MOBAの魅力の重要な部分を占めている。
これまでの説明で難しいと思った方もいるかもしれないが、MOBAにおいて使用するプレイヤースキルは数種類のみ(一般的なMMORPGにおける使用スキル数よりはるかに少ない)。さらに、召喚スキルなどの例外を除けば、RTSのように複数のキャラクターを操作する必要もない。操作自体はRPGやRTSよりは簡単なので安心してほしい。
まとめよう。MOBAはRPG要素、RTS要素、アクション要素、協力要素などの様々な要素が融合していて楽しいゲームジャンルである。MOBAを知らない人向けの基礎的な解説なので、あくまで骨組みの部分を説明したに過ぎないが、MOBAの魅力が少しでも伝わっていると嬉しい。もし気になったのなら、是非とも『League of Legends』、『カオス ヒーローズ オンライン』などのMOBAゲームを試しにプレイしてほしいと思う(先程も書いたが、MOBAは基本プレイが無料なことが多い!)。
次回からはもう少しゲーム内容に具体的に踏み込み、“レーン戦”、“ジャングル”など、他ジャンルとの比較ではない、MOBAならではの基本要素やゲームの進め方を説明していくとしよう。
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