“Six Invitational 2021“栄冠をつかんだのはNinjas in pyjamas ラテンアメリカ地域が上位を独占する快挙を達成

2021年5月24日に閉幕した『レインボーシックス シージ』のPC版世界大会“Six Invitational 2021”、グランドファイナルの結果をリポート。
文:takatoko

公開日時:2021-05-27 15:30:00

 2021年5月24日に閉幕した、『レインボーシックス シージ』のPC版世界大会“Six Invitational 2021“。本大会で見事優勝を勝ち取ったのはNinjas in pyjamas(以下、NIP)となった。

 本大会は、ヨーロッパ、北アメリカ、ラテンアメリカ、アジアの各地域で予選を勝ち抜いた4チーム、そしてプロリーグで優秀な成績を出した16チームの計20チームが参戦。レインボーシックスシージにおいて最も権威の高い大会となっている。

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 最終日のプレイオフDay5では、ウィナーズブラケットを勝ち上がったNIP、ルーザーズブラケットにて勝ち上がったTeam Liquid、MIBRが進出。すべてラテンアメリカ地域のチームが勝ち残っていた。これまでのSix Invitationalではラテンアメリカ地域の最高位は昨年のNIPの2位となっており、ラテンアメリカ地域にとって初となるSix Invitational王者が決まるといった意味でも注目が集まった。そして、ルーザーズファイナルのTeam Liquid vs MIBRではTeam Liquidが勝利し、グランドファイナルへと駒を進める。

グランドファイナル結果

Ninjas in pyjamas 3-2 Team Liquid

1マップ目:カフェ 7-2
2マップ目:山荘 3-7
3マップ目:クラブハウス 6-8
4マップ目:領事館 7-2

 1マップ目のカフェではNiPによる徹底した殲滅を狙った攻撃やガジェットで固く守る防衛に対してLiquidは対応することができず、7-2で1マップ目はNIPが獲得。カフェでは3F防衛に2チームの守りかたに違いが表れていた。LiquidはTSM戦でも見せたようなシガーショップを射線によるカバーでキルすることを狙って防衛していたことに対し、NIPはガジェットを多く配置して、時間と投げ物などのガジェットを消費させる守りかたを選択していた。

 結果としてはLiquidの防衛はキルを拾うことができなかったことに対して、NIPは時間を使わせることに成功する場面も多く、カフェではNIPのペースで試合進んだ。

 2マップ目の山荘では、残り1マップ獲得で優勝と王手をかけたNIPに対してLiquidの猛追が始まる。今大会での山荘は攻撃の取得ラウンド数が非常に高いマップとなっており、攻撃有利マップと言える。そんななか、LiquidはNIPの攻撃を4本守ることに成功。攻撃もしっかりと通すことに成功し、Liquidが2マップ目を獲得する。カフェとは一転してLiquidペースではあったが、NIPはグループ予選、プレイオフと一貫して山荘をBANしていたことから、NIPは山荘が得意マップではなかったと考えられるため、順当とも言える。

 3マップ目のクラブハウスでは、延長戦にもつれ込む拮抗した展開の末にLiquidが勝利。延長戦の13ラウンド目では、Liquidは一度も通すことができていなかった地下攻めを成功させる。クラブハウスをLiquidが勝利したことによって、マップカウントは2-2となり、勝負の行方は5マップ目の領事館で決まることとなった。

 クラブハウスではNIPがほぼほぼ取れていたラウンドを落としたりとミスも目立つ場面も多く、Liquidは流れをつかめているようにも見えた。ところが、クラブハウスでの敗北がまるでなかったかのように、NIPは切り替えて領事館に臨むことができていた。

 最終マップとなった領事館ではNIPの攻撃をLiquidは一度も止めることができず、NIPは6-0で折り返すことに成功。最終ラウンドではLiquidの遊撃を倒し、人数差をつけることに成功して勝利した。

 NIPはディフューザーが設置できそうな場面であってもアグレッシブなプレイをすることが多く、何度もディフューザーを設置しないことに驚かされた。しかし、ディフューザー設置は成功すると攻撃側は有利な状況になるが、設置中はアクティブなプレイヤーがひとり少なくなって人数差ができてしまう場面でもある。NIPは多くの場面でディフューザー設置を狙わず、チーム全員で殲滅を狙うことで足並みをそろえてプレイをしていた。

 ディフューザー設置の妨害を守りの要に考えていたチームにとっては、想定外のプレイも多かったのではないだろうか。ラテンアメリカ地域は他の地域と比べるとやや強引なアプローチを多く、このようなアグレッシブなプレイは“ラテンタクティクス”と呼ばれることが多かった。一見、リスクの高く無謀なプレイと捉えられがちだが、NIPはアグレッシブではあるものの、無謀というわけではなく、チームとして狙いを持ったプレイを徹底することができていた。

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© Ubisoft | Photo Credit: Kirill Bashkirov

 昨年のSix InvitationalのグランドファイナルではSpacestation Gamingに惜しくも敗れてしまい2位という結果だったNIPは、世界大会で初優勝となった。とくにJulio選手、Kamikaze選手、Psycho選手は、前身のチームBlack Dragonのときからプロリーグファイナルにて決勝の舞台に2度たどり着きはしていたものの、あと一歩およばず優勝は叶っていなかった。ラテンアメリカ地域としてもSix Invitationalは初優勝であり、今大会は1位から3位まで独占と、他の地域を圧倒した結果となった。

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© Ubisoft | Photo Credit: João Ferreira

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Six Invitational 2021結果

1位 Ninjas in Pyjamas
2位 Team Liquid
3位MIBR
4位TSM

5位-6位
FaZe Clan
Oxygen Esports

7位-8位
Team Empire
BDS Esport

9位-12位
Team oNe eSports
Parabellum Esports
FURIA Esports
Mkers

13位-16位
Spacestation Gaming
G2 Esports
DarkZero Esports
Cloud9

17位-18位
CYCLOPS athlete gaming
Giants Gaming

不出場
Wildcard Gaming
Virtus.pro

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『レインボーシックス シージ』ファミ通.com 特設サイト

タイトル:レインボーシックス シージ
メーカー:ユービーアイソフト
対応機種:プレイステーション4、Xbox One、PC

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