eスポーツ ブランドマネージャーインタビュー Rev Sahreプログラム、中国参入状況など各変更点について直撃

公開日時:2020-02-17 06:35:00

 『レインボーシックス シージ』esprots世界大会“Six Invitational 2020”が、カナダ・モントリオールで開催。それに合わせ、YEAR5からのesportsプログラムの変更が発表された。本項では、EMEA Senior Esports Brand ManagerのJérémy Somville氏のインタビュー内容を記載する。
 
 今回、大々的な革命がなされるesportsシーンだが、どのような意図・目的、そして目標があって遂行されるのだろうか。

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EMEA Senior Esports Brand Manager
Jérémy Somville氏

――メジャー大会を増やした意図について教えてください。また、これまで行われていたプロリーグファイナルはメジャー大会に置き換わるということでしょうか?

Jérémy メジャー大会の形式はすでにプロリーグにおいて浸透しています。現在は8月と、Six Invitationalがそうですね。Y5からR6S esportsは新しいサイクルが始まりますが、プログラムが大きく改善されています。既存のリージョンは継続しプロリーグファイナルの代わりに、16チームによるメジャーが3ヵ月ごとに開催されることになりました。

米、ヨーロッパ、APAC、南米からそれぞれ4チームがメジャー大会に参加します。プロリーグファイナルはこれまで8チーム、2日間で行われていましたが、規模拡大・進化とともに今年からは16チームが参加し、1週間で行うことになります。

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――ポイント制が採用されますが、勝ち点をどんどん積み重ねていくことが目標となるのでしょうか?システムを教えてください

Jérémy このポイントシステムの目的は、Six Invitationalへの道にチームを進ませることです。これまでSix invitationalに参加する方法はプロリーグで優秀な成績を収めたり予選を勝ち進んだり、ドリームハックで優勝したりとさまざまありましたね。これからは年間を通しての成績が評価されます。

9ヵ月に渡ってコンペティションを行なっていきますが、これを3ヵ月×3に分けます。この3つのステージはメジャーに繋がります。各回に8000ポイント前後をひとつのリージョンの上位8位までとメジャーに出場したチームに付与します。たとえば最初のメジャーで勝利してポイントを獲得しても、次のメジャーに出場できなければポイントが不足し、Six invitationalには参加できません。このポイントシステムは年間を通してコンスタントなパフォーマンスを奨励するために設置しました。

――ということは、ドリームハックなどといったサードパーティイベントの大会ではポイントを得られない?

Jérémy ポイントはリージョンの上位8位までと、メジャーに出る16チームにのみに与えられるのでそれは不可です。

――APACがメジャーに進めるのは何チームになるのでしょうか?

Jérémy まず、APACの活躍をとてもうれしく思っています。現在、APACはベストリージョンのひとつに成長しました。コミュニティーの発展、チームの成長など、私たちにとって非常に重要な市場になっています。すべてのコンペティティブ形式をこの市場に適応させることができました。

来年からAPACは南北ふたつの部門に分かれます。APAC Northには日本、韓国、東南アジアが入ります。APAC Southには、成熟市場であるオーストラリア、ニュージーランドと南アジア(インド、パキスタンなど)が入ります。インドは草の根的に成長しており、とてもすばらしいコンペティションが期待できます。

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――新たな収益シェアリングが発表されましたが、これは既存の パイロット・プログラムに置き換わるという認識でしょうか?

Jérémy はい。パイロットプログラムを進化させたものになります。これまでパイロットプログラムをふたつのフェーズで行ってきましたが、そこから多くを学びました。すでにパイロット(試験的なもの)ではないので、この名称は使われなくなります。これからは完成したプログラムとして、Ubisoftが抱くオーガニゼーション、プレイヤー、パートナーを統合する、維持可能なエコシステムのビジョンを実現していくことになります。

プログラムに参加するには3つの重要なポイントがあります。ひとつはその範囲です。現在は14チームを対象としていますが、次回から対象が44チームに増えます。ふたつ目は期間です。今までの1年ではなく4年間継続します。両方とも大きく改善したと言え、とくにオーガニゼーションは長期的視野と戦略を持つことができます。3つ目はマルチ・ティアです。プレゼンで紹介したように44チームは3つのティアに分けられます。新興オーガニゼーション(たとえば昨年から活動を始めたチーム)、野良連合やFNATICのように長期に活動し確立しているチームなど、さまざまなオーガニゼーションが存在します。これらのオーガニゼーションを3つのティアに分け、それぞれが必要とするものを収益シェアリングに適応します。

――4年間入れ替えなしでパイロットプログラムに参加できるということでしょうか? 途中で入れ替えもあるのでしょうか?

Jérémy 私たちがチームを選択するのではなく、リージョンで資格を得たチームが参加可能です。たとえば、APAC North部門の12チームは自動的にプログラムに入ります。ヨーロッパ・リージョンの10チームも自動的に入ります。これらのチームは4年間プログラムに入りますが、成績が維持できなくなり、リージョンのトップから去ることになれば、プログラム資格も失います。そして新しくトップに入ったチームが、自動的にプログラムに入ります。審査するのはどのティアに所属するかを決めるためです。

――ティアを決定する条件は何でしょうか?

Jérémy たとえばティア1では最低1年間リージョンのトップレベルの活動を行うこと、専用のサポート・スタッフ、施設、コミュニティーのカバーなどが条件になります。上位のティアほどプログラムによる収益も大きいですが、それだけ条件が厳しくなります。

ティア1の最下位にいる場合、ティア2に落ち、ティア2のベストチームがティア1に入れ替わる可能性があるわけですが、その評価基準となるものが5項目あります。その中のひとつの“収入”というのは、ゲーム内アイテムのことです。チームが多くのアイテムを販売できれば有利ですが、これだけで評価されるわけではありません。収入のほかにビューワーシップ、参加(これはプレイヤー、オーガニゼーションがワークショップに参加してプログラム改善を助けるなど)、コミュニケーション、コンテンツ・クリエーションで評価されます。

――これまで通りゲーム内アイテム(スキンなど)が販売されるのでしょうか?

Jérémy そうです。44チームはゲーム内アイテムを持ちます。ティア1チームはユニフォーム、チャーム、スキン。ティア2はチャームとスキン。ティア3はチャームのみとなります。

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――では、中国リージョンの導入の予定はどうなっていますか? 中国の参入はビジネス、マネー、プレイ人口数的にもともて大きなものだと思います。

Jérémy 現在、パートナーであるテンセントと協力して中国版『レインボーシックス シージ』の開発を進めております。おっしゃる通り巨大な市場なので大いに期待しています。本作にとってすばらしいニュースになるでしょう。(日時は?)それはまだ決まっていません。

――新たにラテンアメリカリージョンにメキシコが入りましたが、メキシコの市場規模はいかがでしょうか?

Jérémy メキシコは非常に大きな市場です。すでにローカル・コンペティション、ナショナル・コンペティションが開催されています。新しいプログラムのリージョン化のひとつとして、成熟した既存の市場だけでなく、メキシコのような新興市場もリージョンに取り入れていきます。6月からは南米はブラジルだけでなく、メキシカン部門+南米部門になります。これら地域のチームは前述のメジャーに参加することができます。

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『レインボーシックス シージ』ファミ通.com 特設サイト

タイトル:レインボーシックス シージ
メーカー:ユービーアイソフト
対応機種:プレイステーション4、Xbox One、PC

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