前作からの進化に驚愕
『スターフォックス64』は、任天堂から発売された3Dシューティングゲーム。当時としては革命的とも言える3D表現でゲームファンの度肝を抜いた『スターフォックス』シリーズの2作目になる作品だ。いまなお非常に人気があり、名作との呼び声も高い。世界で400万本以上のヒットを記録し、“もっとも売れたシューティングゲーム”としてギネスレコードにも登録されたこともあるのだとか。
もともとはスーパーファミコンで続編の『スターフォックス2』が発売される予定だったが、開発の遅れなどで発売中止となり、プロジェクトが本作に引き継がれたというのはファンのあいだでは有名な話。ストーリー的なつながりはなく、どちらかと言えば初代作品のリファイン版のような位置づけとなっている。
ちなみに『スターフォックス2』は、スーパーファミコン用ソフトとしては発売されなかったが、2017年発売のニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンや“スーパーファミコン Nintendo Switch Online”に収録されているので、プレイすることが可能だ。
本作でいちばん驚かされたのは、やはり3Dの演算処理に優れた、ニンテンドウ64のハード性能を極限まで活かした立体的な表現だろう。スーパーファミコン時代の『スターフォックス』も十分凄かったが、本作でついに本領を発揮した感がある。とくにグラフィックの進化具合には圧倒されてしまったのではないかな。
戦闘機アーウィンを操って空を飛びながら宙返りや高速反転をくり出すのは途轍もない爽快感。360度自由に飛び回れるオールレンジの箱庭ステージもあったので、誰しもが熱いドッグファイトをくり広げただろう。ステージによっては戦車のランドマスターや潜水艦のブルーマリンに搭乗する場合もあり、これも燃える展開だった。
戦闘中に仲間からの通信が入り、臨場感を高めてくれるところも『スターフォックス』シリーズならではの魅力と言えよう。『スターフォックス64』では日本語のフルボイスで会話劇が進行したので、初めて聞いたときはけっこうなけっこうな衝撃だったに違いない。ナビ的な役割も果たしつつ、戦闘をドラマチックに盛り上げてくれたことにみんな舌を巻いたんじゃないかな。
スコアアタックの要素もあったので、腕に覚えがある人は日々チャレンジしていた思い出があるかもしれない。また、画面を4つに分割して最大で4人のプレイヤーで戦うバトルモードもあり、条件を満たせば生身のパイロットでも戦うことができたのだからびっくり。
『スターフォックス64』は、ニンテンドウ64で初めて“振動パック”に対応したソフトでもある。もしかすると本作で初めて振動を体験したなんてユーザーも多かったんじゃないだろうか。当時はちょうど各ハードで振動機能が追加されていった時期で、ニンテンドウ64では別売りの振動パックをコントローラーに装着させることでフォースフィードバック機能を実現。ゲーム内の状況に応じてコントローラーがブルブルと震えて、より深い没入感を得ることができた。筆者的には『スターフォックス64』&振動パックのCMに広末涼子さんが出演していて、最後に「シビれる~!」というセリフを言うのが印象に残っている。
2011年7月14日には、リメイク版のニンテンドー3DS用ソフト『スターフォックス64 3D』が発売された。この作品ではグラフィックなどが一新されたほか、本体に搭載されたジャイロセンサーを利用した操作に対応していた。
なお、いまオリジナル版の『スターフォックス64』で遊びたいなら、Nintendo Switchの“Nintendo Switch Online + 追加パック”に加入するのが手っ取り早くておすすめ。ほかの名作タイトルも多数遊べてしまうのでお得感もかなりのものだ。