ラノベ的用語が満載の激アツ王道ストーリーも魅力
もともとインティ・クリエイツと『ロックマン』シリーズや『鬼武者』シリーズなどで知られる稲船敬二氏とのコラボレーションで誕生した作品で、いまでは複数の続編やスピンオフが制作されるまでに成長を遂げている。
舞台となっているのは、人類の中に“第七波動(セブンス)”と呼ばれる特殊能力を持つ者が現れ始めた近未来。国内の秩序は巨大複合企業“皇神(スメラギ)グループ”の統制によって平和に保たれているかのように見えていたが、じつはその裏では能力者の保護を名目とした強制収容や研究と称する非人道的な人体実験が行われていた。
その真実を知り、反・皇神を掲げるレジスタンス“フェザー”に所属する主人公“ガンヴォルト”もまた第七波動の能力者のひとり。彼のもとに皇神のバーチャルアイドル“電子の謡精(サイバーディーヴァ)モルフォ”の抹殺命令が下ったことから、物語は大きく動き始める……といった導入になっている。
もっとも魅力的だったのは爽快なアクション。ショット攻撃(ダートリーダー)でロックオンし、雷撃鱗(ライゲキリン)を放つことで威力の高い雷撃を敵に誘導して撃破できるのが気持ちいい。雷撃の本数が増えるほど与える威力も上昇したので、多くのユーザーががんばって大勢の敵をロックオンしてから一掃したんじゃないだろうか。
電磁結界(カゲロウ)のおかげでガンヴォルトは敵の攻撃を受けると残像とともにオート回避してくれるので、アクションゲーム初心者にもやさしいところもよかったんじゃないかな。
加えて、シリーズでおなじみとなっていく“クードス”の存在もおもしろい。敵にダメージを与えることで貯まるコンボポイントのようなもので、ハイスコアを狙うなら多く稼いだほうがいい。これはこれで燃えるし、多く稼げば素材も多数入手できるが、クードスが1000ポイントを超えるとミッションのBGMが電子の謡精モルフォの歌に変化するのがとくに激アツだった。
2016年8月25日にニンテンドー3DS用の続編『蒼き雷霆 ガンヴォルト 爪(そう)』が発売されてシリーズ化。本編最新作は2022年7月28日発売の『蒼き雷霆 ガンヴォルト 鎖環(ギブス)』で、こちらは現在すべての現行機で遊ぶことができる。また、スピンオフとしてアキュラを単独主人公にした『白き鋼鉄のX』シリーズを始め、多数のタイトルも発売されている。
10周年記念日である本日2024年8月20日には、任天堂ハードで発売された『ガンヴォルト』シリーズのスピンオフタイトルをまとめたNintendo Switch用『インティ・クリエイツ ゴールドアーカイブコレクション』も発売されたのでファンは必見だろう。