
そんな中編の公開に先駆けて、今回はメインストーリー第2部前編“光射し、芽吹くとき!”の内容を振り返ります。なお、本記事には同ストーリーの重大なネタバレが含まれますので、ご注意ください。
何度泥にまみれようと走り続けたへっぽこ二世コンビがつないだ想い
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同シナリオは、シーザリオが幼いウマ娘に語りかけるところから始まります。“誰もが知る伝説のレース”へと繋がるティアラのウマ娘たちの蹄跡なのだと語るシーザリオ。『ウマ娘』本編ではまだ描かれていませんが、誰もが知る伝説のレースというぐらいですし、それがクラシック三冠路線とティアラ路線とが交わるような世紀のレースであろうことは容易に想像できます。
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さて、今回描かれるチーム<アスケラ>の柱となっているのはキングヘイロー。ゲーム内の流れとは前後しますが、まずはトレーナーと彼女――つまりはチーム<アスケラ>の歩みをチェックしていきましょう。
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もらってきた憧れを原動力にティアラ路線の未来を拓く
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まずは初のGIレース“阪神JF(ジュベナイルフィリーズ)”に挑戦するラインクラフトのため、みんなで遠征にくり出しました。ウマ娘がキングヘイローしか所属していない時期もあったというチーム<アスケラ>ですが、いまでは有望な新人ウマ娘が所属する立派なチームに。遠征の道中、助手席でそっとトレーナーをサポートするキングヘイローの姿が長年の絆を感じさせてくれて、これまたあたたかいんですよ……。
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堂々と阪神JFに挑んだラインクラフトでしたが、道中でバランスを崩し、先頭から大きく離されてしまいます。終盤に怒涛の追い上げを見せるもわずかに届かず3着。ただ、キングヘイローは彼女がクラシックの舞台で活躍できるウマ娘だと確信していました。
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トレーナーはティアラ路線の子たちより三冠路線の子たちのほうがより強く見られがちな現実を示し、「それでもトリプルティアラ路線を臨むのか?」とふたりに問いかけますが、ラインクラフトは「三冠路線でも、ティアラ路線でも、“強いウマ娘”は強い」という先達の言葉を借りて、変わらず夢を追いかけることを宣言します。
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しかし、トレーナーは次走の“フィリーズレビュー”のことが見えていないとズバリ指摘します。フィリーズレビューでラインクラフトの前に立ちはだかるのは、超エリート家系の留学生で同じ先行タイプのデアリングハートと、同じくトリプルティアラ路線を走った母の悲願を果たそうと静かに炎を燃やすエアメサイア。その姿がラインクラフトの目には入っていませんでした。
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ふたりと直接会話し、その力量を感じ取ったことでようやくラインクラフトは地に足が着きました。わずかな差でフィリーズレビューを制した彼女はそのまま桜花賞へと向かいます。シーザリオも“フラワーカップ”をレコードタイムで勝ち、いよいよチーム<アスケラ>のウマ娘どうしで正面からぶつかり合う大一番へ。
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両ウマ娘の担当であるトレーナーは平等に指導していくと語りますが、無意識にラインクラフトにだけアドバイスを送ってしまったことをきっかけに、重圧に押しつぶされそうになってしまいます。しかし、そんなトレーナーを誰よりも理解していたのも彼女たちでした。ふたりは桜花賞までのあいだトレーニングプランは自分たちで決めたいと、トレーナーの負担にならないように申し出ます。しかし、トレーナーはふたりの言葉を聞くとそれを断り、全力で平等に支えようと気合いを入れ直しました。
そして、いよいよ桜花賞当日。ラインクラフトやシーザリオはもちろん、このレースに並々ならぬ想いを抱いているのはライバルたちも同じ。デアリングハートはフィリーズレビューの敗北を何度も夢に見ながら追い込みを続け、エアメサイアは母と同じく惜しい結果に終わるという予測を立てられても自分だけがその無念を晴らせると目を輝かせていました。
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そして、レースがスタート。ハイペースになる展開を警戒してシーザリオは後ろに控え、ラインクラフトは先団で虎視眈々と機会をうかがいます。最終コーナーからの直線でスパートをかけたラインクラフトに合わせる形で内側のデアリングハートが先頭に立つと、外からエアメサイアも猛追。しかし、それを上回る異次元の勢いでシーザリオが内を割ってきます。
もつれるような展開になりながらもわずかな差で勝ったのはラインクラフト。満開の桜に彩られながら勝者が喝采を浴びる一方で、ライバルたちは頬を涙で濡らすことに。
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……それはそれとして、桜花賞の祝勝会にはライバルたちも参加。ヒシアマゾンやエアグルーヴ、スイープトウショウといった歴代のクイーンウマ娘たちや、ラインクラフトの背中を追いかけるウオッカやダイワスカーレットまでお祝いに駆けつけました。これだけ大きな祝勝会になったのも、強豪ウマ娘たちを打ち破ったラインクラフトが英雄視され始めている証左でしょうか。
もともとラインクラフトはトリプルティアラ路線の先輩たちから感動や夢や勇気をもらってきました。おそらくその先輩たちもそういった憧れを、さらに先輩たちからたくさん受け継いできたはずであり、自分も受け取ったぶんだけつないでいきたいと――なんともまっすぐな夢ですが、ゲームシステムでも三女神像の継承が非常に重要になっているように“想いの継承”というのは『ウマ娘』において欠かせない要素。ラインクラフトはそんな流れの中を突き進んでいるわけですね。
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抱いてきた夢を諦めて自分だけの道を進む決意
トリプルティアラ路線に憧れ続けてきた彼女に対して残酷な提案なのは間違いありませんが、距離適性のない彼女がオークスを走っても勝つのは難しいのが現実……。思い悩むトレーナーにキングヘイローは「走り続けるうちに、夢が形を変えてしまうこと……あるいは変えざるをえないことって、あるものよ」と言葉をかけます。まさにキングヘイローだからこその重い言葉ですね。
トレーナーは悩みながらも、提案する以上は真摯に伝えようと頭をフルに回転させます。やがて、ダイイチルビーやイクノディクタス、ヒシアマゾン、エアグルーヴのインタビュー映像をヒントに稀代のクイーンたちの共通点が“自分だけの道を歩いたこと”にあることに気づき、ラインクラフトにも自分だけの道を歩んでみてはどうかという方向で想いを伝えます。
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けれども、やはり当初の夢を諦めきれないラインクラフト。ここで手を差し伸べたのがシーザリオでした。シーザリオに促されるようにひたすら2400メートルで併走し続け、そして敗れ続けたラインクラフトは気持ちに区切りをつけ、自分だけの道を歩くことを決心します。
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そして、いよいよNHKマイルC当日がやってきました。ラインクラフトの前に立ちはだかったのはこれが4度目の対戦となるデアリングハート。過酷なトレーニングで自分を追い込み、フィジカルのみならずメンタルまでも極限まで研ぎ澄ませてきました。
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雷光のように気迫をむき出しにして追いすがるデアリングハートと、誰もが成しえなかった道をひた走るラインクラフト。凄絶な競り合いの果てに先着したのはラインクラフトでした。
レースが終わった後、ラインクラフトは笑顔で芝生に寝そべります。空を見上げて、ふとなぞったのがひと筋の飛行機雲。彼女が切り拓いた道を通って、想いを受け継いでくれる子がいつか出てきてくれる――そんな未来の夢が空の彼方で叶ったような、そんな美しい光景がそこにはありました。
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デアリングハートは潔く負けを認めながら、強さの根源が何かとラインクラフトに尋ねます。すると返ってきたのは「つないでいきたくて、走っているんだ」という答え。レースに勝つことばかりにとらわれていたデアリングハートは、それを聞いて視座の違いを痛感し、自身も想いをつなぐウマ娘になろうと心に誓います。
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こうして、前人未到の変則二冠が達成されたところで、前編の物語は幕となります。華やかでまぶしくて、でも決してそれだけではない軌跡に心を動かされた方も多いはず。
少し脱線しますが、筆者は同シナリオを読んだ後にラインクラフトのソロ曲『Over a Tiara』を聴くことをオススメしたいです。こちらはさわやかでヒロイックなナンバーですが、彼女の切り拓いた軌跡と歌詞とがあまりにも見事にリンクしているので本ストーリーの読後に聴くとより心を揺さぶられるはず! 情熱的で熱いデアリングハートのソロ曲A『QueenBee』と合わせて聴くと、きっとふたりの信念や生き様を感じられるのではないでしょうか。残念ながら桜花賞のウイニングライブ曲である『彩 Phantasia』の歌唱は彼女たちに対応していないので、こちらの追加も切に願いつつ……。
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本編のラストに“次は――私の番だな”というシーザリオのつぶやきがあったように、9月20日公開予定の中編“盛夏の星、晩秋の華”ではオークスに挑むシーザリオの活躍が描かれます。果たして、彼女たちがどのように想いを未来へとつないでいくのか、これからも目が離せません。