CPUが8ビットから16ビットへ
スーパーファミコンは、任天堂から発売された据え置き型ゲーム機。“ファミコン”ことファミリーコンピュータの後継機で、“スーファミ”の略称でおなじみのハードだ。搭載CPUがこれまでの8ビット(ファミコン)から16ビットになるということで、“16ビットマシン”という言葉がやたらと囁かれていた気がする。
当初は1989年7月に発売予定だったが、半導体不足などの理由から発売延期。メガドライブやPCエンジン CD-ROM2など、他社が新ハードや魅力的な周辺機器で盛り上がるさなかの出来事だったため、当時子どもだった筆者は一日千秋の思いで待ち焦がれた記憶がある。
ACアダプターやテレビとの接続ケーブルは同梱されておらず、セット内容は本体とふたつのコントローラーのみ。理由はファミコンで使っていたACアダプターとRFスイッチ(ファミコンとテレビをつなぐための器具)を流用できるからで、実際ほとんどのユーザーが使い回していたのではないだろうか。スーパーファミコンはAV出力も可能だったので、別売りのステレオAVケーブルやS端子ケーブルを購入したなんて人もいたことと思う。
サウンド面も8音まで同時に鳴らせるようになるなどファミコン時代から大幅にパワーアップ。当時生み出された数々の名曲ゲームミュージックは、いまなお聴き継がれているので知っている人も多いだろう。筆者的にインパクトが強かったのは『アクトレイザー』の楽曲で、最初に降り立ったフィルモアで聴いた曲が衝撃的過ぎていまでも忘れられない。『ファイナルファンタジーIV』や『V』のメインテーマも大好きで、とくに『V』は起動したら放置して曲を聴いてからプレイを開始していた覚えがある。
そして忘れてはならないのは本体から着脱可能になったコントローラー。ファミコン時代にはなかったX、Y、L、Rボタンが新たに追加されたのだが、これがゲーム史にも残る大発明だった。親指で押下する4つのボタンに、人差し指などで操作するLRボタンを加えたこの形が以降のゲームコントローラーの基本形になっていったのだからスゴイのひと言。途中各社で紆余曲折はあったが、現代のゲームコントローラーもスーパーファミコンコントローラーの発展型と言っても間違いではないと思う。
ローンチタイトルは、『スーパーマリオワールド』と『F-ZERO』のみと意外にも少なめ。しかしながら、枚挙に暇がないほどの名作を生み出しているのはご存じの通り。誰からも聞かれていないが、上で挙げたソフト以外で筆者的に思い入れがあるのは『ストリートファイターII』、『クロノ・トリガー』、『かまいたちの夜』、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』、『不思議のダンジョン2 風来のシレン』など。読者のみんな的にはどんなソフトに思い入れがあるだろうか?