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【忍殺】『ニンジャスレイヤー』原作者=サンにインタビューを敢行◆この夏刊行される新刊が放つ決断的アトモスフィアと、ヘッズ諸兄に贈りたいコトダマ。ゲーム発売も1周年!【連載15周年な】

更新
【忍殺】『ニンジャスレイヤー』原作者=サンにインタビューを敢行◆この夏刊行される新刊が放つ決断的アトモスフィアと、ヘッズ諸兄に贈りたいコトダマ。ゲーム発売も1周年!【連載15周年な】

これまでのあらすじ

 いまや世界各国でほんやくチームが結成され、小説やコミックの累計販売部数は444万部を軽く超える人気作『ニンジャスレイヤー』。その原点であるX(ツイッターアー)での連載が、なんと2025年7月24日(木)をもって15周年を迎えるというのだ。ウィーピピー!

 全世界でバンザイ・チャントが止まらない『ニンジャスレイヤー』まつりのなか、ALAS! 今回はなんと原作者=サン、すなわちニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズが、インタビューに親切丁寧に回答してくれた。マッポーの世にも、ブッダは起きていた!

 今回は2025年夏に発売される新書籍に込められたアトモスフィアについて訊きつつ、多くのニンジャヘッズ(ファン)諸兄への感謝のコトダマもいただいた。ヘッズ諸兄は喜びのあまりショック症状を引き起こしかねない内容だ。読み進めて大丈夫だろうか。ちゃんと家族と話をしているだろうか? カラダニキヲツケテネ!

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インタビュー・ウィズ・原作者=サン

――『ニンジャスレイヤー Neo-Saitama in flames』、『ニンジャスレイヤー Age of Mappor-Calypse』、『ニンジャスレイヤー マシン・オブ・ヴェンジェンス カラーライズ版 第一部 ネオサイタマ・イン・フレイム』と、立て続けに新しい展開が始まりました。これらの新刊それぞれの狙いと皆さんの思いを教えてください。
ダイハードテイルズ
 どれも「ここから読み始められる」という入門書、最初の1冊となることを願って作成されています。とくに、旧書籍シリーズの1巻はもう10年以上前で絶版になっていますから、長らく物理書籍のエントリーポイントがなかったのが、非常に気になっていました。

 ですから、15周年の年に今回のような機会に恵まれたことがうれしいです。これは、コミックやゲームなど関連製品を買って応援してくれている読者の皆さんの力であるとも言えます。とくにこのゲーム『
ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上』は、ミニマルな最小限のエピソード構成で第1部を俯瞰するうえで、よいシミュレーションになりました。新刊の『ニンジャスレイヤー Neo-Saitama in flames』で選定されたエピソードはすべて、ゲームのステージとしても採用されたものです。ですから、このゲームを開発してくれた皆さんや、プレイしてくれた皆さんにも、大きな感謝を伝えたいです。
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『ニンジャスレイヤー Neo-Saitama in flames』。夏発売予定。
 第4部については、長らくお待たせしました、とまず伝えたいですね。書籍は第3部までしか発売されていませんでしたので、第4部の8年以上のオンライン連載分がずっと物理書籍化を待っていました。第4部はとても長大ですから、書籍化が途中で終わるリスクが高かったり、中途半端な形に終わるのであれば、あまりやりたくないと考えていました。

 しかし今回、オンライン連載がひとつの節目を迎えられたので、本腰を入れてこの作業に取り掛かれるようになりました(物語の大きな節目であるシーズン4が2024年に完結し現在はシーズン5を連載中です)。われわれもシーズン4までを俯瞰して序盤を作り直したり、構成を変えたりすることができるので、この8年間はちょうどよい準備期間になったと、ポジティブに考えています。これはオンライン連載を応援してくれている読者の皆さんのおかげです。

――とくに『ニンジャスレイヤー Neo-Saitama in flames』は、時系列で厳選されたエピソードがまとめ直されるということですが、時系列にしたことにより補完される加筆、新たなエピソードが挿入されていくというようなことを期待してよろしいでしょうか?

ダイハードテイルズ
 時系列順となるので、“これまでのあらすじ”スタートではなく、フジキド・ケンジがニンジャスレイヤーとなるオリジン・エピソードである「ボーン・イン・レッドブラック」から物語がスタートします。また、今回は末尾に非常に人気の高いエピソード「ノー・ワン・ゼア」が書籍初収録となっています。

 今回の加筆修正の方向性は、文章のクオリティーとテンポの向上を旨としています。ほぼすべてのエピソードで文章がリマスターされていますが、展開などは変えていません。記憶に残る印象的なセリフなどの元来の魅力はそのまま活かしつつ、ソリッドでスピード感のある戦闘描写が実現できていると思います。

 こうした点から、一冊を通して通読したときのアトモスフィアは、旧書籍版とも大きく異なったものになっていると思うので、われわれはこれを“リマスター”と呼ぶことにしました。入門用に最適なだけでなく、旧作を読んだことのある人にも新鮮なアトモスフィアを感じていただけると思います。

――『カラーライズ版 第一部』では、数々の名シーンがカラーになることで、「ここはこういう色だったのか!」と気づくこともありました。原作チームの皆さんから見て、印象に残ったことやシーンを教えてください。

ダイハードテイルズ
 世界観や背景に奥行きが生まれたことです。とくに、市街のページをまとめて一気に読むと没入感がすごいですね。最初から描き込まれてたディティールも、じつは見逃していたり、読み飛ばしていたりしていたのだということに気づきます。

 市街などの色合いは、設定的にこういう色が唯一の公式的な答え、というわけではなく、これからエピソードごとに変わるものだと思いますが、「マシン・オブ・ヴェンジェンス」のオールドスクール・サイバーパンクな極彩色の色合いはとてもよかったです。ニンジャどうしの戦闘になるとモダンなエフェクトも入ってくるので、ミクスチャー感があり、おもしろいです。これから続々カラー化されるであろうニンジャたちが楽しみでなりませんね。
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『ニンジャスレイヤー マシン・オブ・ヴェンジェンス カラーライズ版 第一部 ネオサイタマ・イン・フレイム』。2025年7月10日発売(電子版のみ)。
――ゲーム『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上』が発売から1周年を迎えました。第1部の新しい展開が始まったいま、改めて、『ニンジャスレイヤー』の世界の中でゲームはどういう位置付けのものでしょうか? 

ダイハードテイルズ
 作品に与えた影響ということであれば、ゲームの影響は偉大です。我々の作品は、アナログかデジタルかを問わず、とても多くのゲーム作品から影響を受けてきました。それらに対するオマージュ的でパンクな描写も多数盛り込んでいます。決戦の舞台のステージ構成であったり、破壊したドラム缶からアイテムが出現するような小ネタであったり、ニンジャが操るジツや武器などであったりです。また、ゲーム関連のコラボやメディアミックスがあれば、積極的に協力するようにしています。ゲーミングカルチャーから受けた恩恵をできるだけ恩返ししたいと思っています。

 一方で、作品世界内でのゲームの位置付けということであれば、じつそれほど描写がないのです。アーケード・ゲームセンターやそのタイトルなどが神聖でノスタルジックな場所として描かれていることはありますが、ネオサイタマはいわゆるサイバーパンク的な暗黒の未来なので、現在の現実世界のような豊かなゲーミングカルチャーがありません。Y2Kという出来事のせいで、『ニンジャスレイヤー』世界ではIT関連技術の発達がいびつになっているため、オンラインゲームを楽しんだり、個人がインディーゲームを作って配信で盛り上がるような現代的な描写はまだないのです。作品中のゲームは、90年代くらいのアトモスフィアをまだ漂わせています。
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――原作チームから見て、ゲーム『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上』の見どころはどこでしょうか。

ダイハードテイルズ
 いくつもありますが、総合的なアート全体がとてもすばらしいと思います。BGMや背景美術なども、ハイスピードのスクロールの中ですぐに消え去ってしまうのがもったいないほどよく作られていると感じ、ネオサイタマの奥行きが広がりました。大きな感謝を捧げたいです。とくに好きなのは、インターラプター・ステージ、ダイダロス・ステージ、アイアンヴァイス・ステージなどです。

 AAA級ゲームとは違うリッチ過ぎない3Dムービーも、ワビサビとワザマエを感じ、好きです。この表現に慣れていくと、フジキドとナラクが共振するラストのクライマックスシーンが、とてもエモーショナルに感じます。われわれも第1部は、当時からわざと解像度をいくらか下げて、言葉足らずな感じに書いていますが、ラストに向かうに従ってそのルールを破って壊し、ダイナミズムを生み出すようなところがあります。それと共鳴するスピリットを感じました。

 このゲームは難度が少し高めですが、ぜひラストまで辿り着いてほしいと思います。あと、もしアップデートができるのであれば、イージーモードをぜひとも入れてほしいです。キッズモード、あるいはアカチャンモードなどの屈辱的な名前でも構いません。われわれもアカチャン級のコントロールテクニックしかありませんので、甘んじて受け入れたいと思います。
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――X(旧Twitter)での連載開始から15周年となります。15周年で考えている展開など、お話しいただける範囲で教えてください。

ダイハードテイルズ
 年内の関連製品の展開スケジュールという点で言えば、『ニンジャスレイヤー』TCGの第3弾と英語版が現在開発中で、我々も監修を行っています。また、『ニンジャスレイヤー Age of Mappor-Calypse』に関する版権製品製作の問い合わせもいただいており、勇気づけられています。とくに、ある版権製品の問い合わせは、『ニンジャスレイヤー Age of Mappor-Calypse』の書籍化が決定する直前ころに、我々が直接いただいてKADOKAWAに打診したものです。これは正直とてもうれしかったです。まだ詳細は明かせないと思いますが、ぜひ実現してほしいと思います。

――『ニンジャスレイヤー』は濃いファン、ヘッズの皆さんに支えられていると思いますが、15周年ということで改めてヘッズの皆さんにかける言葉はありますでしょうか?

ダイハードテイルズ
 意外に思われるかもしれませんが、何周年のときも、我々からはとくに大きな展開というのは予定されていません。我々にできるのは、粛々と『ニンジャスレイヤー』の連載を積み上げ続けることだけで、それ以上の余力や計算はないのです。

 5年スパン、10年スパンで小説やTRPGをどう展開するかという予定やビジョンはありますが、メディアミックス的なものやイベントは、すべて外部のニンジャヘッズの方々の協力と熱意、そしてDIY精神によってこそ成り立っています。周年記念などはいつも、この作品を愛してくれている企業内ニンジャヘッズの皆さんや、読者のニンジャヘッズの皆さんの自主開催イベントなどに助けられてきました。

 オンライン連載についても同じで、皆さんの愛読や応援があってこそ続いています。いまでは、さまざまな国に有志翻訳チームが誕生し、リアルタイムでオンライン連載を楽しめる環境ができあがっています。これは本当に驚くべきことです。メガコーポがどれだけお金をかけても作れない温かみのある電子ネットワークが、長い年月をかけて、徐々に生まれていっているのです。それを目の当たりにしていること自体が、我々にとっては、とてもサイバーパンクな現象です。我々が愛してやまない『ニンジャスレイヤー』という作品を応援してくれている皆さんに、改めて心からの感謝を捧げたいです。
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 なお、2025年7月24日午前8時から8月7日午前8時まで、Steam版、Nintendo Switch版『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上』のセールを実施。期間中は30%OFFでソフトを購入できる。未プレイの方は、Xでの連載15周年に合わせてプレイしてみてはいかがだろうか。
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集計期間: 2025年08月11日12時〜2025年08月11日13時