恐怖の世界(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
モノクロなのに、いや、モノクロだからこそ恐い、不気味! 1980年代初頭のパソコンゲーム風UI&グラフィック、そして日本の港町という、システムから世界観までディテールの圧倒的な作り込みが独自の雰囲気を生み、恐怖を後押し。そしてときに選択肢の結果も変化するマルチストーリーによる不確定要素が緊張感を加速させる。「海外スタジオ制作なの?」と思うほど、Jホラーど真ん中の作品です。
週刊ファミ通1822号より
レトロなPCゲーム風の見た目と、伊藤潤二氏の作品を思わせるタッチのイラストが特徴的。それらが作り出すコズミックホラーの不気味な空気感は味がある。テーブルトークRPGとローグライトを合わせたようなゲーム性は、くり返し楽しめる魅力があるが、独特のシステムに加え、白黒のグラフィックや整然としていないUIのせいもあり、ひと通り遊んで理解するまでは、わかりにくさが付きまとう。
週刊ファミ通1822号より
クリエイターの世界が前面に打ち出され、特異な存在感を放っています。ビジュアルは雰囲気満点。独特のUIも作者の狙いなのでしょうが、正直、遊びづらい。つじつまの合わないイベントが発生することがあるのだけれど、作中で起きた不可解な現象なのか、調整不足なのか……。判断しづらい作風も、この作品に限っては一興です。選択肢によって変化するお話が紡がれていく、ゲームブックのような感触。
週刊ファミ通1822号より
法則性がないようであるような万華鏡のごときUIに渋々慣れ、情緒ゼロの状況描写やシステム系表示の断続を追ううちに、ただこの奇異な世界をさ迷い続けることが楽しくなってきます。同じシナリオ(短編エピソード)が、選択した主人キャラや運次第で違った質感になっていくさまはゲーム的であり、長年の読書体験が凝縮された風でもあります。妙に盛り上がるレトロハード音源風サウンドも心地よし。
週刊ファミ通1822号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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