ループする世界の謎を追うミステリー!
2019年3月にPS Vitaの本体の出荷が終了したためPS Vitaで発売されるゲームの本数自体も減っていましたが、『グノーシア』は『メゾン・ド・魔王』を制作したプチデポットの最新作ということで注目を集めていました。発売後は、ファンの口コミによって大ヒット。国内最大級のユーザー投票型ゲームアワード“ファミ通・電撃ゲームアワード2019”のベストインディー賞に選ばれました。その後も画期的なゲームシステムや魅力的なキャラクター、先が気になるストーリーなどが多くのユーザーに評価され、他機種に移植されたり、キャラクターのグッズも発売されたりするように。
ゲームの舞台となるのは、宇宙を航行する一隻の宇宙船。プレイヤーは人間、または生物を襲う未知の存在“グノーシア”のどちらかになって、敵対する者をコールドスリープさせるように議論を導くことが目的です。敗北したり、途中で自分がコールドスリープされてしまったりすると、世界がループ。配役やキャラクターの組み合わせが変化して、議論が再スタートとなります。人間側としていっしょに戦っていた仲間がつぎのループではグノーシアになっていてあっさり裏切られてしまうなんてこともあり、偶発的なドラマが展開されます。
例を挙げると、“しげみち”という宇宙人のような外見をしたキャラクターはウソが下手で、疑われるとすぐに話題をはぐらかすという特徴があります。プレイヤーが人間側であれば「怪しい」と思うだけですが、プレイヤーもしげみちも同じグノーシア側になった場合は彼をフォローしなければならないので緊張感があります。
また、“SQ”というキャラクターは感情で動くタイプでロジックよりも人間の好き嫌いで投票することが多いため、メンバーからの反感を買って標的にされがち。なかでもとくに票が集中しやすいのが、プライドが高くて皮肉ばかり言う“ラキオ”。彼といっしょに生き残るイベントを見るために苦労した人も多いのではないでしょうか。
すべての能力が高く女王様のような振る舞いの“夕里子”は、冷たい性格が災いして序盤にあっさりとコールドスリープされてしまうことが。ここはリアルな人狼ゲームっぽくておもしろかったですね。
例えば、早々に“留守番”が判明すると、なぜかほかの全員がコールドスリープすることを決意するストーリーに繋がっていくのですが、このイレギュラー的な展開が物語全体の謎に繋がっています。ゲームをプレイしていて、偶然にもいつもとは違う展開を見つけたときは本当にワクワクします。ゲームを進めると“イベントサーチ”という機能が解禁され、イベントの起きる組み合わせを教えてくれるので、あまり迷わずにゲームを進めることができます。