『グノーシア』5周年。人狼ゲームをひとり用ゲームにアレンジした作品。人間味溢れるキャラやループして解き明かしていく驚きに満ち溢れた物語が魅力【今日は何の日?】

byカワチ

『グノーシア』5周年。人狼ゲームをひとり用ゲームにアレンジした作品。人間味溢れるキャラやループして解き明かしていく驚きに満ち溢れた物語が魅力【今日は何の日?】

ループする世界の謎を追うミステリー!

 2019年(令和元年)6月20日は、PS Vita用ソフト『グノーシア』が発売された日。本日で5周年の節目を迎えました。
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 人狼ゲーム(アメリカのゲームメーカーLooney Labsが発売したカードゲーム『汝は人狼なりや?』に端を発する、議論を中心としたパーティーゲーム。“人狼”や“人狼ゲーム”とも呼ばれる)をひとり用ゲームとして遊べるように設計された『グノーシア』。もともとPlayStation Mobile向けに開発されていましたが、サービスの終了に伴ってPS Vita向けに変更。

 2019年3月にPS Vitaの本体の出荷が終了したためPS Vitaで発売されるゲームの本数自体も減っていましたが、
『グノーシア』は『メゾン・ド・魔王』を制作したプチデポットの最新作ということで注目を集めていました。発売後は、ファンの口コミによって大ヒット。国内最大級のユーザー投票型ゲームアワード“ファミ通・電撃ゲームアワード2019”のベストインディー賞に選ばれました。その後も画期的なゲームシステムや魅力的なキャラクター、先が気になるストーリーなどが多くのユーザーに評価され、他機種に移植されたり、キャラクターのグッズも発売されたりするように。

 ゲームの舞台となるのは、宇宙を航行する一隻の宇宙船。プレイヤーは人間、または生物を襲う未知の存在“グノーシア”のどちらかになって、敵対する者をコールドスリープさせるように議論を導くことが目的です。敗北したり、途中で自分がコールドスリープされてしまったりすると、世界がループ。配役やキャラクターの組み合わせが変化して、議論が再スタートとなります。人間側としていっしょに戦っていた仲間がつぎのループではグノーシアになっていてあっさり裏切られてしまうなんてこともあり、偶発的なドラマが展開されます。
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 ループによって、コロコロと立場の変わるキャラクターたちですが、根幹にある性格はしっかり固定されているため、プレイしていると愛着が湧いてきます。

 例を挙げると、“しげみち”という宇宙人のような外見をしたキャラクターはウソが下手で、疑われるとすぐに話題をはぐらかすという特徴があります。プレイヤーが人間側であれば「怪しい」と思うだけですが、プレイヤーもしげみちも同じグノーシア側になった場合は彼をフォローしなければならないので緊張感があります。

 また、“SQ”というキャラクターは感情で動くタイプでロジックよりも人間の好き嫌いで投票することが多いため、メンバーからの反感を買って標的にされがち。なかでもとくに票が集中しやすいのが、プライドが高くて皮肉ばかり言う“ラキオ”。彼といっしょに生き残るイベントを見るために苦労した人も多いのではないでしょうか。

 すべての能力が高く女王様のような振る舞いの“夕里子”は、冷たい性格が災いして序盤にあっさりとコールドスリープされてしまうことが。ここはリアルな人狼ゲームっぽくておもしろかったですね。
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 本作はチュートリアルが丁寧で、キャラクターや役割が少ない状況から少しずつルールを覚えてくことができます。物語を進めていくと、コマンドやできる行動が次第に増加。役職もいろいろあり、1日の終わりに選んだ人物がグノーシアかどうかを調べることができる“エンジニア”や、お互いが人間だと知っている2名ひと組を“留守番”とする特殊なものも。もちろん、プレイヤー自身がグノーシアになったり、グノーシア側の人間“AC主義者”などでもプレイ可能。通常の人狼ゲームと違って、単純に勝つだけではなく、さまざまな条件を試して特別なイベントを探しながら物語の真相を暴いていくのが醍醐味です。

 例えば、早々に“留守番”が判明すると、なぜかほかの全員がコールドスリープすることを決意するストーリーに繋がっていくのですが、このイレギュラー的な展開が物語全体の謎に繋がっています。ゲームをプレイしていて、偶然にもいつもとは違う展開を見つけたときは本当にワクワクします。ゲームを進めると“イベントサーチ”という機能が解禁され、イベントの起きる組み合わせを教えてくれるので、あまり迷わずにゲームを進めることができます。
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 ストーリーは驚きに満ち溢れており、「関係なさそうなこのキャラクターたちにこんな繋がりがあったのか!」、「人間の勝利条件を満たしたのにどうしてこんな衝撃の内容に!?」といったようにプレイヤーが世界観に没入するような導線が上手で、遊ぶのが止まらなくなります。ループをくり返しながらキャラクターのプロフィール(特記事項)を埋めるのも楽しみのひとつですが、特記事項が埋まるとキャラクターのステータスが上がり、同時にゲームの難度も上がっていく仕組みになっています。
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 魅力的なキャラクターやストーリー、何度も遊びたくなるゲーム性など多彩な魅力を持った本作。PS Vitaからスタートした作品ですが、現在はさまざまな機種で発売されており、遊びやすくなっています。名作なのでぜひプレイしてみてください!
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