2024年7月19日~21日にかけて京都みやこめっせで開催中の“BitSummit Drift”にて、リリエンゲーム開発による『中の人は誰(The Real Faces of VTuber)』が台北ゲームショウブースに出展されていた。
本作は、架空のVTuber“くりぃぱ”が所属する芸能事務所で起きた殺人事件の真相に迫る、推理アドベンチャーだ。プレイヤーは検察官として捜査を進め、事件の真相を明らかにすることが目標になる。
VTuberの設定を活かしたストーリーが本作の特徴となっており、思わず「そうきたか!」と膝を叩くような物語が展開されていくのが見どころだ。本稿では、現地で体験版をプレイした所感をお伝えしていこう。
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中の人が3人!?結末が楽しみな推理アドベンチャー
VTuberを題材としているため特殊に感じるかもしれないが、ゲーム自体の仕組みは王道の推理アドベンチャー。まずは取り調べパートで証拠を集め、法廷パートで容疑者に質問をしたり、証拠を突き付けて追い込んでいくという流れになっている。
物語は芸能事務所の取締役であるニワトリさんが殺害されてしまい、容疑者は6人の従業員に絞られた、という状態。
ストーリーは一本道ではないようで、犯人は誰かという選択がプレイヤーに委ねられているという。わかりやすく犯人像が決まっているわけではないので、間違った人を選んでしまう可能性も十分にあり得そうだ。
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さて、今回のデモ版は“BitSummit Drift”用に短縮されており、証拠が揃った状態での法廷パートからスタート。犯人も固定で決まっており、正木ナオという女性を犯人だと仮定して、証拠を突き付けていくことになった。
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ゲームとして見た際、推理アドベンチャーとして必要な要素は一通り揃っており、証拠類もわかりやすくまとまっている。おかげで取り調べパートがなくても情報整理は楽で、すぐに法廷パートの楽しみを堪能できた。
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通勤時間や証拠類はいつでも確認可能。
法廷パートでは、検察側として証人を選び、状況証拠を整理していく流れとなる。選んだ人物に質問を重ねて、後に容疑者を追い詰める布石とするわけだ。
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このあたりの流れもこだわりが感じられる作りで、キャラクターの表情や演出で、どことなくコミカルな雰囲気が漂う。殺人事件を茶化す雰囲気ではないが、ギャグテイストも適度に盛り込まれており、暗くなりすぎず、楽しく遊べるゲームといった仕上がりだ。
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無理やり質問をしたり、話がおかしな流れになると怒られる。
検察側のターンが終わると、今度は弁護側(容疑者)が反論をするパートに。ここでは弁護の隙を突いたり、嘘を見抜くことが重要になる。
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今回の場合、正木ナオは凶器となった果物ナイフに触ったことがないと言うのだが、証拠品を見てみるとバッチリ指紋がついていた。
序盤ということでわかりやすい嘘だったが、こうして台詞の隅から隅までチェックして、嘘を見抜いていくのが推理パートの楽しみになるのだろう。
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チャンスを見つけたら、後は証拠品を提出するのみ。指紋が付いていたことに苦しい言い訳をするものの、正木ナオが犯人だということはほぼ間違いない状況になったのだが……。
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突然、自分こそがVTuber“くりぃぱ”であり、社長が殺害されていた時間は配信をしていたので、アリバイがあると証言を始める。
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「リスナーが立証してくれる」というパワーワード。
補足すると、“くりぃぱ”はボイスチェンジャーを使って配信をしているようで、声で中の人を特定することはできないという設定だ。
そしてこの“くりぃぱ”、キャラモデルのクオリティーが非常に高いのもポイント。実在のVTuberだと言われても違和感がないほどモデルがよくできていて、表情や動きもかわいらしい。
開発者自身がVTuberが好きとのことで、かなりこだわって製作したことが見て取れる。
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ストーリーに話を戻すと、正木ナオだけでなく6人の容疑者のうち天童ここみ、落合モモカも、自分こそが“くりぃぱ”の中の人だと宣言。
「どうなっているんだ……!」というところで、デモ版は終了となった。中の人がわからないVTuberならではの設定は、今後の展開に期待できそうな仕上がりだ。
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ゲームパートは快適に遊べる推理アドベンチャーとして作り込まれており、ストーリーもユニークで最後までプレイしたくなるクオリティーだった。
“くりぃぱ”がボイスチェンジャーを使っている以上、複数人で配信をすることもできそうだし、たとえば録画をリアルタイムの配信に見せかけたりと、推理のトリックとしては真新しさも感じられる。
あまり深堀りするのも躊躇する内容だが、VTuberの配信はアリバイとして成立するか、VTuberは実在の人間として扱われるのかという設定は、無視できないリアリティーがあり、惹き込まれるものがあった。
本作は現在Steamで体験版も配信されているため、興味を持った人は実際に遊んでみてほしい。