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新しい『ゼルダの伝説』を作る際のテーマは“おもしろいことが起きる仕組みを作ること”
たとえば、同社のゲーム開発インフラチームが手掛ける画像掲示板もサービスのひとつ。アーティストがアイデア画像を投稿して共有するための仕組みで、Webブラウザから利用している。
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講演では、スクラビルドを発案する側の人としてディレクターの藤林氏、 サービスインフラを作る側の人として廣瀬氏が、それぞれセクションを代表して解説。『ティアキン』で登場した新しい遊び“スクラビルド”がどのような発想で生まれたのか、それを実現するためには何が問題だったのか、そしてどのように解決したのかが解説された。
スクラビルドは、武器や盾、弓に何かひとつの素材をくっつけることで、別の効果を付加できる能力。藤林氏いわく、この能力は、前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、『ブレワイ』)でラークアの祠のプロトタイプを制作中にアイデアを発想したという。
ラークアの祠では、鉄格子の先にあるスイッチを槍で突いてオンにする遊びを制作。このとき、より遠くにスイッチがあり、槍を2本くっつけて届かせるというギミックの解きかたができればおもしろいだろうなと思ったのが最初とのこと。
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これは、ゲームの中で、自然とおもしろいことが起こるような仕組みをたくさん作っておいて、それらが掛け合わさることで、思いもよらないことが起こり、その現象を通じて新しい体験を生み出そうと考えられていたからだ。
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同じ岩を配置しておくだけでも、シチュエーションによってさまざまな現象が発生する。これが、前作から通じて目指した、“おもしろいことが起きる仕組み”とのこと。こういった仕組みをたくさん配置しておけば、新しい『ゼルダの伝説』の遊びが生まれそうだと感じたそう。
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より豊かで楽しい『ゼルダの伝説』を作るため、スクラビルドのくっつける遊びを追求
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当初は、くっつけた結果、別のものに変化するというパターンも選択肢として存在していたという。しかし、この仕様だと、結果を事前に想像するのが困難なため、推理することも難しい。ふたつのものをくっつけて形状が変化してパワーアップするというアイデアがダメというわけではなく、スクラビルドの遊びに向いていないため、この仕様は見送られた。記号で表すと、A+B=Cではなく、A+B=ABで絵が機能を表せば、求める遊びができると考えたそうだ。
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スクラビルドの膨大な組み合わせによる不安を解消するため、“問題を分解”する
- 何でもくっつけられると武器の性能はどうするのか
- くっつけて新しい武器を作った場合はどのような見た目や名前にするのか
- 武器を振ったり特殊な効果が発動したりしたときなど、それにどんな音をつけるのか
- 不具合のチェックが膨大な数になるがどうするのか
など、各セクションからさまざまな意見が出てきた。
組み合わせが膨大という問題により、「ムリでは?」という空気がチーム関係者内に渦巻く。各セクションスタッフが膨大な数の組み合わせに対し、漠然と問題視している状態が発生したそうだ。
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それは、“問題を分解”すること。スクラビルドのフワッとした仕様を明確にするべく、膨らんだ構想を「こういったものがあったらいいな」という希望・願望と、不可欠な仕様に分類。希望・願望を“ウィッシュリスト”、不可欠な仕様を“プランリスト”と呼ぶことに。
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各セクションからあがってきた問題において“膨大な数”がポイントとなっていたので、さらなる分解においては、そこに焦点を当てることに。同じ武器を複数くっつけてみたり、くっつく角度を変化させてみたり、とにかくたくさんくっつけて、自動でくっついたときの手ごたえなども確認。ほかにも、くっつけたものを変化させるA+B=Cタイプの検証を行うなど、数多くの検証を実施した。
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強い風を起こすことができる葉については、これも武器にくっつけて振れば風が起きそうという推理と、絵が機能を表すということにおいて角度は重要ではなかった。むしろ、適当につけて真っすぐつくほうが絵から推理しやすいのでは、という気づきを得ることができた。
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ただ、新しい条件でも組み合わせが12万通り存在するため、アーティストによる膨大な見た目のチェックに負担がかかるという課題が残った。
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12万通り存在する組み合わせの確認コスト削減のため、画像掲示板を利用
12万通りという組み合わせは膨大なものの、見た目のチェックの問題を解決すればスクラビルドは実現可能で、遊びのおもしろさも検証によって明らかとなっているので、組み合わせを減らすことはせず、妥協せずに取り組むことに。その問題解決のため、ゲーム開発インフラチームがQAチームと連携して行った取り組みが紹介された。
スクラビルドを行った際のチェック項目としては、見た目と名前がある。剣と岩をくっつけるときは、剣の上に岩が乗るのではなく、剣の先に岩がくっつく必要がある。名前については、藤林氏が紹介したように一定のルールで生成されるが、ルールに不足があると見た目と名前が合っていないという問題が発生する。
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確認作業はスクラビルドを行い、カメラを回しながら見た目に問題がないか、ポーチ画面を見て名前やアイコンの画像が変ではないかをチェック。1回ならまだしも12万通り存在するので、非常にたいへんな作業となった。
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チーム文化の形成を行うためにルピー掲示板を利用
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チーム文化の形成は、この開発サイクルを円滑に進めるために必要で、とくにマイルプレイ、情報の集約、精査の効率化が求められた。そこで役だったのが掲示板のシステム。マイルプレイ中にメンバーが感じたことをリアルタイムに投稿し、ほかのメンバーもプレイしながら掲示版をつねに見ておくことをルールに。
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ただ、コメントが書き込める掲示板という性質上、使いかたを誤れば開発の進行を阻害するトラブルが発生する危険性もある。そのため、掲示板利用時の大きなルールとして、“意見”ではなく“情報”を書く、認識が変わったら追記、議論は“やらないこと”の3つを定めたそうだ。
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開発者が自由に発明できる仕組みを実装し、より効率のよいゲーム開発に
ゲーム開発では、悩みごとや困りごと、新たにやりたいことが多数発生する。これをどんどん解決してより便利に効率化したいが、直接解決していくのには限度がある。そのため、ゲームがプレイヤーの自由な発想で楽しむことができるように、開発インフラチームも、開発者が自由に発明できる仕組みを作るという方法で対応したそうだ。
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そうした、プロジェクト内で成長したサービスとして、開発機クラウドのシステムが紹介。あらかじめ準備されている開発機の中から、必要なぶんをすぐに利用できるという仕組みで、同時に開発機を制御するためのCI用PC環境も用意。これにより、開発機が追加で必要となった際、すぐに利用手続きが行えるようになった。この手軽さにより、開発機クラウドのシステムは、任天堂社内の幅広いプロジェクトで利用されたとのことだ。
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そして、「今日お話ししたことは、スクラビルドができるまでのすべてというわけではありませんが、実現のために効果を発揮した手法、インフラ概念や運用方法などは応用していただけるかと思いご紹介いたしました。もし、本日お話させていただいたことが、今後皆さんのゲーム開発の一助になれば幸いです」と締めくくり、セッションは終了した。
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