かつては最新ゲームを遊ぶ場と言えば、ゲームセンターが主流だった。時代の進歩とともに家庭用ハードが進化するにつれ、最新ゲームと言えば家の中で遊べるものに。
そんな中、かつてゲームセンターを賑わせていたビデオゲームたちを、現代の家庭用ハードに移植して発売されることも珍しくなくなってきた。代表的なもので言えば、ハムスターが多彩な会社のアーケードゲームを低価格でリリースし続けている“アーケードアーカイブス”シリーズがある。ほかにも、カプコンは対戦ゲームを詰め合わせ、ネット対戦を可能にした『カプコン ファイティング コレクション』シリーズなども存在。
今回紹介する『スノーブラザーズ 2 スペシャル』も、そのひとつ。1994年にアーケードでリリースされた『スノーブラザーズ 2』のリメイク版で、グラビティゲームアライズより2025年4月10日に発売が予定されている。対応ハードはNintendo SwitchとPC(Steam)。
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※本稿はみんなで遊べる『スノーブラザーズ2スペシャル』の提供でお送りします。
だがちょっと待ってほしい。『スノーブラザーズ』はまだしも、『スノーブラザーズ 2』を遊んだことがある人は、当時のゲームファンとしても少ないのではないだろうか。それもそのはずで、当時実際にリリースはされていたものの、諸事情により稼動数がかなり少なかったのだ。
『スノーブラザーズ 2 スペシャル』を紹介する前に、オリジナル版の『スノーブラザーズ 2』遊んでみたい。そう思った筆者と担当編集たちは、あのゲーセンに足を運んだのだった。
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ファミ通.com編集者の堅田ヒカル(左)と同クラシックゲーム大好き編集者のででお(右)
ミカドにGO!
なんだか堅苦しい記事の始まりとなってしまったが、要はゲームを遊びたいだけ!
『スノーブラザーズ 2』が実際に現役稼動している場所と言えば、往年のゲームが並ぶことで有名なアーケードゲームセンター高田馬場“ミカド”。
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いまでは残念ながら珍しくなってしまったビデオゲーム主流のゲームセンターで、対戦格闘ゲームやシューティングゲームを中心に往年のアーケードゲームファンたちを喜ばせている場所。幻のゲームが稼動していることも珍しくなく、『スノーブラザーズ 2』も稼動中なのだ。
担当編集のひとりであるででおは、取材前に前乗りして完全に別のゲームをプレイ(笑)。まぁ筆者もこっそり帰りがけに、ぜんぜん関係ない対戦格闘ゲームを遊んだり……。稼動中のタイトルは家庭用ハードに移植されているものも少なからず存在するが、やはり“実機で遊ぶ”のはいいものだなとしみじみ。この魅力、説明するのは難しいけど!
とはいえ、名作の数々を家庭用ハードに移植してくれるのも、もちろんうれしい。遊ぶ機会の少ないゲームを多くの人に楽しんでもらえるのはファンとしても喜ばしいことだし、なにより気軽に楽しめる。そのうえで“ゲームセンターだからこそ”味わえる魅力があるのも事実だなと、改めて実感できた。
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ミカド店内。アストロシティやブラストシティなど、1990年代を彩った筐体がズラリ。昔のゲーセンってこういう光景だったなあ(しみじみ)。
池田店長にインタビュー
“ミカド”に訪れたのだから、せっかくならばと店長の池田 稔氏にインタビュー。アーケードゲームの移植・リメイクについてや、昨今のゲームセンター事情についてもお聞きした。
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池田 稔 氏(いけだ みのる)
東京・高田馬場にあるゲームセンター“ミカド”のオーナー兼店長。2023年6月には自身の経歴とミカドを経営するにいたった経緯、コロナ禍による経営不振や低迷からの脱却を目指す奮闘の模様を記した新書『ゲーセン戦記-ミカド店長が見たアーケードゲームの半世紀』を上梓。(文中は池田)
――ここ最近、アーケードゲームが家庭用ハードで遊べる機会が増えていますよね。ビデオゲームをメインに営業しているミカドさんとしては、どんな影響がありますか?
池田
メリットとしては、家庭用版でそのタイトルを知った新しいプレイヤーが、「ミカドに実機があるぞ」と調べて訪れてくれることがあります。
やはり実機はアーケード筐体ならではの魅力があります。いまどき珍しいブラウン管モニターで感じられる迫力や遅延のないスムーズな操作感ですとか。あとは、やはり“味”ですよね。ブラウン管でボヤけた画面、スピーカーが劣化してちょっとヘタったサウンドですとか、「これこそ本物の体験だろ!」と僕は思っています(笑)。
僕たちとしてはこの“味”は唯一無二のものだと思っているので、その魅力は家庭用では味わえないものです。全体的に見れば家庭用ハードに移植・リメイクされることについてはありがたいことです。
――ビデオゲームがここまで並んだゲームセンターも、本当に珍しくなってしまいましたね。
池田
以前、「日本全国にビデオゲームをメインにしているゲームセンターはどれくらいあるのか?」と聞かれたとき、計算してみたんですよ。データとしてはいま、全国にゲームセンターは約2500店舗のゲームセンターがあります。その中でビデオゲームメインの店舗って、だいたい約30店なんです。ですから、ビデオゲームメインのゲームセンターってもう、約1.2%しかないんですよ(苦笑)。自分がなんで生きてるのか不思議なくらいな数字です(笑)。
――そ、そこまで少なくなっていたんですね……。ただ、やはりちょっと薄暗いゲームセンターの中で遊ぶ、独特な空気感がある不思議な魅力はゲームセンターならではのものだなと、今回改めて感じました。
池田
空気感はそのままに、昔よりもクリーンになったことは言っておきたいですね(笑)。ゲームセンターと言えば不良のたまり場で治安が悪いみたいな印象でしたが、いまはそんなことないですし。また、昔はゲームセンターで喫煙できて当たり前でしたが、ミカドも完全分煙になって、文字通りクリーンな空気です。
――筐体に根性焼きの痕とかありましたよね(笑)。
池田
あったあった(笑)。昔のゲームの中には理不尽に難しいものがあって、みんな即死するから「なんだこのゲーム!」って怒って、そういう筐体にタバコ押し付けちゃうの(笑)。いまはそれもなくなって清掃作業が楽になり、タバコ原因の修理もなくなりました。本当に治安がいいです。
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――2020年ごろから始まったコロナ禍で、ミカドさんも収益が落ちてしまったものの、ゲームセンター経営もグッズ展開ですとか、配信業やPR業などで盛り返していったとお聞きしています。昨今の事情はいかがでしょうか?
池田
コロナ禍前の売り上げがピークだったと仮定すると、その売り上げに現在もいたっていないのは事実です。ただ数字として毎年上げり続けているので、じわじわと元のピークに近づいている状況です。
喜ばしいことに、土日の盛り上がりはものすごいです。過去のピーク時と変わらないくらいの大盛況にまで戻ってます。ですが、平日は明らかにお客さんが減ってしまいましたね。皆さんの生活スタイルが変わって、会社帰りにふらっとどこかへ行くのではなく、即帰宅することが増えたように感じています。コロナ禍で、多くの人が「あれ、家でも娯楽を楽しめるぞ」と気づいたのでしょう。
とくに平日の夜は、苦戦している状況です。ミカドは高田馬場駅の横にあり、高田馬場駅は山手線が走っていますよね。コロナ禍の影響で、山手線の終電が早まった影響もあるんですよ。以前ならば23時半くらいまで遊べていたお客さんが、22時半くらいに帰らなくてはいけなくなってしまって。
――1時間、電車の都合でロスが生まれたんですね。
池田
コロナ禍の前はもう終電どころか、閉店ギリギリまで遊ぶ人も多かったんですよね。もう閉店だって言ってんのに『グラディウスIII』を始める人とかに、「おいそれ1時間くらい終わらないだろ!!」ってツッコんだり(笑)。かつてギリギリまで遊んでいた人たちも、夜になればいまはおとなしく帰るようになった印象です。
その空いてしまった時間帯をどうお金に変えていくのかというのが今後のミカドの課題だと思っています。
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――海外のゲームファンや、若いゲームファンが遊びに来ることは増えているのでしょうか?
池田
ミカドには、ヨーロッパのファンたちが多く訪れてくれますね。ヨーロッパには昔はゲームセンターがありましたが、いまはほとんどないみたいなんです。昔を懐かしんで遊びに来てくれることが多いようです。
若いプレイヤーは全体から見ると、やはり少ないです。ただ、来てくれる子はメチャクチャうまいことが多いです。話を聞くと、父親がゲーム好きな影響であったり、シューティングであれば“東方Project”からハマったという子もいたりしますね。
――『スノーブラザーズ 2』も含めて、多数のタイトルが遊べるミカドさんですが、どのようなプレイヤーの方々に訪れてほしいと考えていますか?
池田
当時そのままの環境で遊べるのはもちろんのこと、やはりゲームセンターにはゲーム好きの“仲間”たちがいます。よくゲームセンターはコミュニケーションの場であると皆さんも言いますが、決して「会話してね」、「挨拶しようね」と言っているわけじゃないんです。自分のペースで、不思議な連帯感を味わえる場所なんですよ。
もちろん知り合いとワイワイ盛り上がりながら遊ぶこともできますが、ひとりでも仲間たちと同じ場所でゲームをしている感覚が、なんだか楽しいんですよね。ステージの合間の休憩中に、チラッと見える別の人のプレイ画面で「あいつうまいぞ!?」みたいになるのも、ゲームセンターならではです。
豊富な名作の数々が遊べますので、ゲームセンターやクラシックゲームに興味のある方は、ぜひ遊びに来てほしいですね。
オリジナル版をプレイ!
そしていよいよお目当ての『スノーブラザーズ 2』オリジナル版をプレイ。今回は担当編集の堅田ヒカルと、ででおがふたりプレイに挑戦。独特のゲームセンターの空気の中、オリジナル版の魅力を実際に体感してみた!
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ででお 雪玉を投げて敵に当てて、それを蹴ったり転がして敵を倒して、ステージを攻略するゲームなんだよね。
堅田 ふむふむ。ちょっと! ででおさん、俺じゃなくて敵を狙ってくださいよ!
ででお うるさい! アーケードゲームはルール無用だから!
堅田 (協力ゲームなのに……)
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敵を雪玉にして蹴っ飛ばしてやっつける。その際、ほかのプレイヤーが雪玉に巻き込まれることもしばしば……。
ででお 昔のアーケードゲームって、味方を攻撃できることが多いんだよ。
堅田 パーティーゲーム感覚で楽しんでほしかったんですかね?
ででお いや~、事故らせてコンティニューさせたかっただけかも(笑)。
堅田 ゲスの勘ぐり!
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ステージを着々と攻略していく堅田とででお。
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しかしででおの妨害もあり、堅田はゲームオーバーになるも、すかさずコンティニューのコイン投入。堅田「大人になればお金で解決できるんだよ!」と豪語していた。
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というわけでステージ1はなんとかクリアー。
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その後、何度もゲームオーバーになってしまう堅田だが、ででおのプレイはまだまだ続く。堅田「ででおさん、クリアーまであと何時間掛かるんですか~?」。どうやら不貞腐れて観戦モードになってしまったようだ。
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まあとにかく楽しかったのでいいか。
ゲームセンターで遊ぶゲームは楽しい。ふたりで遊ぶとなお楽しい。そんな、ゲーム好きが集まる場であるゲームセンター、昨今は少なくなってしまったけど、それでもやはり楽しい空間なのだった。
リメイク版が発売!
さて、そんな誰でも楽しめるアクションゲーム『スノーブラザーズ 2』をリメイクしたのが、今回発売される『スノーブラザーズ 2 スペシャル』だ(より詳しいレビュー記事は下記をチェック)。
敵を雪玉にして、蹴っ飛ばして倒していくシンプルなアクション性はそのまま。追加ステージにより原作を超えた合計70ステージが収録されており、新たな敵種も盛りだくさん。グラフィックはすべてブラッシュアップされ、ドット絵感は薄くなったぶん、現代的な見た目で本作を楽しめる。
特別なゲームセンターに足を運ばずとも家の中で楽しめるのは非常にうれしいところ。とくに複数人プレイが盛り上がるタイトルなので、家族や友だちとワイワイ騒ぎながら遊んでみてほしい。何しろ家庭用ハード版では“連コイン”せずともコンティニュー可能だ!
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メインとなるアーケードモードでは、原作を再現した“オリジナル”と、現代風のアレンジを加えた“リメイク”をバージョンから選択可能。ほかにも“サバイバル”、“タイムアタック”、“スカイラン”といった、本作ならではの独自ルールで遊べる別モードも存在する。
原作ではプレイヤキャラクターは4人のみだったが、本作ではさらに敵種も使えるようになって合計35体のキャラクターが使用可能に。キャラクター解放もやり込み要素のひとつだ。
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ひとりプレイでももちろん楽しめるが、本作は協力プレイに対応。原作では横並びでふたりプレイのみだったが、本作では4人プレイに新たに対応。よりハチャメチャな展開を、ワイワイと楽しめるようになった。
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移植・リメイク系タイトルでは珍しく、オンラインマルチプレイにもしっかり対応している。クラシックゲームファンやシンプルなアクションゲームが好きな人、またはパーティーゲームのような協力プレイが好きな人には、オススメのタイトルとなっている。ゲームセンターでもご家庭でも、ぜひ楽しんでみてほしい。