
公式声明によるとSteamで7月22日のリリースを予定していたものの、「現実の人々を描写した性的コンテンツ」扱いで発売禁止になってしまったのだという。公式サイトではPaypal経由での寄付を受け付けており、DreadXP側の全額と開発者側の一部を合わせた収益の50%が、暴力から逃れる家族・難民・女性を支援するトロントの慈善団体Red Door Family Shelterに寄付される。
VILE: Exhumed may be banned for sale, but I refuse to let that stop people from playing the game.
— ♡ cara cadaver ♡ (@dirtlord77) August 5, 2025
It’s now available, for free, at https://t.co/h8Pv0zHLVx
Please share the site, share the game, and fuck anyone who tries to control storytelling and expression. pic.twitter.com/AEFJCj1gAa
どうにも怪しいユーザー(恐らくは前所有者で何らかの事件に関連した人物)が残した一見何の変哲もない情報の断片を漁って、パスワードロックされたコンテンツを開けるための手がかりを見つけ出し、より暗部に潜っていくのだ。実際には露骨な性的描写などは出てこないのだが、暴力を受けたらしき女性の実写写真などが登場することから、レギュレーションに通らなかったものと思われる。
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というのも、Netflixドラマ『アドレセンス』が海外で大きな話題となったように、過激なインフルエンサーやオンラインコミュニティなどを媒介に広まる男性権威主義的な考え方への警戒もある中で、現代の性的描写の規制には往々にして女性の保護が視野のひとつにある(それが建前で、実際は宗教的な理由などで行われているだろう場合もあるが)。
しかし『VILE: Exhumed』は、まさにそういった男性権威主義や性的暴力、女性蔑視などの社会的テーマに対して女性クリエイターが怒りを込めて表現した作品なのだ。問題意識は同じでもホラーとして逆説的に描いたらアウト、ということで本当にいいのだろうか?
そしてそういった作品は当然コンテンツとして性的描写や暴力描写を含んでいることが多い。単に問題提起のためにテーマに選ぶだけでなく、作品化することでその恐怖に立ち向かったり、出来事を対象化して克服するのもまた、芸術がもたらす力のひとつだ。
もちろん「だからなんでもありでいい」というのも短絡的だ。これは社会が、そして実質的にそのインフラとして機能しているプラットフォーマーがどこに線を引くかという落とし所の話になるだろう。作品内容で判断すべきか? 無料ならいいのだろうか? どのラインからホスティングするのもマズいのか?
Final Girl Gamesを主催するCara Cadaver氏は公式サイトでこう述べている。
「これ(検閲的な圧力)が実際に引き起こしているのは、女性やほかの疎外された属性のアーティスト、そして究極的にはすべての人からストーリーテリングの力を奪うことです。私の作品に対する検閲はクリエイティブな表現と芸術的自由に対する直接的な攻撃です。そしてそれは性的コンテンツに対する虚偽の告発では止まらないでしょう。自分たちより大きく叫ぶ声にはきっとやってくるはずです」
「このゲームをプレイしたい人にゲームを無償提供することによって、私は性的暴行や男性権威主義や女性蔑視についてのゲームである『VILE: Exhumed』を作り始めた時と同じことをしています。自分の主体性を取り戻すんです。どんなホラーが許容されるのか、どんな物語なら語るのを許容されるのか、誰にも決める権利はない」