農業シム『Farming Simulator』のPC用公式ハンドルコンが発売。大径ステアリングを有し、これ1台でゲーム内の操作がすべて完結する。ソフト開発元との綿密なやり取りで実現
 2023年に海外でリリースされたホリの新たなハンドルコントローラが、2024年10月に日本でもリリースされる。その名は、“HORI Farming Vehicle Control System for Windows PC”。農業シム『Farming Simulator(ファーミングシミュレーター)』のために作られた、PC用の公式ハンドルコントローラだ(※)。
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※『Farming Simulator 22』以降に対応。

 本製品は、
『Farming Simulator』の開発元であるGIANTS Softwareと協力して作り上げることで、トラクターやコンバインなど、同作内で使えるすべての農業機械のリアルな操作に対応。ファンを中心に人気を博している。
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 大きなステアリングや55個のボタン機能などのこだわりが詰まった本製品について、開発担当者に聞いた。
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『Farming Simulator』公式ハンドルコントローラに感じた可能性

――本プロジェクトにおける小谷さんの役割を教えてください。

小谷
 本プロジェクトのリーダーになります。プロジェクトの進行管理など開発の責任者を務めました。
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――トラックシミュレーター向けのハンドルコントローラ“HORI FORCE FEEDBACK TRUCK CONTROL SYSTEM”のときも驚きましたが、『Farming Simulator』専用のハンドルコントローラとは。ホリさんらしい製品ですが、どのような経緯で開発がスタートしたのか教えてください。
小谷
 HORI FORCE FEEDBACK TRUCK CONTROL SYSTEMの成り立ちと似ているのですが、当社が調査したところ、『Farming Simulator』も既存のレースゲーム用ハンドルコントローラでプレイしている方が多いことがわかりました。

 ただ、既製品だとやはりボタンが足りないなどの問題があります。『
Farming Simulator』はファンが多いタイトルですし、専用のハンドルコントローラに需要があるのではないかと考えて、本プロジェクトの企画がスタートしました。

――開発元のGIANTS Softwareさんからは、どのような要望がありましたか?

小谷
 これまでにも他社様から『Farming Simulator』用のハンドルコントローラが発売されていたのですが、GIANTS Softwareさんとしては、そのハンドルコントローラの仕様に改善したい内容があったようです。最初の要望では、そこで感じた改善内容を実現してほしいという要望をいただきました。

 具体的に言うと、質感やサイズ、ボタンの数などですね。そういった要望をサンプルとして作っては見ていただき、そこから得たフィードバックを反映しながら発売にこぎつけました。

――では、あらためて本製品の特徴を教えてください。

小谷
 はい。まずこちらは、ステアリングユニット、パネルユニット、フットベダルの3つのパーツで構成されています。
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ステアリングユニット
小谷
 ステアリングユニットは直径約34センチのリアルサイズとなっていまして、さらにリアルなハンドリングを実現するために、900度(2回転半)回転できるようになっています。また、ウィンカーレバーにより、実車と同じ感覚でライトの点灯や運転方向の切り換えも行えます。

 ちなみに、ステアリングのサイズは当初、直径約38センチで設計していましたが、現在のトラクターは少し小さい直径約34センチのものが主流のようです。GIANTS Softwareさんからも要望をいただき、サイズを少し落としました。
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ステアリングはグリップ感も重視。ラバー素材を使い、高級感にもこだわっている。
――ステアリングユニットに、ハンドルスピンナー(※旋回補助装置。“旋回ノブ”とも呼ばれている)が付いているのがいいですよね。これぞトラクターのハンドル、という感じがします。
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小谷
 ありがとうございます(笑)。取り外し可能なハンドルスピンナーを装着することによって、ホイールを片手で使用しながらほかの機能も操作できます。

――つぎはパネルユニットですが、これはステアリングユニットの右側に設置するのですね。

小谷
 そうですね。一般的なトラクターの構成でも、このようなパネルユニットが右側にあることが多いです。
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パネルユニット
小谷
 パネルユニットの役割は操作のサポートです。さまざまな機能が搭載されていて、16ボタンを配置した多機能レバーは前後左右に倒せますし、ひねりの動きにも対応しています。このレバーによってクレーンのアーム操作を始め、ゲーム内のさまざまな操作が可能になります。

 またスロットルレバーを使用することで、肥料散布やそのほかの作業中にもアクセルペダルを踏まずに、一定の速度を維持できます。ボタンの配置や配色はもちろん、デザインも実車に近づけるようにこだわっていて、高級感が感じられるような素材を使っています。
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視認性を高めて押し間違えを防ぐために、農業機器のボタンはビビットな色が採用されることが多いという。
――ボタンの数もかなり多いですよね。全部でいくつあるのですか?

小谷
 ステアリングユニットに21個、パネルユニットに39個のボタンを搭載していますが、パネルユニットはモード切り替え機能により16ボタンが追加でき、合計で76個のボタン機能が搭載されています。

 『Farming Simulator』ではいろいろな操作が要求されるので、このコントローラのみで操作が完結するようにボタンの数を増やして対応しています。

――これだけボタンが多いと、キー設定がたいへんそうですが……。

小谷
 GIANTS Softwareさんと協力して作り上げているので、キーバインドなどを行う必要はありません。PCに接続してゲームを起動すれば、すぐに遊べるようになっています。

 ただ、ボタンの数が多いので、実現するまではたいへんでしたね。どのボタンを割り振ると操作しやすいのか考えるのはたいへんでしたし、ゲーム側との調整が必要で、数の多いボタンにゲーム側で新たに対応いただく必要がありました。
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――キャラクターの操作はどこで行うんですか?

小谷
 ステアリングユニットのアナログスティックで操作できます。従来のハンドルコントローラにはアナログスティックがついていないので、キャラクターの操作も格段に行いやすくなっていますよ。

――『Farming Simulator』は、キャラクターを操作することが多いのでうれしいですね。ただ、これだけボタンが多いと慣れるまでたいへんかもというきらいにもありますが……?

小谷
 もちろん、ある程度の慣れは必要ですが、ゲーム画面に対応したボタンの数字を表示することで覚えやすいように工夫しています。

――かゆいところに手が届いていると。フットペダルの特徴はいかがでしょう。
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フットペダル
小谷
 フットペダルはアクセル、ブレーキ、クラッチの3つのペダルで構成されています。機能面では無接点式磁気センサーを搭載することで、精度が落ちないまま高い耐久性を実現しました。

 また、一般的なハンドルコントローラのフットペダルと大きく異なるのが、ペダルの角度になります。トラクターはハンドル角度の都合上ペダルがハンドルの真下に配置されることが多く、背筋を伸ばして運転することが多くなるため、背筋が伸びた状態でもペダルを踏みやすいように角度を寝かせているんです。

 上から踏むので通常のフットペダルよりもズレにくいのに加え、滑り止めも付けているのでかなり滑りにくいと思います。
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――ちなみに、GIANTS Softwareさんからの要望でとくに印象に残っていることはありますか?

小谷
 どの要望もこだわりが強かったのですが、印象に残っているのはステアリングユニットのスティックボタンの位置ですね。試作品ではステアリングを操作しているときに手がスティックに当たらないよう、スティックの位置をいまよりも中央に寄せていました。

 ただ、それだとスティックが少し動かしにくくなるんです。それを見たGIANTS Softwareさんは、手の小さい子どもでも遊びやすいようにしてほしいと。
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小谷
 実際、海外のイベントでは子どものファンも多いんです。ですので、子どもでもステアリングを操作しながらスティックに手が届くように、ボタンを配置する場所を調整しました。

――子どもが参加するぐらい、海外では『Farming Simulator』のイベントが盛況なんですね。

小谷
 そうですね。とくに欧州地域では人気が高いと感じました。『Farming Simulator 22』だけでも、売上が600万本(※2024年1月30日時点)を突破しています。海外ではGIANTS Softwareさん主導のイベントも開催されています。

東京ゲームショウ2024のホリブースで体験可能

――本製品の日本での販売予定価格は?

小谷
 ハンドルコントローラの単体版は54980円[税込]、『Farming Simulator 25』同梱版は56980円[税込]になる予定です。

――最新作の『Farming Simulator 25』(2024年11月12日発売予定)が実質2000円で手に入ることになるわけで、そう考えると同梱版はお得ですね。

小谷
 そこはGIANTS Softwareさんのお力添えによって実現できました。ハンドルコントローラの値段もできるだけ努力をして抑えてはいますが、それでも5万円を超えるので高価に感じられる方ももちろんいると思います。

 ですので、製品のよさを感じていただくためにも、できるだけ体験していただける機会を作っていきたいと考えています。その一環としての取り組みとして今回、当社が東京ゲームショウ2024にブース出展して、本製品を含むいろいろなコントローラを試遊していただけるようにしました。お越しになる方は、ぜひ当社ブースにお越しいただければ幸いです。
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東京ゲームショウ2024 ホリブース詳細

 2024年9月26日~29日まで、千葉県の幕張メッセで開催される東京ゲームショウ2024(9月26日と27日はビジネスデイ)。そのホリブースでは、以下のアイテムの試遊が可能だ。

  • HORI Farming Vehicle Control System for Windows PC
  • ファイティングコマンダー OCTA 新型試作品
  • ワイヤレスホリパッド for Steam
  • HORI Force Feedback Truck Control System for Windows PC
  • タクティカルアサルトコマンダー -メカニカルキーパッド- for PlayStation 5, PlayStation 4, Windows PC
  • GUITAR LIFE -LESSON1-
  • リアルアーケードPro.V HAYABUSA for Windows PC
  • ファイティングコマンダー OCTA for PlayStation 5, PlayStation 4, Windows PC
など
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