「何だよクソ運営」と言う側だったゲーマーが運営プロデューサーに抜擢、“NEO”MMORPGを送り出す。ゲーム業界未経験からの成り上がり伝説【ドキュメンタリー】
 エヌシージャパンの『ブレイドアンドソウル NEO』運営プロデューサー・福富岳さんは元プレイヤーだ。キャラ名は“ふんこ”。

 つまりこういうことである。
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この記事は『ブレイドアンドソウル NEO』の提供でお送りします。
 本作は2014年にサービス開始したMMORPG『ブレイドアンドソウル』の現代リメイク版だ。厳密に言うと福富さんは『ブレイドアンドソウル』のプレイヤー。そのプレイヤーが運営プロデューサーへ。

 いちゲーマーがこんなに上り詰めることある? 混乱はさておき、この画像を見てほしい。
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“パブリッシャー 運営の作法”。NHKのドキュメンタリー番組に似ていますね。
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嘘です。
 福富さんがテレビのドキュメンタリー番組に出演した風の画像を作ってしまった。“人”を題材にしたドキュメンタリー番組が好きで、とくに縁の下の力持ち回は泣きそうになる。実直な職人さんが取り上げられるとうれしい。

 福富さんの運営プロデューサー就任は十分な偉業だからドキュメンタリー番組に出たっていいだろう。そんな気持ちがあふれた次第である。

 写真がSNSで拡散されて、

『ブレイドアンドソウル』の運営プロデューサーがテレビで特集されたらしい」
「そんなに話題のゲームなのか。やってみようかな」

 と噂になるかもしれないので、福富さんの半生をドキュメンタリー風に追ってみよう。頼んだぞ、みんな。
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『ブレイドアンドソウル NEO』は2025年3月12日にサービス開始。MMOアクションRPG『ブレイドアンドソウル』を現代に合わせてリメイク。アクションゲームとしての戦闘の楽しさはそのままに、グラフィックやキャラクター成長システムが一新され、いちから始めやすくなっている。

ドキュメンタリー風画像の作りかた

 福富さんがエヌシージャパンに転職したのは2022年9月で、運営プロデューサー就任は2024年2月。1年5ヵ月で上り詰めたことになる。全力ダッシュで富士山登頂するような話だ。

 ゲーム会社に就職したいゲーマーは多いだろうが、好きなだけでは入社できないのがふつうだ。当時の話を聞くと、余計に疑問が広がっていく。

  • 転職時点で31歳
  • ゲーム業界未経験
  • 『ブレイドアンドソウル』以外のMMORPG知識はほぼゼロ
  • 昔から2ちゃんねるでめちゃくちゃ叩かれている

 不安が押し寄せてくる。どうしたんだエヌシージャパン。つらいことがあったのなら話を聞きたい気持ちを抑えて経緯を遡ると、ある事実に行きつく。

 ……
ひょうきんだからだ。

 これをドキュメンタリー番組風にするとこうなる。
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写真を加工して(右は『ブレイドアンドソウル』4周年記念ファンクリエイション大賞の写真)、
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どーん!
 グッとテレビっぽくなった。ドキュメンタリー番組風の画像を作るのが好きで、過去に記事のネタにしたことがある。そのときに“ドキュメンタリー番組みたいな写真を作る方法”という知見を得た。

  • 写真のコントラストを強くする
  • 写真のなかの1色を強調するなどして印象的に
  • 画面上部の左右にロゴや内容を端的に表したテキストを入れる
  • 印象的なセリフを字幕表示

 すごく狭い攻略情報を書いてしまった。この小細工で福富さんの経歴をドラマティックにしていこう。ドキュメンタリー番組風にしたいので呼び捨てにします。ご了承ください。
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「ライターが取材しやすいように説明するのも福富の大事な仕事だ」など、ナレーションを想像しながらお読みください。

承認欲求の塊

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まずはこういう画像だよな。
 小学生のころにニンテンドウ64の『ゴールデンアイ 007』と出会い、ゲームのおもしろさを知った福富。FPSばかり遊ぶようになり、高校生になると部活で忙しくゲームから離れたが、大学時代の友人宅でゲームに再会した。

 PCのオンラインFPSはおもしろいが、マッチングの待ち時間が嫌。ずっと遊べるゲームはないかと、夜勤バイト中に読んだ週刊アスキーであるゲームが目に留まる。それが
『ブレイドアンドソウル』だった。

 ここは気を遣って弊社の本を挙げてほしかった。そういうところだぞ、きみ。
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殺し屋みたいなひと言が出たので切り取っておく。
 遊び始めたのは2014年のオープンβテストから。ここからしばらく離れたりくっついたりをくり返す。男と女の駆け引きみたいである。

・正式サービス開始。月額3000円に腰が引けて3~4ヵ月で休眠

・無料化。それならばと復帰

・装備強化素材の多さにめまいがして休眠

・門派(ギルド)仲間のスキー旅行を企画。同行したいのでふたたび復帰
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そういうこと言うなって。
 復帰したらやっぱり楽しく、ずっと遊び続けた福富は人生のターニングポイントに差し掛かる。それは2017年のこと。秋葉原のネットカフェで開催されたオフラインイベントが鍵だった。
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即席パーティを組んでインスタンスダンジョンに挑戦し、成績を集計してポイントを競うイベント“FANTASTIC BATTLE”。福岡と東京の2ヵ所で同時開催された。
 FANTASTIC BATTLE会場では当日MCの募集があった。楽しくおしゃべりをして、いっしょにイベントを盛り上げてくれる人はいませんか、と。

 いた。
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「物憂げに外を眺めるやつやりましょう!」と盛り上がったので撮った写真。
 福富は「やるやるー」と手を挙げた。なぜなら目立てるから。目立ちたいというだけの理由で生徒会長をやったこともある。MCの作法なんて知らないけど何とかなるだろう。

 この時点では
『ブレイドアンドソウル』を盛り上げようなんて気持ちはない。100%自分のため。だが、これがよかった。この気楽で無責任な判断が、時間を越えて幸運を呼び込むことにつながる。

 気象学者はここから“バタフライエフェクト”を提唱したと言われている。嘘です。
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密着ドキュメンタリーはいろいろな場所で話を聞いているイメージがあるので外に出た。このフレーズはかっこいいな。こういうときは仰々しく。
 初めて『ブレイドアンドソウル』プレイヤーの前に顔を出したこの日、人生は愉快な方向に転がり出した。この日が新しい福富の誕生日、いやサラダ記念日だった。

 つぎのオフラインイベントでは運営チームと飲みましょうみたいな企画があり、もちろん参加。前任のプロデューサーであるFSグラウカに声をかけてもらい、いきなり
「比武大会の解説員として出演しませんか」とオファーが舞い込んだ。

 うれしい半面、問題もある。比武はいわゆる対人戦だ。全職業の武功(スキル)が頭に入っていないと解説しようがない。エアプ野郎が出たら絶対に叩かれる。それなのに福富は比武を通ってこなかった。どうするべきか……。
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軽いな。
 ちゃんと悩めよ。「苦渋の決断をした」的な雰囲気を出したこちらの気持ちも察してほしい。そんなやんちゃはキムタクでも許されない。

 「知らなくても全然大丈夫ですよ」と、よくある誘い文句を鵜呑みにして、福富は出演を即決。ちなみに、その大会とは“ジャパンチャンピオンシップ2017”、つまり日本一決定戦である。会場はベルサール神保町アネックスという立派なイベントホール。

 無名のいちプレイヤーを上げるステージにしてはでかすぎる。
当時の運営チームもまあまあおかしい
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当時のイベント会場の写真。
 自分は承認欲求の塊だなんて告白をされても「でしょうね」としか言えない。そろそろ読者の皆さんは失敗エピソードを欲していると思うが諦めてほしい。残念なことに、ノリに反して根はまじめなのだ。苦手な比武の猛勉強が始まった。

 スキル詳細の資料をA4用紙の束でもらい(ちょっとした辞書並みのボリューム)、頭に詰め込む日々。対人戦に詳しい仲間の教えを請い、スキル名を言い間違えないように漢字の勉強も進める。

 
そう、成長である。軽薄男に責任が芽生えている。誰よりも目立つため。たったそれだけのために人は本気になれる。有名になるということはイメージも大切だ。ちゃんと選手にあいさつしよう。大会当日、福富は選手の控室を訪れた。

福富「はじめまして。今日はお世話になります、ふんこです!」
選手「…………………………」
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冷たい視線に耐え切れず、そそくさと退席したそうです。
 選手の反応も理解できる。知らないやつに語られたくはないだろう。お前誰だよ。比武やってないだろ。当然というか何というか、ネットでも叩かれる。めっためたに叩かれる。

 とはいえ、詳しくない人という立ち位置も大切だ。当時は解説員がもうひとりいて、そちらは比武ガチ勢。有識者が知っている人向けに解説すると内容が難しくなる。“知らないこと”を武器に、「知らない人でも遊べるよ」と呼びかけ続けた。
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天真爛漫なキャラでいったら何とかなったらしい。ほんとに何とかなったか怪しい。
 福富は砕けない。ジョジョ第4部のような精神で2017年~2019年に解説員を務め上げた。2018年からは詳しいパートナーが不在になったが、何とか乗り切ることに成功。

 たぶん乗り切れていないが(ネット掲示板が荒れていたので)乗り切ったことにした。そう思わないとやっていられないときもある。

 2019年はバトルロイヤル形式の“鉄鎖群島”が採用され、これはスキルでの攻防より状況説明が重視されるのでずいぶん楽に。
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左はeスポーツ実況の第一人者・岸大河さん。右はイベントにゲストとして呼ばれることも多かったユーザーのちび姉さん。顔をぼかすと訳ありっぽく見えておもしろいのでぼかしておく。
 「全然やれんじゃん」。どんどん調子に乗っていく。調子という名の乗り物に乗り込んでいく。調子という名の満員電車が走り出す。しかも各駅停車ではなく特急である。走り出したら止まらない暴走特急とはこのことだ。止めてくれ! 爆破していいから!

 この頃から、毎年5月にある周年記念の生放送にも呼ばれるようになり、ユーザー代表のような立ち位置に。福富は「僕のことを知らないユーザーはいないくらい」と胸を張るが、さすがにそれは言いすぎだ。
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でしょうね。

いまの『ブレイドアンドソウル』運営にいいところはない

 調子業界のトップランナーを走り続ける福富は、そろそろエヌシージャパンに入れるのではとさらにアクセルを踏み、「転職を考えてるんですよねー」と周囲に匂わせ始めた。ジャパンチャンピオンシップ2017の打ち上げに参加したときのことだ。

 そしたら本当に転職が決まってしまった。とんとん拍子にもほどがある。
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ここからは“焦熱大陸”。すごく熱そう。
 なんでだよ。打ち上げではこのイベントを制作した会社のスタッフが隣の席に座っていて、声をかけられて転職を決めた。「『ブレイドアンドソウル』の仕事ができる会社だから、まぁいいか」。軽い。

 2018年はジャパンチャンピオンシップの施工会社の社員として設営を担当し、翌日に解説者としてイベント出演していたそうだ。

 ところで、福富のアピールはエヌシージャパンに届いていたのか。FSグラウカは当時の印象をこう語る。
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そういうものですよね。
 160kmの剛速球がど真ん中に決まった。叩かれ続けてるしなあ。

 にも関わらず、5年後に事態がひっくり返る。福富のもとにFSグラウカからメッセージが届いたのだ。その日は2022年5月20日。くしくも
『ブレイドアンドソウル』正式サービス8周年の記念日だった。

 このとき福富は
『ブレイドアンドソウル』のよくない変化を感じ取っていた。どんなに人気のオンラインゲームでも下がり目のときはあり、それはたいてい“課金アイテム”に出る。ユーザーが求めてないものを売ろうとする。
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何だかんだで『ブレイドアンドソウル』が好きだからわかるのである。怒りも感じる。
 FSグラウカのメッセージはシンプルだった。「うちの社員になりませんか」。運営に携わるのは、ゲームの知識があって、ユーザーの気持ちがわかる人が望ましい。加えて、“業界未経験”がいい方向に作用した。

 知識はときとして邪魔になる。経験に裏付けされた無難な対応ではなく、本当のユーザーの意見がほしい。そんなことを考えるほど運営がひっ迫していたのかもしれない。
ひょうきんなお調子者は起死回生のカードだった。まさに道化師=ジョーカーである。
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すぐに調子に乗る。
 面接では「『ブレイドアンドソウル』以外のことは詳しくない」と正直に伝えた。「いまの運営にいいところはあるか」という質問には、少し迷った後にこう答えた。
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再現写真では笑ってしまったが、真剣に伝えたそうです。
 批判するつもりはない。だが、ここでお世辞を言ったら何も変わらない。エヌシージャパンと福富の考えが一致し、入社が決定した。

 『ブレイドアンドソウル』はMMOアクションRPGとして高く評価されたタイトルだ。さらにグラフィックを強化し、UIやシステムを現代に合わせてリメイクしたのが『ブレイドアンドソウル NEO』。福富はどういう一手を打つのだろうか。
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ピンチ。若い子は『ブレイドアンドソウル』を知らない

 イベント運営会社を挟んだことは彼にとって幸運だった。

 チームビルディングや人を呼び込む施策を考え、YouTubeの映像を自分で編集し、ときには生配信のセッティングもする。どれもオンラインゲーム運営に役立つスキルだ。現場で覚えられたのは大きい。

 その前の仕事はテレビ業界の営業マン。自社スタジオなど商品を「これを使いませんか」と売り込むのが仕事だ。コミュニケーションを図って相手の心に入り込む。よりほしい商品を提案する。
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 過去の経験が、MMORPG運営の血肉になっている。現代の急がば回れだ。まさかこれを狙ったんですか! FSグラウカさん!
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そうですか。
 さて。『ブレイドアンドソウル』運営チームに配属された福富は、新しいことをしようと考えた。これまでエヌシージャパンではやってこなかった施策を。「前例がないからできない」とは言わない

 まずは市場調査だ。知らない人とゲームをするのが好きで、入社前はどんなゲームのチーム募集にもすぐに突撃。イベント出演時のドヤ顔写真をアイコンにしているので、若い子から「解説とかやってるんですか?」と聞かれることも。

 得意げに説明するものの、ショックを受けることも多かった。
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 福富が解説をやっていたことどころか、そもそも若い子は
『ブレイドアンドソウル』の存在を知らないのだ。これはまずい。

 若い世代の認知は重要だ。FPSブームだからスペックの高いPCは持っているはず。そこで、もとから好きだったVTuberやマイクロインフルエンサーに目を付けた。

 超人気ストリーマーもいいが、ファンコミュニティの内輪で楽しく遊んでもらいたい。そんな気持ちでストリーマーコンテストを企画したらゲーム配信をする人が増加。配信者のファンを呼び込むつもりが、ユーザーが配信者になるねじれを生み出してしまった。まあ、新しい文化が根付いたのは悪いことではない。
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 移動中はつねにTikTokを見るなど、とにかく流行っているものが好き。つぎはショート動画だ。ユーザーにショート動画を投稿してもらったら、これまた悪くない反響。意外と跳ねている動画もある。

 流行りに飛びつくフットワークの軽さは他部署にもいい影響を及ぼす。「いま何が流行ってる?」と聞かれたら一瞬でサンプルを挙げる。流行は取り入れたもの勝ち。いまこの瞬間にやったほうがいい。

 サービスが長くなると新しい世界に足を踏み出しにくくなるが、そんなことは気にしない。
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コスト削減のため、配信では自分でスイッチャーを操作しながらスライド資料を切り替えて出演者に指示を出すなど、とりあえず自分で何でもやる。
 いま考えているのはTikTokライブでの公式配信。よく考えたら、TikTokライブやインスタライブを活用しているゲームメーカーは少ない。おそらくシンプルに発想とノウハウがないから。福富にはどちらも、ある。

 業者を使って大がかりにする必要もない。何なら
配信設備のセッティングも出演も自分ひとりでできる。ほかがやっていないから低コストで目立てそうだ。これはいい。

 ノウハウがないと、とりあえず人気のインフルエンサーに頼りがちになる。だが、それだとゲーム情報が薄くなるため既存の
『ブレイドアンドソウル』ファンは楽しめない。その点、自分なら質問が来てもパパっと答えられる。
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フットワークの軽さ、配信の知識と技術、ゲームの知識。福富はオンラインゲームにおける三種の神器を持っている。
 若い子にもゲームを広めるうえで重要なのはマーケットを知ること。ここでもイベント会社勤務の経験が活きる。当時は時間かけて下調べが必要だったが、いまは自分の好きなマーケットを相手にしているからアイデアがすぐにわく。油田のようにわく。石油王の誕生である。

 福富はこれまでの酸いも甘いもユーザーとして見てきている。「何だよクソ運営」と言ってきた側だ。ファンの気持ちを知った状態で運営プロデューサーになるということは、つまり強くてニューゲーム状態である。誰もが夢見る
「僕の考えた最強のMMORPG」を実行に移すときがきた。
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 サービス開始から10年が過ぎた
『ブレイドアンドソウル』は中身が複雑化。MMORPG経験のない若者がいちから始めるには躊躇してしまう。そこで、福富が新たに送り出す『ブレイドアンドソウル NEO』ではシステムにメスが入れられている。

 新たな装備強化のシステムはシンプルだ。インスタンスダンジョンで強力な武器をつぎつぎに入手でき、ステップアップの喜びがストレートに感じられる。これまでは何をどう強化すればいいかわかりにくかったが、武器に関しては“霊魂石”と“真言珠”を集めればいい。

 UIも昨今のスマホRPGのようにわかりやすさを重視。
『ブレイドアンドソウル』の新しい姿に、福富は手ごたえを感じている。

六本木という町

 オンラインゲーム好きが高じてゲームメーカーに就職する人は多いが、たいていほかのタイトル運営に回る。ずっと遊んできたゲームのプロデューサーに収まる人は珍しい。プロ野球選手が活躍した球団の監督のイスにそのまま座るようなもので、自然とファンの期待は大きくなるはずだ。

 福富は
『ブレイドアンドソウル』で人生が変わった。じつはそのほかにも大事な要素がある。六本木だ。入社したエヌシージャパンの所在地は六本木。社会人1年目に初めて入った会社も六本木。人生の節目を六本木で過ごしている。
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左上のロゴは大きなプロジェクトを成し遂げる系のやつに似せた。中島みゆきさんの歌が聴こえてきそうですね。
 ものすごいドリフトでどうでもいい情報が切り込んできた。いや、MMORPGは人との交流も重要。まったくの無関係というわけでもない。

 門派(ギルド)のチャットで相談したら仲間から「おれ、街コンの運営やってるよ」と返答があった。そのとんとん拍子、何なんだよ。
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この情報がゲームメディアに載るのは史上初なのでは。
 男だけ参加費がやけに高い街コンは避けた方がいいとのこと。この記事でいちばん有益な攻略情報かもしれない。

 “ぼっちのやつ、バレンタインデーに六本木に集まれ”的なイベントに門派仲間と参加した福富。また六本木だ。キャラ名の“ふんこ”で呼ばれていることが会話のきっかけにもなり、女性参加者たちと楽しく交流。オフラインで広がるコミュニティーもある。

 『ブレイドアンドソウル』をやっていたから門派の仲間とつながり、その仲間がたまたま街コンに詳しかったから世界が広がった。
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これで急に記事が終わったらおもしろいだろうな。
 天職に出会えたし結婚もできた(街コンで出会った女性と結ばれたそうです)。目立ちたい気持ちが高まり、六本木に足を踏み入れたことから運命の輪は回り出した。人体は6割が水分。福富の体は6割が『ブレイドアンドソウル』と六本木でできている。

 最後に、ドキュメンタリー番組でありそうな質問をぶつけてみた。あなたにとって
『ブレイドアンドソウル NEO』とは。
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エンディングっぽくスタッフロールを入れた。
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 自分の人生を変えてくれた
『ブレイドアンドソウル』に恩返しをしたいのだという。恩返しの相手は運営しているエヌシージャパンではなく、もっと先。10年以上も『ブレイドアンドソウル』を支えてきたユーザーたちだ。

 ユーザーが喜んでくれたらゲーム自体が盛り上がって自分も楽しいから、ある意味では自分のため。どこまでも自分勝手でお調子者の運営プロデューサーは「またこれから10年も20年も、よろしくお願いします」と笑った。