
それがアストロくんだ。
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正式名称は“アストロ(ASTRO)”と呼び捨てなのだけど、その小ささとかわいらしいデザインは親しみを込めて“アストロくん”と呼びたくなる。
そこで本稿では筆者の強い要望により、あえて“アストロくん”と呼び続けよう。ご容赦ください。
「PS5持ってるなら知ってるよね?」と言ったのは、PS5にはアストロくんが主人公の『ASTRO's PLAYROOM(アストロ プレイルーム)』がプリインストールされていて、これがまた、プレイされた方はご存知のことと思うけど、じつによくできていておもしろかった。
プレイステーション5コントローラーの“デュアルセンス”の機能である、ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーがフルに活用され、硬い床を歩くときはコンコンと硬い反動、雪原を歩くときはモザモザとやわらかな感覚がしたり、より没入感が深まる工夫がなされていた。
アストロくんはパンチをしたり、ジャンプ中に放たれるバックブーストを当てることで敵を倒し、ステージを進んでいく。
コース上に設置されたさまざまなアタッチメントを装備することで、出っ張りをつかんで高いところに登ったり、コントローラーを傾けてパワーを溜めてジャンプしたりと多彩な動きが付与され、ステージごとに異なる遊びが登場し、毎回新鮮な感覚で楽しめた。
さて、本作。
『ASTROBOT(アストロボット)』は、そんなアストロくんが主人公の、今度はパッケージ版も発売される完全新作だ。2024年9月6日発売予定とのことですでに予約が始まっている。
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先に結論を書いてしまうと、本作は『ASTRO's PLAYROOM(アストロ プレイルーム)』の正統進化版。じつに質の高い3Dジャンプアクションゲームに仕上がっている。アストロくんは変わらずかわいくてくてくと歩き、ジャンプし、敵をやっつけ、ステージは明るく楽しげで、工夫に凝らされたギミックが満載。
前作のファンは必ず大満足できそうな、うれしい予感に満ちている。
「前のアレおもしろかったじゃん? なら新作もぜってえおもしれえもん」。そんな感想を持つ、幸せな続編というやつだ。
約30分のわずかな試遊時間を終えた後、僕は素早く予約を済ませた。
子どもから大人まで、誰でも楽しめる最高品質のアクションゲーム
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本作の開発を担うのは、もちろん前作同様にTeam ASOBI。東京に存在する開発チームだ。
だからというわけでもないけれど、本作も日本製らしいていねいな作り込みを随所に感じる。まずは、アクションゲームとしてキャラクターを動かすだけで楽しく気持ちいいものに仕上がっている。
キャラクターのレスポンスがよく、ステージに対してきちんと思ったように動いてくれる。プレイヤーのイメージとキャラクターの動きの出力にズレがなく、「キャラクターを動かしている」という実感が大きい。
アストロくんの体の周囲を回転するように振り回すパンチを当てると、敵は吹っ飛んでいく。ジャンプしてレーザーを当てれば「ポン!」という小気味よい音とともに爆発して弾け飛ぶ。
もっともシンプルな部分が、もっとも気持ちよく作られている。
アクションゲームとしてこれ以上の誉め言葉はないのではないかな。
ゲームはステージクリアー型
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今回のデモ版では、いくつかの星(ステージ)をプレイすることができた。
TENTACLE SYSTEM(テンタクルシステム/触手星系)と名付けられた星系に、8つほどの星が浮かんでいて、そのうちのSKYGARDEN(スカイガーデン)が、もっともベーシックなステージになっているようだ。
ステージはじつに明るくぽかぽかとした雰囲気で、ちょっと進むとボールがたくさんあるウォータースライダーやプールがあり、もうここでずっと暮らしたくなるような平和さだ。
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平和なのだけどステージを進むと、アストロくんの仲間であるボットがあらゆるところで救出を求めている。彼らを救出するのも本シリーズの大事な要素だ。
明るい庭を進むと敵がいたり、木に縛られている仲間ボットがいたりする。ボットの中には、歴代プレイステーションで発売されてきたタイトルをモチーフにした個体が複数登場。動物のような大きな縞模様の耳を持つ個体もいて、これは『ラチェット&クランク』シリーズの主人公・ラチェットをイメージしているようだ。
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このように、ステージにいる捕らえられた仲間をレスキューしながらステージクリアーを目指すのが基本的な遊びかたとなる。助けるべき仲間のなかにはプレイステーションタイトルのキャラクターをイメージしたデザインの個体が多く登場し、助けることがコレクション要素にもなっている。
CONSTRUCTION DERBY(コンストラクションダービー)という星では、磁石を使って鉄くずを集め、それを投げてクレーンを回すことで進めるようになったり、犬のような装置を背中にかつぐことで、ダッシュ、空中ダッシュが可能になる。
アストロくんは本作では15種類以上のパワーアップをするのだという。製品版ではこのほかにどのようなプレイスタイルが待っているのか、いまから楽しみだ。
コンストラクションダービーには『パラッパラッパー』のパラッパのようなボットが隠れている。うーん、かわいい。
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ボットは1ステージに複数体隠れているのだけど、すべて探し出して救出するにはけっこう探索しつくさなければならない。全ボットを救出しようとしてプレイすれば、やり込み要素になるだろう。
ボス戦の歯ごたえが抜群!(タコだし)
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そしてボスWAKO TAKOと戦う。タコらしく、墨を吐いてきたり、たくさんある手(足?)で殴りかかってきたりするので、うまく避けながら弱点を探す。これがじつにいい具合に忙しく、見た目のかわいらしさとは裏腹に、すこし難しい。攻撃方法とタイミングを考えているうちに3つのライフが尽きてやられてしまった。
難しいと言っても「こんなの絶対無理!」ということではなくて、「ああ~もう……もうちょっとでノーコンティニュークリアーできたのに!」という、もどかしくも2ラウンド目に積極的にチャレンジしたくなる、絶妙なさじ加減の難易度設定になっているのだ。
ボスを倒すと、ヒゲモジャで斧を持ったボットと、ひとまわり小さなボットが登場。モチーフは『ゴッド・オブ・ウォー』のクレイトスとアトレウスだろう。
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難易度HARDの惑星は?
この“チャレンジ→失敗→くり返してうまくなる→クリアー”という設計が非常にうまく作られていて、やられてもすぐにリトライしたくなる。
まとめ:短い試遊でもすぐわかる完成度の高さ
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今回用意された試遊時間は30分程度、遊べるステージも通常ステージふたつとボスステージがひとつ、高難度のミニステージがひとつのみという限られたものだった。
それでも『アストロ』シリーズらしいアクションの気持ちよさやちょっとした工夫が必要なボス戦、磨き抜かれ、作り込まれたステージ設計などその魅力を存分に感じ取ることができた。
PS5プリインストールの前作『ASTRO's PLAYROOM(アストロ プレイルーム)』の正統進化という内容で、前作が好きだったという人は本作も間違いなく楽しめるだろう。前作にあったソニーハードをモチーフとしたコレクション要素などはなくなっているようだが、ボットを救出していく収集要素は残っている。
“真新しい遊び”や斬新さという点では物足りない部分があるかもしれないが、ステージに設置されたギミックにより小気味よいテンポで自動で進むというアイデアが加わっていたり、何より15種類以上のパワーアップが待ち受けているというから、製品版を楽しみに待ちたい。
美しく作り込まれた箱庭ステージで遊ぶ、ハイレベルな3Dジャンプアクション。子どもでも大人でも、安心して楽しめる、文句なしで誰にでもおすすめしたくなる1本だ。
なお、ファミ通.comでは本作を制作するTeam ASOBIのニコラ・デュセ代表にインタビューを実施。こちらもぜひチェックを。