2024年6月18日に配信された“Nintendo Direct 2024.6.18”(ニンテンドーダイレクト/ニンダイ)。本番組にてスパイク・チュンソフトより発売される『かまいたちの夜×3』が発表された。
スパイク・チュンソフトへ緊急メールインタビューを実施したところ、プロジェクトマネージャーの篠崎朋也氏から回答をいただいた。Nintendo Switch、プレイステーション4、PC(Steam)への移植の経緯やゲーム中の演出/表現、追加要素について訊いたので、ぜひチェックしてほしい。
――『かまいたちの夜×3』の移植が決まった経緯を教えてください。“かまいたちの夜”シリーズの中でも、1作や2作目ではなく、シリーズ完結編にあたる本作を選んで移植したのはなぜでしょうか?
篠崎
いままで他機種に移植していなかったことと、『かまいたちの夜×3』は1作目・2作目のメインストーリーが収録されているので、久しぶりに“かまいたちの夜”を遊ぶ方と、初めて“かまいたちの夜”を遊ぶ方にも最適と考えました。
――本作はいわゆる現行機への移植がベースで、そこに追加要素が加わったということでしょうか? 追加要素以外で、たとえばグラフィック、操作、セーブまわりの仕様などに変化はありますか?
篠崎
はい。PS2版をベースに移植しており、サウンドプレイヤーと初代『かまいたちの夜』風ドットフォントを追加しています。大きな仕様変更はありませんが、現行機に合わせてグラフィックをサイズ調整したり、セーブ処理などは早くなっています。
――『かまいたちの夜×3』を現在に復活させるうえで、とくにこだわったポイントはありますか? 苦労したポイントもあれば教えてください。
篠崎
ゲーム中の演出や表現は、作品のオリジナリティを尊重し、制作当時のままの内容にしています。“かまいたちの夜”シリーズを遊んだことのある方が、発売当時を思い出してくれたらうれしいです。
――シリーズ1作目、2作目のメインストーリーは、任意のタイミングでプレイできるのでしょうか?(『×3』のプレイの進捗などと関係なく遊べる?)
篠崎
任意のタイミングでプレイ可能です。久しぶりに遊ぶ方が多いと思うので、ぜひシリーズ1作目→2作目→完結編の順番で遊んでいただくことをおすすめします。
――シリーズ1作目、2作目のメインストーリーというのは、いわゆる本編のクリアーまでは、バッドエンドも含めて楽しめるのでしょうか? 『1』のスパイ編、『2』の陰陽編など、本編クリアー後に解禁されるルート以外は、選択肢もそのまま楽しめますか?
篠崎
シリーズ1作目、2作目のメインストーリーにも、バッドエンドが含まれていますので、サウンドノベルの特徴である、選択肢によるシナリオの変化を楽しんでもらえたらと思います。
――追加要素と予約特典に関して、それぞれ実装に至った経緯と魅力を教えてください。
篠崎
“かまいたちの夜”シリーズは、記憶に残る名曲が多いので、“サウンドプレイヤー”でいつでも試聴できるようにしました。また“ドットフォント”に切り替えることで、より懐かしい雰囲気でプレイしてもらいたいと思っています。
予約特典の“かまいたちの夜 アニバーサリーアレンジパック”は、初代『かまいたちの夜』の楽曲を手掛けた加藤恒太さんに、シリーズ1作目のBGMを新たにアレンジしていただきました。
当初はミニアルバムくらいを想定していたのですが、加藤さんのご厚意で“全20曲65分以上”という30周年記念にふさわしいフルアルバムになりました。アルバムを通して聴くことで、ゲームを追体験できるような選曲と構成になっていますので、初代『かまいたちの夜』をやりこんだ人には、ぜひ聴いてもらいたいです。
――この機会に“かまいたちの夜”シリーズを初めてプレイする方も多いと思います。まだ遊んだことのないユーザーに向けて、本作の魅力をアピールしてください。
篠崎
“かまいたちの夜”シリーズはサウンドノベルの中でも、いちばん人気のある作品です。ゲーム自体は古い作品になりますが、名作映画のように、初めてプレイしていただく方にも、普遍的なおもしろさを体験いただけると思います。
――本作の発表を受けて、シリーズのファンであれば『1』や『2』の移植も、期待が高まると思うのですが、今後の可能性はあるのでしょうか?
篠崎
“かまいたちの夜”ファンから多くの声が上がれば、今後検討できるかもしれません。
――“かまいたちの夜”は今年30周年を迎えました。本作の発売のほかに、ファンが喜ぶような施策はあるのでしょうか?
篠崎
“かまいたちの夜~THE LIVE~”という舞台公演が、2024年6月20日(木)から始まります。『かまいたちの夜』シナリオ担当の我孫子先生が監修していて、観客のジャッジによってルートが分岐する仕掛けが用意されています。詳しくはインタビューを読んでいただいて、ぜひ舞台にも足を運んでもらえたらと思います。
――ファンや読者に向けてメッセージをお願いします。
篠崎
いまでも“かまいたちの夜”が話題に上がったり、多数の方がゲーム実況していただいたり、本当にありがたいかぎりです。“かまいたちの夜”30周年という節目にリリースとなりますので、『かまいたちの夜×3』を一から完結編まで通して遊んでみてください。