噂は現実となり、人は“罪”を知る――
それでも自分の中で踏ん切りをつけて「こういう結末なんだ」と納得したら、続編の『罰』が発表されたので「なんなんだよ!」と思った記憶があります(笑)。まぁ、『罰』は『罰』で傑作だったのですが。
この設定はゲームシステムともつながっており、たとえば、「ラーメン屋のおばちゃんが元・女スパイでいまも武器を販売している」などの噂を流すことで、ふつうの飲食店や衣類店を武器屋や防具屋に変えることができました。また、「質はよいが、値段が高い」や「品揃えは豊富だが、下取り価格が安い」といった具合に流す噂の内容を変えられるのもゲーム的でおもしろかったです。なお、噂を流すのも流さないのもプレイヤーの自由なので、噂を流さずに遊ぶこともできました。
キャラクターは主人公の周防達哉や「レッツ・ポジティブ・シンキング」が口癖の元気な記者・天野舞耶、カンフー映画が好きな女の子のギンコ(リサ・シルバーマン)、ヴィジュアル系バンドのリーダーでナルシストなミッシェル(三科栄吉)、花を愛でるのが好きな美少年の黒須淳と個性豊か。
また、パーティメンバーとして加わる黛ゆきのを始め、前作のキャラクターが登場するのもファンとしてはうれしいポイントでした。前作の主人公とマーク、アヤセは登場しませんでしたが、逆に彼らが何をしているのか想像するのも楽しかったです。
そして、エンディングに関しては冒頭にも述べたようにかなり衝撃的なもの。クリアーしたあと、エンディング曲『君のとなり』が流れる中、しばらく放心しました。
本作は2012年にリメイク版が発売。2021年7月20日にはそのダウンロード版が最終プライスダウンの1000円以下で購入できるようになりました。対応ハードはPSPとPS Vitaですが、良リメイクなのでオススメです。ただ、前述の歴史上の人物が違う人物に修正されたりしているので、できればオリジナル版もプレイしてみてほしいところ。もちろん、『罰』といっしょに遊んでみてください!