
30年近く前にいち早く立体視に挑戦
バーチャルボーイは、任天堂から発売された3D立体視対応の据え置き型ゲーム機。ゲームボーイの生みの親として知られる伝説の技術者、横井軍平氏が手掛けたことでも有名なマシンだ。本体は現代で言うVRゴーグルに似たような形状をした“デュアルディスプレイ”で、プレイヤーはこれを覗き込んでプレイする。本体は頭に装着するのではなく、スタンドに据え付けてテーブルに置くのが基本形。ちょうど覗き込みやすい位置にくるため、コントローラーを持つのにも支障はない作りになっている。
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ちなみに任天堂は1987年に“ファミコン3Dシステム”を発売しているが、こちらは液晶シャッター方式の3Dメガネといった感じの周辺機器だった。
バーチャルボーイではデュアルディスプレイの左右の画面に異なる映像を表示させ、その視差によって立体的に見せる方式を採用。これは現代でもおなじみの方式なので、知っている人も多いだろう。ただ、時代が早すぎたのは画面のスペック。画面のカラーは赤と黒のみでゲームボーイの画面に赤いフィルターを掛けたような感じだった。慣れれば何てことはないのだが、いまやフルカラーが当然なのでパッと見の印象はちょっと強烈過ぎるかもしれない。しかし、立体映像としては大したもので当時ファミ通編集部で筆者が遊んだときは『マリオズテニス』や『レッドアラーム』にけっこう感動した覚えがある。
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当時のゲームハードとしてはヒットにいたらなかったものの、その思いや技術はニンテンドー3DSに受け継がれていったのかもしれない。最新の技術で3Dブームのさなかに本機が発売されていたとしたらいったいどうなっていたのか……ちょっと夢想してしまう。
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