サンクチュアリに新たな嵐が到来する。『Diablo IV』(ディアブロ4)初の大型拡張コンテンツ『憎悪の器(Vessel of Hatred)』で追加される新クラス”スピリットボーン”がベールを脱いだ! Blizzard Entertainmentは、メディア・インフルエンサー向けに本社で体験会を開催し、筆者も招待いただき実際にプレイしてきた。今回はその内容を踏まえてスピリットボーンの魅力を解剖していく。
※今回プレイしたものはデモ版になります。製品版では仕様が変更になる可能性があります。ジャングルの守護者、その名はスピリットボーン
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スピリットボーンは、未開の地”ナハントゥ”の奥深くで育まれた戦士たちだ。彼らは、古来よりこの地に棲む守護精霊たちと特別な絆で結ばれており、その力を行使して戦場に臨む。従来のクラスより軽装をコンセプトとしたその姿はまさにジャングルの捕食者。獰猛さと神聖さを兼ね備えた、ほかのクラスとは一線を画す存在感を放っている。
4体の守護精霊の力を宿せ
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スピリットボーンの最大の特徴は、4体の守護精霊を召喚してその力を借りることができる点だ。召喚できる守護精霊は、ナハントゥの人々の信念が具現化した存在であり、それぞれ異なる能力と信念を体現している。
- ラゾガル:俊敏なる狩猟者(ジャガー)- 攻撃速度と機動力に特化し、敵陣に切り込み、鋭い爪と牙で素早い連続攻撃を叩き込む。狩猟本能を剥き出しにした、まさにジャングルの王者の風格だ。
- バラゾン:毒を操る賢者(センチピード/ムカデ)- 毒ダメージと時間経過ダメージを得意とし、敵をじわじわと蝕んでいく。生命と死のサイクルを司る、不気味で神秘的な存在だ。
- クワトリ:精密なる監視者(イーグル)- 遠距離攻撃と位置取りを得意とし、戦場全体を見渡しながら的確に敵を仕留める。その鋭い眼光は、一切の隙を見逃さない。
- ルンバ:不屈なる守護者(ゴリラ)- 強靭な肉体と圧倒的な防御力を誇り、最前線で敵の攻撃を受け止める。絶対的な盾となり強烈な反撃の機会を伺う。
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プレイヤーは自身のプレイスタイルに合った守護精霊を選べるので、パッシブスキルのようなものと考えていい。初期は1体だけだがレベルが上がると同時に2体の守護精霊を装備して組み合わせることができる。近接戦闘を得意とするプレイヤーならゴリラとジャガー、遠距離戦が好きなプレイヤーならイーグルとセンチピード(ムカデ)を組み合わせたり、同じ守護精霊を2体選ぶことで長所に磨きをかけるといった具合だ。
ハイブリッドビルドで可能性は無限大!
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スピリットボーンの真価は2体の守護精霊の力を融合させたハイブリッドビルドにある。各守護精霊は異なる能力を持ち、組み合わせによって相乗効果を生み出す。たとえば、攻撃速度に特化したジャガーと毒ダメージを得意とするセンチピードを組み合わせれば、猛攻と持続ダメージで敵を圧倒できるだろう。
今回の体験会ではレベル30のスピリットボーンで、それぞれの守護精霊をメインに構成された4つのハイブリッドビルドを試すことができた。これまでの『ディアブロ4』では各クラスごとに幾通りものビルドを試せたが、スピリットボーンは従来のビルドに加えて守護精霊を選択できるのでビルドの幅が比較にならないほど広い。同じキャラクターなのに攻撃手段もガラリと変わるのでプレイ感覚もまったく違うのだ。
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たとえばラゾガル(ジャガー)をメイン守護精霊に選ぶと、基本スキルの通常攻撃が凄まじい手数でヒット数を稼ぎ、強化パークによって3発目に近辺の敵を一斉に攻撃できる特殊効果が発動する。攻撃の素早さだけならほかクラスの追随を許さないほどだ。スキルは短距離をダッシュで駆け抜けて通り抜けたすべての敵にダメージを与えたり、奥義はジャガーを召喚して連続攻撃をくり出すなど、機動力と手数の多さがとにかく目立つ。
ここにサブ守護精霊としてクワトリ(イーグル)が組み合わせると、近くの敵を吸い寄せて一気に範囲攻撃を当てたり、回避アクション時に氷の弾丸を発射して遠距離攻撃も対応できるようになる。ルンバ(ゴリラ)なら障壁を持続的に展開し、バラゾンなら毒ダメージを撒き散らしながら体力が回復していく。ふたつのパッシブを組み合わせられることがスピリットボーンの特徴と言っていいだろう。
バランス崩壊級の守護精霊
読者の方々には「一体どの守護精霊がいちばん強いんだ」と気になる方もいるかもしれない。今回の体験会ではその疑問に明確に答えられる“ブッ壊れ守護精霊”がいた。
手数のタイガー? 毒のセンチピード? 遠距離のイーグル? 防御のゴリラ?
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その答えはムカデ(センチピード)だ。あまりにも飛び抜けた強さなのだ。
ためしに4つのビルドそれぞれで同じダンジョンで戦ってみたが、センチピードは勝手に敵が倒れていく。それもそのはず。毒がどんどん拡散し、毒を撒き散らす霧のようなものが、遠くにいる敵に向かって追尾もしていく。そしてまた毒が拡散されていく様はまさに疫病だ。毒の継続ダメージだけでなくスキルのダメージも高い。しかも毒で与えたダメージがスピリットボーンのHPに変換されるので、敵が多ければ多いほど回復量が増えていく。棒立ちしているだけで敵は勝手に倒れるわ、自分は回復するわで無敵状態。
ダンジョンボス戦では、ジャガー、イーグル、ゴリラのビルドだと各スキルを駆使して数百ダメージを与え続けてボスを倒せたのだが、センチピードビルドだけ1と2のスキルを使っただけで17000以上の一撃を出して瞬殺してしまった。奥義スキルは召喚した巨大なセンチピードがぶっとい毒のビームを吐いて援護してくれるのだが、悲しいことにセンチピードが出現するまでのラグのあいだにほとんどの強敵が倒れている。
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まだレベル30のワールドティア2程度の難度でのプレイなのだが、あからさまにセンチピードが強すぎた。ほかの守護精霊はあの手この手で戦い抜く難易度にあったバランスなのだがセンチピードだけは世界が違う。エンドゲームに突入しても装備さえ更新すればそのまま運用できてしまう感じだ。圧倒的な強さは実感できるが、ワケがわからないうちに全部倒せてしまうので、それが楽しいかといわれるとちょっと頭を傾げてしまうのが正直な感想。
開発陣もセンチピードの強さは認識しているようで、おそらく製品版までには調整が入るだろう。ジャガー、イーグル、ゴリラもそれぞれにポテンシャルは感じるので、製品版ではちょうどいいバランスに仕上げていて欲しい。ただ同時にあの壊れた強さを体感して欲しい気持ちもある。
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拡張コンテンツ『憎悪の器』では、スピリットボーン用に新たなレジェンダリーアスペクトが多数追加される。これらのアスペクトは、特定のスキルや能力を強化するだけでなく、守護精霊の力をさらに引き出す効果も期待できる。プレイヤーは、守護精霊の組み合わせとアスペクト、そしてスキルの組み合わせによって、まさに無限の可能性を秘めたビルドを構築できるのだ。
ここからはスピリットボーンの制作に携わったゲームディレクターのブレント・ギブソン氏と、デザイン面を制作したニック・チラノ氏を囲んだ合同インタビューをお届けする。
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――今回プレイしたビルドでは、センチピードがとにかく強く感じました。製品版までにバランス変更の予定はありますか?
ブレント
今回プレイしていただいたビルドは、まだ制作途中のビルドでして、ファーストパーティに認証提出する瞬間までバランスを調整していくつもりです。本日のような体験会では、皆さんから直接フィードバックが聞けるので、開発ではとても重要な機会です。スピリットボーンがほかの5クラスといっしょに並んでも遜色なく、しっかりとディアブロの世界観に馴染むクラスにしていきたいです。
――今回はレベル30のキャラクターで遊びましたが、パラゴンを開放するにあたってスピリットボーンはもっと特徴的なものになっていくのでしょうか?
ブレント
現在の『ディアブロ4』はシーズン4でアイテム関連に調整が入りまして、理想とするビルドを早い段階から制作できるようになっています。パラゴンについてお話はできませんが、レベルが上っていくにつれてビルド選択やレジェンダリー装備を交えて、ユーザーの方々の理想のビルドがエンドゲームに向けて作れるように仕上げていくつもりです。
――“憎しみの器”を所有していれば、DLC解禁直後からスピリットボーンを使用できますか?
ブレント
最初から選択できます。ゲーム本編のストーリーをスピリットボーンで1からプレイすることもできますし、本編をスキップして”憎しみの器”のストーリーから始めることも可能です。
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――4体の守護精霊がいますが、ジャガー、イーグル、センチピード、ゴリラを選んだ理由はなぜでしょうか?
ニック
スピリットボーンはハイブリッド型のキャラであり、各守護精霊に相互関係があります。開発初期はさまざまなコンセプトが存在していましたが、現在の姿が見え始めてきたころに各プレイスタイルにあった精霊を選びました。
たとえばセンチピードからは恐怖、毒、神、支配といったコンセプトに近いイメージを感じました。個人的に虫が体を這い回るなんて恐怖でしかありませんしね(笑)。同じようにほかの守護精霊もゲームプレイに相応しい繋がりが生まれていると思います。
――現実の神話体系を基にしたわけではないということでしょうか?
ニック
サンクチュアリは、独自の歴史、伝承、世界があるというユニークな空間にいるので現実のものは参考にしていません。ゲーム内にある伝承を利用していますが、必ずしも私たちはいつもその伝承に沿っていくわけではありません。私たち目線では新しいものに見えますが、ディアブロの世界観では世界の一部であり、伝承の一部です。
――スピリットボーンはビルドの幅がほかクラスよりも広いのですが、その分理解も難しくなっています。チュートリアルのようなものは用意されていますか?
ブレント
私がスピリットボーンについて気に入っている点は、各守護精霊が明確なプレイスタイルを表していることです。既存の5クラスは成長していくにつれてプレイスタイルが明確になっていきますが、一方、スピリットガーディアンは非常に親しみやすいクラスであり、個々の守護精霊を理解するのは非常に簡単です。しかし、守護精霊を複数扱うようになってからはクラスの理解度が求められるようになってきます。そのため、学習は簡単ですがスピリットボーンの真の可能性を習熟するのは信じられないほど複雑になる可能性があります。
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――おふたりのお気に入りのビルドをご紹介ください。
ニック
毎月のようにゲームビルドが変更されているのでお気に入りも毎月変動しています(笑)。最新ゲームビルドではジャガーとセンチピードの組み合わせを気に入っています。ジャガーのスキルでフィールドを駆け巡りながら大ダメージを与えたり、ちょっと一息ついて敵が勝手に壊滅していく様を眺めるのは爽快です。
ブレント
私はまずひとつの守護精霊を極めようと同じ守護精霊だけをプレイし続けていました。その段階が終わったのでハイブリッド型をいろいろ試してみて現在はセンチピードとゴリラに落ち着いています。ゴリラは敵を攻撃して障壁が付与され、被弾することで反射ダメージを与えていきます。センチピードは広範囲の毒ダメージで敵を倒しながら自分を回復できるので、両者は相性がとてもいい仕上がりになっています。
――『ディアブロ4』には近接職と遠距離職がありますが、スピリットボーンはどちらのプレイスタイルの方に遊んでほしいでしょうか?
ブレント
ほかのクラスは各々のプレイスタイルに非常に深く入り込むことができますが、つねに少し盲点があります。そして私たちはそれが好きです。なぜなら、それが各クラスをユニークにするからです。
スピリットボーンで私たちがしたことは、それらの両方のことで本当に得意になることはできないクラスを作成することです。しかし、どちらかをメインにして、その盲点を少し埋められるハイブリッドビルドを作成することができます。そのため、多様性と深さのバランスを見つけて、ほかのクラスを裏切らないようにする必要がありますが、ほかのクラスよりも少し柔軟性があります。そこがこのクラスの素晴らしさです。つまり皆さん遊んでください(笑)
――スピリットボーンのジャガーの被り物のキャラクターアートがとてもかっこいいのですが、コンセプトやこだわりはありますか?
ニック
スピリットボーンのコンセプトではたくさんの種類がありましたが、クラスのファンタジーに磨きをかけていくと、すべての重要なポイントを理解でき、象徴的な外観がどのようなものであるかを理解しました。それがジャガーの兜、ガントレット、グレイブのようなものでした。
そこからはどんどん当たりのアイデアが見つかっていきました。たとえばある時にスピリットボーンの目の色を光らせたいというアイデアが出てきて、それではどの色でどのように光らせるかなどの議論を重ねていきました。このような議論を何度もくり返していき、コンセプトのキーアートに反映し続けていくことで、最終的なキーアートが完成しました。完成品を初めて見たときはとても自然で、まるでこう仕上がることが当然だったように思います。何度も議論を重ねて作品を作ることがこだわりです。
――『ディアブロ4』は各シーズンごとに全クラス共通のコンセプトのスキンが提供されています。一方でスピリットボーンはほかクラスよりも軽装という特徴があるのですが、スキンのコンセプトが優先されるのでしょうか? それともスピリットボーンの特色が優先されるのでしょうか?
ニック
キャラクターのビジュアルアイデンティティのような特色を持つように常に心がけています。そして、スピリットボーンも変わりません。確かに、シーズンやコンテンツに合わせてファンタジーとテーマがあります。しかし、それは各クラスの強力なアイデンティティの上に構築されています。それらはこれまでの視覚的なバリエーションを通しても、一定の維持をしています。スピリットボーンも変わりません。
たとえば、異なるデザインや異なるファンタジーを行っていても、脚が開いていて胸が開いている状況がまだ見られるはずです。私たちは、クラスに非常に象徴的なこれらのものを維持して、今後もデザインしていくように務めます。