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地下100万階を目指すローグライクアクション『Million Depth』。じっくり考えながら遊べるアクションや、やりこみ甲斐のあるクラフト要素など、斬新なシステムに注目【BitSummit Drift】

by半蔵門アラタ

更新
地下100万階を目指すローグライクアクション『Million Depth』。じっくり考えながら遊べるアクションや、やりこみ甲斐のあるクラフト要素など、斬新なシステムに注目【BitSummit Drift】
 2024年7月19日~21日の期間、京都・みやこめっせで開催されたインディーゲームの祭典“BitSummit Drift/ビットサミット ドリフト”。バラエティに富んだタイトルが展示されていたイベントの中から、本記事ではCyber Space Biotopeが開発している『Million Depth』(ミリオン デプス)を紹介していく。
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パラメータに依存しない強さを表現したクラフトは時間が溶けそう

 地球を舞台に、地下100万階を目指す横スクロールタイプのローグライクアクションゲーム。

 宇宙に住んでいた主人公の“モマ”は、突如通信が途絶えてしまった“キミ”を探すため、地中奥深くを目指す冒ことになる。ゲームの流れとしては、たどり着いた階層で敵などを倒しながら奥へと進んでいき、その階層をクリアーするとさらに奥の階層へと進めるというのをくり返していくような形だ。
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作中では、人々は地上ではなく地下で暮らしていたらしい。ステージを進んでいくと、過去の人間たちが残した記録や文明の痕跡などがあり、地球になにが起こったのかというのも断片的に知ることができる。
 本作のなかでかなり特徴的だったのが、戦闘とクラフトのシステム。

 戦闘は“キャラクターを動かしていない間は敵の動きも止まる”という形になっていて、たとえ敵の攻撃が飛んできている途中でも、こちらが動かなければ敵の攻撃も止まる。止まっている間に「この攻撃は移動で避けて、こっちの攻撃はジャンプで避けよう」というように作戦を考えることができるので、つねにキャラクターを動かすアクションゲームという感じではなく、じっくり考えながら遊べるようなデザインとなっていた。
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敵の攻撃にはダメージ数が表記されていて、どの攻撃を食らうとマズいのかが一目瞭然。
 敵を攻撃する武器を作成するクラフト要素もかなり斬新。

 クラフトでは入手したパーツを自由に組み合わせてオリジナル武器が作成できるのだが、作成した武器は形によって強さが変動する。たとえば、武器の攻撃力は凸凹な部分が多いほど上がり、細長く作れば移動速度が速くなるといったように、制作した武器の形が武器の強さに影響してくる。
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画像のように制作した武器のなかの凸凹な部分があるほど、武器全体の攻撃力が上がる。また、武器の当てる位置によってもダメージが変わり、武器のなかでもトゲなどの固有の攻撃力を持つ部分を敵に当てればよりダメージが出せる。
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パーツは特定の組み合わせで並べることでアップグレードされて能力が向上する。
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武器は細長ければ移動速度が速くなるといった要素も。
 かなり凝ったものとなっているこのシステムについて開発者の方に聞いたところ、これは“パラメータに依存しない強さ”を表現したシステムなのだそう。

 形によって武器としてのパラメータは上げられるものの、攻撃力を上げようとしすぎて歪な形になってしまうと移動速度が遅くなってしまったりといったデメリットもある。なので、多少攻撃力を犠牲にしたデザインのほうが戦闘では使いやすい場合もあり、“パラメータ以外の部分も意識したクラフトが必要になる”というシステムが実現されている。
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右と左の武器は同じ素材を使用しているので防御力は同じ。しかし、攻撃を防いだときに左は形状的に脆く、すぐに壊れてしまう。どんな形にするかというのもクラフトする上では重要だ。
 クラフトした武器は、プレイヤーが操作できる追尾灯(リング)にセットすることが可能。

 試遊では、マウスドラッグした場所にリングが向かっていくという操作になっていて、敵に直接当てて攻撃したり、敵の攻撃を武器に当てて身を守るといった使いかたができた。
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リングは自由に動かせるので、天井にいる敵も攻撃可能。
 敵を倒しつつ階層の奥に到着すると、所持している酸素を消費して次の階層へ移動できる。

 表示されている階層で行きたい場所が無かった場合は、バッテリーを消費して新たなルートを探すこともできるので、酸素とバッテリーというリソースをステージで集めながらより深部へと目指していく。
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次に行ける階層はサーチ結果として表示され、酸素を消費するほど奥の階層へと進むことができる。選べる階層にはどんなものが入手できるかが表示されている場合があり、サーチ結果と所持している酸素量を照らし合わせながら次に進む階層を選んでいく。
 実際にプレイすると、戦闘ではキャラクターと武器のを両方を操作するので、最初は少々苦戦したのが正直なところ。

 しかし、
動きが止まるシステムがあるおかげでここは攻撃をひたすら避けて、武器で攻撃していこうといった作戦も考えやすく、じっくり考えられる本作のアクションシステムはかなり新鮮。自由度の高いクラフト要素もやり込み甲斐があり、所持しているパーツで最適解を探そうものなら、これだけでも相当な時間が溶けてしまいそうな印象だった。
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防御力の高いパーツに、申し訳程度のトゲをつけただけという不細工な武器が出来上がってしまった筆者。もっと機能的かつカッコいい武器を作りたかったが、その野望は製品版のリリースまで温めておく。
 開発者の方に話を伺ったところ、本作はストーリーにも力を入れている作品だそうで、製品版では3つルートからなるマルチエンディングが実装予定とのこと。

 また、くり返し楽しめるように、同じ階層でもプレイするたびに内容が変わるといった要素も予定されているそうだ。
 
 
音楽にもこだわりがあり現状30曲くらいが出来上がっていて、完成版では50曲は入れたいとのこと。逆にこだわっていない部分を聞きたいくらい欲張りな作品となっている本作だが、「“好きな要素を詰め込みつつ、ゲームとして崩壊しないように”というのを目標にチャレンジしている」という高い志で作品が作られていることも話してくれた。製品版が非常に楽しみだ。

 本作はSteamで発売(2024年予定)したあと、Nintendo Switchでも発売が予定されている。現在Steamのストアページが公開されているので、気になった方はウィッシュリストに登録しておこう。
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