※本記事は、2023年9月2日にアップした記事を再編集したものです。「あの世で 俺にわび続けろ オルステッドーーーーッ!!!!」
1994年(平成6年)9月2日は、スーパーファミコン用ソフト『ライブ・ア・ライブ』が発売された日。本日で発売から30周年の節目を迎えた。
『ライブ・ア・ライブ』は、スクウェア(当時)から発売されたRPG。『半熟英雄』で有名なゲームクリエイターの時田貴司氏が初めてディレクションした作品でもある。オムニバス形式で展開する物語が大きな特徴になっており、各シナリオのメインキャラクターデザインを7名の漫画家が担当したことも当時注目を集めた。熱心なファンが多く、長年待ちに待ったHD-2Dリメイク版『ライブ・ア・ライブ』が2022年に発売されたばかり。
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本作いちばんの魅力は、やはり7つ+αのオムニバスシナリオになるだろう。プレイする順番は決まっておらず、プレイヤーが任意に選択することができた。メインキャラクターのデザインは前述の通り全員漫画家で青山剛昌氏、石渡 治氏、小林よしのり氏、島本和彦氏、田村由美氏、藤原芳秀氏、皆川亮二氏という現在も一線で活躍する豪華な顔ぶれだ。
オムニバスと言っても単純に異なるストーリーが楽しめるだけでなく、システムそのものもシナリオごとに変化を持たせてくれていたのには驚かされたんじゃないかな。
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たとえば“現代編”はほぼバトルのみで構成された短いエピソード。対戦相手を決めると、まるで格闘ゲームといった風情の掛け合いの後、すぐに対決になるのだからビックリ。もちろん倒した後のボコボコになった顔のセリフまである。
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“西部編”は『七人の侍』を元にした『荒野の七人』や『マグニフィセント・セブン』のオマージュのような内容。襲い来る悪党たちに備えて罠を張り巡らし、手下の数を減らしてボスに挑む。制限時間の中で罠の材料を掻き集めていくのだが、これがかなりの緊張感でシビれてしまう。時間切れで思うように戦えず、何度かやり直したなんて人もいるんじゃないだろうか。
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“原始編”はまさかの会話表示がいっさいなし。言語がない時代ということで、イラスト表示や動きなどで伝達を行うのがユニークだった。フィールドにいるはずの見えない獲物の匂いを辿り、敵を探し当てるシステムも原始時代っぽさがあってよかったのではないかな。
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このようにシナリオごとに特色があるのは、現代においても相当珍しいんじゃなかろうか。プレイヤーがどう行動するかでバッドエンドや番外編のような展開になることもあって、何度も遊びたくなるような仕掛けが盛りだくさんなのも魅力だった。
また、数々のやり込み要素が仕込まれていた点もニクいところだ。“幕末編”では不殺を貫く“0人斬り”や逆に全員切り捨てる“100人斬り”といった隠し要素が存在。広い城内マップを記憶するのはもちろん、どこでどんなイベントが発生するかもすべて把握して何度もチャレンジしたんじゃないだろうか。ラスボスよりも強い隠しボスなんかもいたので、果敢に挑んだプレイヤーも多かったはず。
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音楽は『キングダム ハーツ』シリーズなどで知られる下村陽子氏が担当していて、本作がスクウェアでのデビュー作品になるそうだ。
人気楽曲も多く、当然ながら各シナリオにマッチしたアイデアが盛り込まれているので必聴だ。なかでもボス戦で象徴的に使われる『MEGALOMANIA』は、『ライブ・ア・ライブ』の代表曲と言っても過言ではないだろう。流れるタイミングも素晴らしく、筆者は聴くといまでも胸が熱くなる。
“近未来編”には劇中歌『Go!Go!ブリキ大王!!』というものが登場し、これもまたかなり燃える歌詞&曲調になっているのだが、楽曲の誕生に1994年当時のファミコン通信が関わっていたらしく、知ったときはなかなかに衝撃だった。
「あの世で 俺にわび続けろ オルステッドーーーーッ!!!!」という名台詞もネット界隈では非常に有名。もしかすると元ネタが『ライブ・ア・ライブ』だと知らずに、使っていたという人もいるかもしれない。
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冒頭にも書いたが、2022年にNintendo Switch、2023年にプレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)でHD-2Dリメイクされた『ライブアライブ』が発売。スーパーファミコン版のイメージを崩さずに遊びやすさなどを現代的にパワーアップし、ボイスも収録されている。いま本作を遊ぶならこちらの作品がおすすめだ。
※画面には一部HDバーチャルコンソール版が含まれています。