
メーカーのイメージとはかけ離れた存在でありながら、多くのファンを生んだ傑作
『ジルオール』は『信長の野望』や『大航海時代』といった硬派なシミュレーションや『アンジェリーク』のようなネオロマンス系のイメージが強かったコーエー(現コーエーテクモゲームス)が発売したファンタジーRPG。メインキャラクターデザインに『ウィザードリィ』などで知られる末弥純さんを起用しており、プレイヤーの数だけ冒険があるフリーシナリオのシステムや、育てかたしだいで得意な戦いかたが大きく変化する育成システムなどが評価され、コアなファンを生んだ作品です。
筆者が惹かれたのは、最初は野盗退治や商人の護衛を請け負うような一介の冒険者から始まり、やがて世界全土を揺るがすような事件に関わる重要な人物になっていく展開や、物語を彩る壮大な音楽。戦争の結果といった大きな歴史は変えられないものの、自分が関わったことでキャラクターの生死が変わるため、ひとりのキャラクターとして歴史に関わっている気分を味わうことができ、本作の奥深い世界設定にハマっていきました。
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前述したように自由度の高い冒険が魅力で、旅の途中に目の当たりにする国どうしの戦争や貴族どうしの政争をに参加することもできますし、無視をすることもできます。参加する場合はどちらの軍勢につくかを選べるので、選ばなかったほうを選択していたらどうなるか気になって何度も周回プレイをしたくなる魅力を持っていました。
仲間になるキャラクターは飲んだくれのドワーフ・デルガドや高飛車な性格をしたエルフのフェティ、魔法の実験で通っていたアカデミーの校舎を爆破して追放されたユーリスなど、たくさんのキャラクターが存在。彼らには好感度があり、それぞれのエンディングも存在するため、恋愛ゲームとしても楽しむことができました。
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- Brave(勇敢さ)
- Kind(優しさ)
- Search(探究心)
- Belief(信仰)
- Wild(野生)
- Cool(冷静さ)
ソウルは全部で26種類。同じキャラクターであっても、育て方しだいで得意なことが変わってきます。たとえば、回復が得意なドワーフも作れますし、ムキムキのエルフも作ることが可能です。また、特定のソウルパラメーターを上げすぎると入手不可能になる上級ソウルがあるのもおもしろかったですね。
本作は2005年6月23日にプレイステーション2(PS2)で『ジルオール インフィニット』としてリメイク、さらに2009年1月22日にはプレイステーション・ポータブル(PSP)で『ジルオール インフィニット プラス』として再リメイクされました。さらに2010年11月25日にはプレイステーション3(PS3)で過去の世界を描く『トリニティ ジルオール ゼロ』も発売。
しばらく新作が発売されていませんが、コアなファンも多い作品ですし、復活してくれるとうれしいですね。