
上下を逆さにできるユニバーサルデザイン
Atari Lynx(以下、リンクス)は、海外メーカーであるアタリの家庭用ゲームやパソコン部門を担う会社アタリコープから発売された携帯型ゲーム機。同年発売のゲームボーイが築いた牙城を突き崩すことは叶わず、日本では知る人ぞ知るゲームハードに留まってしまったが、世界初のカラー液晶を採用した16ビットの高性能マシンとしてゲーム史にはその名前を刻んでいる。
アタリと言えば、今年(2024年)8月に新ハードとして“Atari 7800+”を発表してオールドゲーマーたちの度肝を抜いたニュースが記憶に新しい。アタリコープが1980年代に発売した据え置き型ゲーム機Atari 7800の互換機が、昨年の“Atari 2600+”に続いて登場するのだから、人生何が起こるかわからない。
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正方形に近い形状のカートリッジを本体左側から挿入するのだが、本体とは反対にめちゃくちゃ薄く、伝わるかわからないがカレ・ド・ショコラくらいしかなかった記憶がある。聞くところに寄るとカートリッジがやたらと外しにくかったらしく、形状が変化して最終的には上部が少しカーブして指を引っ掛けやすく進化していったとか。
ユニークだったのはA、Bボタンが本体上下にふたつずつ付いている点。なんとリンクスは上下を逆さにして持つことが可能で、左利きのプレイヤーでも何ら違和感を覚えることなくプレイできた。誰もがプレイしやすいようなデザインを採用するとはなかなかに先進的だったのではないかな。なお、個人の感想になるのだが……リンクスには本体を縦にしてプレイするゲームもあるが、それはちょっと持ちにくかった。
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冒頭でリンクスは高性能マシンと書いたが、それは携帯型ゲーム機でありながら本体に拡大・縮小・回転機能を備えていたからだ。同機能はスーパーファミコンのセールスポイントとしてあまりにも有名だが、約1年ほど早くリンクスが採用していたことはあまり知られていない気がする。通信ケーブルをつなげば8人までの同時プレイも可能だった。
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