携帯用アプリとして展開していたシリーズがニンテンドーDSに登場
2005年(平成17年)3月24日は、ニンテンドーDS用ソフト『探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件』が発売された日。本日で発売から20周年を迎えました。
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『探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件』は、元気による『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズのひとつ。もともと携帯用アプリとして展開していたシリーズに、多彩な新規要素が加えられた作品です。音楽も後述の石山貴也氏のほか、三留一純氏と光田康典氏が参加。プレイ時間もそれまで1、2時間くらいの短編だったものが、10時間以上のボリュームとなっています。なお、ゲーム本編の発売に先駆けて携帯アプリで『仮面幻影殺人事件イントロダクション』も配信。こちらは無料でプレイできました。
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本シリーズはスクウェア・エニックスで『パラノマサイト File 23 本所七不思議』を手掛けた石山貴也氏が元気に所属していたときに制作したアドベンチャーゲームでもあります。『探偵・癸生川凌介事件譚』と『パラノマサイト』は世界観は別物ですが、キャラクターとの掛け合いなど雰囲気は似ている部分はありますね。
ちなみにG-MODEアーカイブス+『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズのSteam版配信と『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の発売を記念したコラボレーションムービーも制作されています。こちらは石山氏自身が制作しており、ここだけの豪華な内容になっているので、まだ観たことがない人はチェックしてみてください。
さて。本作のストーリーは、主人公でシナリオライターの生王正生(いくるみ まさお)のもとに、新作ネットワークゲーム“ミスティ・オンライン”のβテストへの招待状が届いたところからスタート。
“ミスティ・オンライン”は、実在する街によく似た世界で起こる事件を仲間とともに解決していくMMO。生王は癸生川探偵事務所の白鷺洲伊綱(さぎしま いづな)とともに架空の殺人事件に挑戦しますが、高所から転落死したという設定だった“死体役”のプレイヤーから応答がなくなって……という展開です。
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物語は、現実で起こった放火による一家惨殺事件と深夜の通り魔事件、そしてオンラインゲーム内で起こった飛び降り事件が複雑に絡み合っていきます。それぞれバラバラだった現実と仮想、過去と現在というピースが交錯していく様子がとてもよくできていておもしろかったですね。ミステリー好きの筆者も大満足でした。
また、作中でキャラクターがプレイすることになる“ミスティ・オンライン”は当時のMMOの雰囲気を上手に再現していて、顔文字の多いチャットなど“ネトゲあるある”が満載でした。見た目がローポリの3Dモデルであるがゆえに、ホラーな展開になるときは想像力を働かさられて言い知れぬ恐怖を感じたほどです。
上画面にMMOのキャラクターたちがしゃべっている一方で下画面で現実の伊綱がその会話内容について考察したりと、2画面を生かした構成もニンテンドーDSならではでした。
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『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズは、事件が解決に向かおうとするところで探偵の癸生川凌介(きぶかわ りょうすけ)がそれまでの展開をひっくり返して驚きの推理で真相を暴いていくのがお約束ですが、本作にもその展開が。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、癸生川が最後にいいところを持っていきます。この驚きの内容はゲームで確認してみてくださいね。
犯人を特定したあとに待っている展開は手放しに事件の解決を喜べるものではなく、犯罪について深く考えさせられる社会派の内容でした。ポップなイラストやキャラクターたちの軽快なやり取りとのギャップもあり、クリアー後も心に刻まれ続ける結末です。
現在はG-MODEアーカイブス+でスマートフォン向けに逆輸入されたものがプレイ可能。イントロダクションもしっかり収録されています。ただ、オリジナルのニンテンドーDS版もタッチペンを使った操作や2画面を使った演出など、ここでしか味わえない魅力があるので、機会があったら触ってみてほしいです。