コナミデジタルエンタテインメント(以下、KONAMI)が、同社のサービスの一部に、NTTドコモ(以下、ドコモ)のdポイントを採用することを明らかにした。
ご存じの通りdポイントは、お店やネットでの買い物につかえるポイントサービス。買い物をしてポイントをためたり、たまったポイントを買い物でつかったりすることが可能だ。KONAMIでは、2025年3月27日より同社のポイントプログラムであるパワスピ・ポイントクラブでdポイントを連携。KONAMI Gamesストアで対象のタイトルの商品を購入することで、パワスピ・ゴールドに加えて、dポイントもたまるようになる。ポイントの連携は、ゲームユーザーにどのような効果をもたらすのか。両社のキーパーソンに聞いた。
(聞き手:ファミ通グループ代表・林克彦)
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和田直人氏(わだなおと)
コナミデジタルエンタテインメント
パワスピ・ポイントクラブ ディレクター
(写真/左端・文中は和田)
田村哉太氏(たむらかなた)
コナミデジタルエンタテインメント
パワスピ・ポイントクラブ プロデューサー
(写真/左からふたりめ・文中は田村)
真柴智宏氏(ましばともひろ)
NTTドコモ
コンシューマサービスカンパニー
カスタマーサクセス部
アライアンス戦略担当部長
(写真/右からふたりめ・文中は真柴)
須田将行氏(すだまさゆき)
NTTドコモ
コンシューマサービスカンパニー
カスタマーサクセス部
アライアンス戦略担当課長
(写真/右端・文中は須田)
※本記事はNTTドコモの提供でお送りします。ゲームとリアルの融合に取り組んでいく必要がある
—— KONAMIとドコモが連携するにいたった経緯を教えてください。
田村
いちばん最初にお話したのはもう、1年以上前ですね。ドコモさんが、スポーツIPなどのエンタメ領域に積極的に取り組んでいらっしゃり、何かシナジーを起こせないかと、漠としたお題でお話をさせていただいたのがきっかけです。それがちょうど1年くらい前のことです。
真柴
当初の打ち合わせのメインテーマは違いましたね。それがいつしか、ポイントの連携がメインになっていました。
和田
巡り合わせですね。パワスピ・ポイントクラブ自体は2021年に導入しているのですが、ゲームアイテムを中心にグッズやサービスを提供していました。ですが、ご存じの通り野球は地域性もあるし、ファン層も幅広い中で、当社の野球ゲームは一方向だけのアプローチしかできていないのではないか、との思いがありました。
つぎのステップとして、より多くのお客様に満足していただけるサービスを展開するためには、世の中に広く使われているサービスとの連携が必要だと思い模索していました。その中で、ドコモさんとお話しする機会があり、ゲームアプリと相性もよいと思い、いち早く導入する運びとなりました。
真柴
最初にKONAMIさんとお打ち合わせをしたときに、今後支払い方法に関して、お客様の選択肢も増えることにもなるという話もさせていただきました。私たちのポイントをさらにお客様に還元して、そのポイントをゲーム内で使用していただくというCRM(顧客関係性マネジメント)をごいっしょに実現できる環境が整いそうだなと判断しました。私たちのデータがビジネスのご支援にご利用いただけるものになるということで、私たちも大きな可能性を感じました。
和田
ちょうどKONAMI社内でも、今後はパーソナライズ(※)していくことがすごく大事になってくるのではないかと議論していたのですが、その見地からも今回の取り組みは効果的なのではないかと判断しました。これからは、ゲームを遊ぶことが、より生活に密着した身近な環境につながるような、リアルとの融合に取り組んでいく必要があります。dポイントとの連携は、その一環となります。
※パーソナライズ……企業がユーザーの属性や趣味嗜好、行動データ履歴などのデータに合わせて情報提供すること。――パーソナライズですか?
田村
これはゲームに限らずの話になってしまうかもしれないのですが、いまいろいろなデジタルサービスを見たときに、パーソナライズされてきているというのは、日々すごく感じています。たとえば、音楽系のサービスがユーザーの嗜好にピッタリマッチした楽曲をレコメンドしてくれるというのは、その最たるものですよね。
ゲームについて考えてみると、本当にたくさんの選択肢をお客様に提供し続けていて、それをお客様が選んで遊んでいく形になっています。それはそれで楽しいのですが、一方で、頭を一生懸命使わないと遊べないといったことがあるのかなと思ったときに、レコメンドしながらパーソナライズされたものをご提供していくという方法論も、もしかしたらあるのではないかと、ずっと思い続けてきました。
ある小売業の方がテレビでおっしゃっていたのですが、 “マスから個へ”ですね。私たちのゲームも、“マス”としていろいろなお客様が遊びにきてくださっていて、よりパーソナルな領域に入り、より深みのあるサービスや選択肢をご提供していくということを目指していきたいと思っています。
──どういったものを提供したら、より喜んでもらえるのかということを、データも含めてさらにしっかりと分析していく必要があるということですね。
田村
そうですね。ゲームというのは、まったく同じルールで同じコンテンツをお客様に提供するということが大前提としてあると思うのですが、そこから一段違う選択肢を提供していくことに取り組んでみたいと考えています。
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――『プロ野球スピリッツA 』や『実況パワフルプロ野球』、『パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード』を遊んでいるユーザーにしても、同じ野球ファンとひと口で言っても、嗜好は人それぞれでぜんぜん違いますよね。箱推しの人もいれば、選手推しの人もいますし、テレビで見るのが好きな人もいれば、野球場に足を運ぶのが楽しいという人もいます。本当にバラバラですね。
田村
本当にバラバラです。パワスピ・ポイントクラブを運営していると、それが如実に感じられます。ずっと昔から野球が好きだというお客様もいれば、『プロスピA』で野球のルールを覚えたというお客様もいます。そういった方々に、ゲームを通してさまざまな選択肢をご提供したいです。
──リアルとの融合といったこともあるかと思いますが、その点ドコモはどのように考えていますか?
須田
リアルとの融合という意味で言うと、少し前にKONAMIさんが、パワスピ・ポイントクラブで𠮷野家さんとのキャンペーンを展開されていたのがとても印象深かったです。
私たちのdポイントにもさまざまな加盟店さんがいらっしゃいまして、そこにKONAMIさんのコンテンツを訴求することで、IPのユニバース自体を広げていくことにも貢献できるのではないかと思っています。
ドコモのスローガンに、“つなぐ”というのが入っているのですが、もともと携帯電話事業者ということで、人と人とをつないできたところがあります。私たちのいまのビジネス領域で言えば、加盟店様と加盟店様をつないでいくことで、よりゲームの世界の広がりにもつながっていくのではないかと。さらには、野球のファン層と私たちの加盟店様をつないでいくことは、地域創生にもつながるし、ゲームをより楽しくプレイしていただくことにもつながるのではないかと考えています。
真柴
最初にKONAMIさんとお会いしたときのミーティングでは、「野球ゲームを遊んでくださっているユーザーさんはどんな方なのか?」ということも話題になりました。それで、実際に私たちのデータを分析したところ、 “中学生や高校生が多く、週末に野球場を訪れている人たち”がとても多かったんです。
要は、部活で熱心に野球に取り組んでいる方たちが、多くいたんですね。私たちのデータがビジネスのご支援にご利用いただけるものになるということを、私たちが感覚として持てたんですね。それが、私たちにとって興味関心に変わっていったという感じです。
――KONAMIとしても、そういったデータを提供されて気付くことが多かったのですね。
田村
そうですね。当たり前のことですが、けっきょくゲームはおもしろいかどうかがすごく重要です。ゲーム開発者が、おもしろい、おもしろくないを苦悩しながら舵取りをしています。
一方で、お客様の実際の動きであったりをデータとして提供していただくことで、これまで私たちが感覚的に取り組んでいたものが、確信を持ちながら、自信を持ってサービスをお届けできるというのは、とても大きな意味を持ちます。
――まさに、One to Oneマーケティングの重要性がより増していくということですね。
田村
お客様にとって、ゲームがどんどんパーソナルなものになっていくのかなと考えています。私たちは、よく“人格”という表現を使うのですが、お客様の人格がそこにあるという感じです。その人格にはいろいろな考えかたがあって、友だちとのつながりもある意味お客様の“人格”かもしれないし、ゲームでのランクもある意味で“人格”かもしれません。家族とどういう関係にあるのかといったところも、お客様の“人格”ですよね。
そういう意味では、リアルとバーチャルがどんどん掛け合わされた世界観になっていくのだろうとは思っています。それをよりリアルに、私たちのゲーム側でも表現していくといったことを、どんどん起こしていけたらいいという思いはあります。そのため、これまでとは違う体験の形を、いまは考えています。
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デジタルコンテンツ業界にdポイントを普及させたかった
――パワスピ・ポイントクラブでdポイントが使えるようになるとのことですが、具体的にどのようなことができるようになるのか、教えてください。
和田
今回の連携は、パワスピ・ポイントクラブの中で、KONAMI IDとドコモさんのdアカウントのIDを登録して連携していただいたお客様に対してのサービスとなります。KONAMIでは、Gamesストアという自社決済サイトを運営しているのですが、その中で、野球モバイルゲームの野球3タイトル、『プロ野球スピリッツA』、『実況パワフルプロ野球』、『パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード』に関して課金などをしていただくと、私たちが提供しているパワスピ・ゴールドに加えて、さらにdポイントがたまるようになります。
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KONAMIのモバイルゲーム『実況パワフルプロ野球』。
—— プラスでたまるのですね。
和田
はい。かつ、何かを買うときにdポイントで購入もできます。Gamesストアで、ドコモさんのdポイントがたまるし、つかえるということですね。さらに、他社様との取り組みとしては初になるのですが、dポイントをパワスピ・ゴールドに交換することも可能になります
—— ポイントを移行できるのですか?
和田
決済にはある程度まとまったポイントが必要になるケースもあるかと思うのですが、少しだけ残っているdポイントをパワスピ・ゴールドに交換していただいて、使用していただくという環境もご用意できたかなと考えています。たとえば、自分自身も経験があるのですが、アプリ内でガチャを引きたいけど、ちょっとポイントが足りないというときに、dポイントをパワスピ・ゴールドに変えてもらって、ということも可能になるわけです。
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『パワフルプロ野球』シリーズで人気のモード“栄冠ナイン”にフィーチャーした『パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード』。
—— とても利便性が高そうですね。
和田
はい。お客様の利便性の向上を目指して、ドコモさんにはいろいろとご無理も言ったのですが、調整していただきました。
須田
正直なところ、だいぶ無理をしました(笑)。
真柴
社内調整がたいへんでした(笑)。じつを言うと、dポイントをほかのポイントに交換するというのは、あまり行っていないんです。いまdポイントをほかのポイントに変えられるのは、スターバックスさんとJALさんのマイレージだけなんです。今回は極めて特例となります。
田村
ありがとうございます!
真柴
ドコモとしては、デジタルコンテンツ業界にdポイントを普及させたかったということはあります。逆に私たちもご無理を申し上げているので、ご期待に応えられるように最善を尽くしているという感じです。
――ドコモにとっても、それだけパワスピ・ポイントクラブとの取り組みが魅力的だったということでしょうか。
真柴
はい。dポイントは2015年12月に始まっていて、今年10周年を迎えます。ずっとリアルのリテール(小売)様を中心に展開してきています。それはなぜかと言うと、お客様のファーストチョイスにならないといけないからです。お客様がお金をお出ししてお買い物をする瞬間に、第一想起でdポイントを出してもらう必要があります。コンビニやドラッグストアなど、お客様がお金を使う場所というのは決まっていますので、そこで使える環境を整える必要があるのです。
ですので、dポイントではリアルのリテール様を中心にお付き合いしてきたのですが、デジタルコンテンツ業界とのつながりがおろそかになってしまいまして……。私たちはiモードなども展開していて、デジタルコンテンツ業界の皆様とは近しい関係だったのに、いつの間にか疎遠になってしまったんです。それで、KONAMIさんとご相談させていただいて、私たちの保持しているデータも含めてご理解いただけたので、お互いが言いたいこと、言うべきことを言い合って、結果こういういいものになりました。
――いまのサービス内容に着地するまでにいろいろな議論があった中で、いちばんいい形に落ち着いたということですね。
真柴
そうですね。
ユーザーに幅を持った選択肢を提供できる
——今回の連携により、どのような効果を期待していますか?
田村
お客様がいろいろなエンタメに触れている中で、私たちのエンタメを選んでくださる理由を作っていかなければいけないと思っています。
――ゲーム以外の魅力も訴求していかないといけないということですね?
田村
ゲームの魅力はもちろんですが、私たちのサービスを楽しんでいただくことが、お客様にとって価値になると、少しでも思ってもらえるような選択肢を増やしていくことですね。ほかのゲームよりも、「KONAMIのゲームのほうがこういうことが起こるよね」とか、「KONAMIのゲームはこんな楽しみかたもあるよね」と思っていただけるとうれしいです。
──ゲームそのものももちろん楽しくて熱中できるし、遊んだ結果として得られたものを、自分の趣味でも使えるかもしれないといったことがより広がっていくということですね。
田村
まさに。そうです。
真柴
私たちの立場からお話しさせていただきますと、そもそもデジタルコンテンツのパートナー様というのが多くいらっしゃらなかったので、KONAMIさんを通して、新しいお客様が、私たちのdポイントの経済圏に入っていただけることがうれしいです。デジタル領域だからこそ可能な取り組みにも魅力を感じています。
プライシングは、一物一価が原則なのですが、デジタルでしたらある程度自由が効きます。たとえばキャンペーンで、「いまだったらポイントが10倍もらえる」とか、「50%還元される」とか、「今日は雨だから、お家でゲームを楽しむためにディスカウント価格で提供する」とか可能なわけです。新しいサービス提供の可能性があるので、大きな魅力を感じています。
――なるほど。そういったことはふだんから取り組んでいるのですか?
真柴
いろいろと試行錯誤しているのですが、リアルのお店さんだとなかなか運用が難しいです。
――新しい取り組みができるかもしれないということですね。
真柴
そうですね。たとえば、3ヵ月間ゲームから離れてしまったお客様に対して、ポイントが半額還元されますといった施策がコミュニケーションの中でできたりすると、幅が広がりますよね。
――ゲーム運営側としても、いろいろなことが考えられるようになりそうですね。
田村
そうですね。お客様に提示できる幅は間違いなく広げられるだろうなと思っています。それをどういうアイデアで落としていくのかというのは、私たちの領域というか、私たちがやらないといけないところだという認識でいます。その先でお客様には、より幅を持った選択肢をご提供できるのかなと。
——連携開始にあたって、キャンペーンなどは予定しているのですか?
須田
2025年4月から期間限定という形で、連携されたユーザーの方を対象に、ゲームをプレイしていただくと抽選でdポイントが当たるキャンペーンを予定しています。10万人の方に総額5000万円相当のdポイントをプレゼントします。
——それはすごいですね。
和田
いよいよプロ野球のシーズンが始まって、球春到来のタイミングからゲームでもドコモさんと盛り上げていければと思います。
須田
KONAMIさんのゲームを楽しんでいただいて、dポイントを獲得してください。
——最後に、ユーザーに向けてのメッセージをお願いします。
須田
この機会にぜひゲームをプレイしていただいて、dポイントをためていただければと思いますし、その後いろいろなところでためたり、つかったりといった体験をどんどんしてくださるとうれしいです。
和田
ドコモさんとの連携によって、裾野はどんどん広がっていくと思っています。私たちとしては、より多くいろいろな形で、生活に紐づくようなものとして提供していきたいです。もちろんゲームそのもののレベルアップにも日々取り組んでいきますが、周辺のサービスもこれからより充実させていくことで、お客様により多く還元できるものだと思っています。楽しみにしていてください。
真柴
人間の感情にはいろいろありますが、ゲームを遊ぶというのは、まさに“楽しい”ことです。そこに今回、dポイントがたまったりつかえたりするようになって、“お得”というワードが加わることになります。お得にゲームができるという感覚を楽しんでいただきたいです。
田村
私たちはゲーム会社ですので、まずは皆さんが日々楽しんでいただけるゲームをしっかりとお届けすることが第一のミッションです。合わせて、KONAMIのゲームは楽しいうえに、「やっていて便利だ」とか「やっていてお得だ」といったプラスアルファも作っています。それをぜひ、皆さんに体験していただきたいです。
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というわけで、KONAMI“パワスピ・ポイントクラブ”でdポイントの連携がスタートする。4月1日から10万人に総額5000万円分のdポイントが抽選で当たるキャンペーンが開催される。キャンペーンの詳細は以下でご確認を。