
この記事によると、同機種で採用されているカスタムチップはNintendo Switchの「10倍のグラフィックスパフォーマンス」を持ち、ディープラーニングに特化したTensorコアやレイトレーシングのためのRTコアなど、同社のPC用グラフィックカードに欠かせない回路も搭載しているという。
TensorコアやRTコアは、NVIDIAのPC用グラフィックカードなどにも搭載されているもの。馴染みのない人のためにざっくり説明すると、これらのおかげでよりリアルな描写が可能になったり、できるだけ綺麗なビジュアルを維持しつつできるだけ高いフレームレート(描画速度)で遊べるようになる。
NVIDIAがPCゲームでつちかった技術を応用し、より美麗で快適なゲームプレイの実現をサポート
要するにコレ、実際の描画負荷を減らせるのでその分フレームレートの向上が期待できるのだ。すでにヘビーなPCゲームでは欠かせない選択肢として普及しているが、特に携帯モードが存在するSwitch 2では、処理能力に限界がある中でフレームレートを稼いだり消費電力を抑えたりする効果を発揮するだろう。
またTensorコアはNintendo Switch 2の新機能であるゲームチャットにも貢献しているようで、「AI を活用したフェイストラッキングや、背景除去」にTensorコアを使っているという。こういった処理をTensorコアが担うことで、恐らくメインの処理能力をそれほど割かずに新たな楽しみを実現しているというわけだ。
そしてRTコアのもたらすレイトレーシングでは、光の当たり具合や影の出来具合を擬似的にシミュレートすることで、より写実的な没入感のある描写が実現可能になる。
そのほかこのカスタムチップが可能にしている機能としては、先日の発表でも言及されていたNVIDIA G-SYNCの可変リフレッシュレート(VRR)機能などもゲームプレイの点では見逃せない。これは描画のタイミングが合わないことで発生する“ティアリング”と呼ばれるズレを抑えることができる。
これらは大作寄りの豪華なビジュアルのゲームをリリースしたい開発者を助けるだけでなく、まずPCベースで開発していることが多い海外の中小スタジオやインディーゲームの移植などにも効いてくるはず。今後どんなゲームがSwitch 2に出てくるのか楽しみだ。