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『レイヴン2』先行レビュー。スマホMMORPGなのに大作のようなカメラワーク、NPCの些細な仕草が心をえぐる。じくじく刺さる凄惨ダークファンタジーに没入させる仕掛け

byカイゼルちくわ

『レイヴン2』先行レビュー。スマホMMORPGなのに大作のようなカメラワーク、NPCの些細な仕草が心をえぐる。じくじく刺さる凄惨ダークファンタジーに没入させる仕掛け
 2025年上期のリリースに向け、2025年3月26日(水)から事前登録を開始しているネットマーブルのMMORPG『レイヴン2』 (RAVEN2)。こちらのテストビルド版を先行プレイさせていただき、プレイ体験に驚かされた。

 PCとスマホのクロスプラットフォームで展開するハイクオリティなグラフィックで物語が描かれる壮大なダークファンタジーなのだが、その物語が、映像演出が、想像を超えてきたのだ。
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キャラクターが表情豊かにしゃべる会話シーン。PCや家庭用機のRPGの一幕に見えるが、このクオリティーでスマホでもプレイ可能なのだ。
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会話シーンはさまざまなカメラワークで映し出され、まるで映画のよう。キャラクターの仕草も豊富で、物語に引き込まれる。
 グラフィックやストーリーだけではなく、プレイのしやすさも洗練されている。キャラクターのレベルとは別に“特務隊レベル”というものが用意されており、さくさく上がって気持ちいい。連続で決まると大ダメージを与えられる“処刑”システムもこれまた気持ちいい。プレイモチベーションを高める独自システムがしっかり用意されている。
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MMORPGにありがちなレベルが上がりにくい時期に入っても、特務隊レベルの伸ばしやすさがそのフラストレーションを解消してくれる。
 なお、このレビュー用にプレイしたのはテストビルド版ということで、実際の製品版とは異なる可能性があることについてはご了承いただきたい。

映画のようなRPGをスマホで遊べる時代になった

 本作は2015年にリリースされたアクションRPG『レイヴン』の正式な続編。ダークファンタジーな世界とストーリーを受け継ぎ、大人数が同時に遊ぶMMORPGに進化している。
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大いなる神“エル”への信仰こそあれ、異端や魔物が溢れるダークファンタジーの世界。グラフィックが美しいぶん、その凄惨さはすさまじい。
 プレイヤー=主人公は、超人的な力の代償としてこの世界では忌み嫌われる“烙印”の持ち主。同じ境遇の者が集められた“特務隊”の一員となり、烙印への差別や隠された意味、古代の神と悪魔の真実など、さまざまなものに直面していくことになる。
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なぜ烙印を持つ者が生まれるのか。烙印は本当にエルの神聖な力とは対極の存在なのか。主人公がたどる物語は、人々の感情や国の思惑など、あらゆるものを巻き込んでいく。
 先行プレイ時に選択できたクラス(職業)は以下の7種類。各クラスともに、男女いずれも選択できる。

アサシン
  • 難易度:高
  • 二刀流による高い攻撃力と行動阻害能力を持つ近接アタッカー

ディバインキャスター
  • 難易度:低
  • 神聖な力で味方を守る後衛サポーター

バーサーカー
  • 難易度:高
  • 重厚な大剣を振るい、縦横無尽に戦う近接アタッカー

ナイトレンジャー
  • 難易度:低
  • 弓での遠距離射撃を得意とし、高い攻撃能力を持つ後衛職

ヴァンガード
  • 難易度:普通
  • 剣と盾で戦う、防御力に秀でた前衛職

エレメンタリスト
  • 難易度:普通
  • 強力な元素の力を用いて強力な攻撃を放つ後衛魔法職

デストロイヤー
  • 難易度:普通
  • クロスボウによる射撃で相手への妨害を得意とする後衛職

 なお、4月23日に配信された特別番組では、サービス開始と同時に8番目のクラス“デスブリンガー”が実装されることが発表。死霊の力を借りて敵に呪いをかけ、逆に味方にはバフを付与。支援型のサブディーラーだという。
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キャラクターメイキングでは顔や体形などを細かく調整できるほか、髪色にはツートーンカラーも使用できる。
 キャラクターを作成し、いざプレイしてみてまず驚いたのが、グラフィックの美麗さだ。ただ美麗なだけなら昨今のMMORPGでは珍しくない。ストーリーの会話シーンほぼすべてに、この美麗なグラフィックと併せてキャラクターの“仕草”がしっかりと入っているから驚いたのである。
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スマホMMORPGでは立ち絵やそれに近い形式が多いのだが、この通り会話中もキャラクターの表情の変化や仕草が豊富に見られる。
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主要キャラでもないNPCですら、ちゃんとお辞儀をしたりする。細かいことだが、ゲームの世界への没入度はこんなところからでも大きく変わる。
 ストーリーの会話パートで、カメラワークが頻繁に切り替わる点も強く印象に残った。こうしたいわゆる“シネマティック”な演出は、近年の大作RPGでとくに多く採用されているものだ。この手法とキャラクターの豊富な動きが、ダークなストーリーにプレイヤーを引き込んでいく。
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カメラワークのおかげで飽きが来ない。そのせいか、ストーリーパートが冗長という印象はなかった。
 グラフィックの美麗さは、戦闘シーンやフィールドのグラフィックにおいても損なわれていない。ここで落差があると我に返ってしまうので、ストーリーを楽しむうえでは重要なポイントかと思う。
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ド派手な流血などのキャラクターの描写だけでなく、背景や遠景の美麗さにも要注目。

“処刑”などのワンポイントが光るゲームシステム

 ゲームシステムは、スマホMMORPGとしてはオーソドックスな形にまとまっている。画面下のスロットにアイテムやスキルを登録すれば自動で使用可能。画面右上のクエストの表示をクリックすれば移動や戦闘をすべてオートでこなしてくれるし、目的地までのファストトラベルも可能だ。
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基本的な移動や戦闘はすべてオートで可能。タイミングよくボタンを押すなどのアクション要素はほとんどない。
 オート任せとなると平坦なプレイになりそうだが、そこに刺激を与えているのが“処刑”システムだ。これは一定確率で発生する強力な攻撃である“クリティカル”や“バッシュ”と同じく、一定確率で発生するもの。処刑が発動して敵を倒したときのみ、つぎの攻撃で強力な連携スキルが発動する。
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処刑が発動すると、このように“FATALITY”の表示が出る。
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ヴァンガードが処刑を発生させた場合、遠くの敵を鎖で引き寄せつつ大ダメージを与える“デッドリーグラブ”が発動。
 処刑が発生すると連携スキルによって狩りのスピードが上がるだけでなく、処刑で敵を倒した場合は得られる経験値なども増加するので、発生すればするほどお得に。処刑の発生確率は育成次第で上げられるので、クリティカルやバッシュの発生率とあわせて、キャラクター育成やビルドの指針になりそうだ。
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今回のプレイではとくに育成を意識したわけではなかったが、処刑が連続で3~4回起こることもあった。連続で発生すると敵をつぎつぎと撃破でき、なかなかに痛快だ。
 処刑の気持ちよさやストーリーへの没入感に集中できた理由として、キャラクター育成周りがかなりシンプルな点も大きかったと思う。近年のMMORPGは装備やキャラクターの強化項目が多様化しつつあるが、『レイヴン2』は各項目の根本的な部分からして理解しやすい。今回体験できた各育成要素から、その実例を紹介しよう。
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メニュー画面を見てもらえばわかるとおり、項目数はそこまで多くない。

スキル

 入手した“スキルブック”を使用すると、新たなスキルを習得できる。MMORPGをよくプレイする人からすると、スキルブックには入手困難なレアアイテムというイメージがあるかと思う。たとえば、敵からのレアドロップやマーケットなどでの高額取引のような。

 だが、本作ではストーリーを進めれば3つのスキルが手に入るうえ、スキルを増やす手段として“ヘブンストーン”という装備品が用意されている。身に着けるとヘブンストーンが秘めたスキルを使用可能になるため、比較的手軽に新スキルを入手可能。収集することでどのヘブンストーンを装備するかという、カスタマイズ要素も楽しめるようになる。
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ヘブンストーンにはゼロから+2までの強化値がランダムで設定されており、装備できる数には限りがある。なにを使うか頭を悩ませることになりそう。

聖痕

 クエストの報酬や装備の分解で手に入る“刻印の精髄”を消費して、段階を進めていくキャラクター強化システム。4つの系統があり、それぞれ伸ばしていくことで得られる能力値ボーナスが異なる。
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処刑の発生確率など、特殊なステータスを伸ばせる系統もある。
 精髄はゲームを進めると自然と手に入っていくので、とくに迷わず好きな系統に注ぎ込んで構わないかと思う。今回プレイした限りでは精髄を効率的に入手できるコンテンツは確認できなかったので、むしろマイペースに進められそうだ。

ステラ

 攻撃力や攻撃速度など、さまざまな能力値ボーナスを持つ宝石“ステラ”を装着していく強化コンテンツ。装着したステラのボーナスに加え、色の組み合わせによるボーナスや、装着するほど得られるポイントで別のボーナス効果にも波及する“増幅”という強化項目もある。こちらでもヘブンストーンのように自由なカスタマイズが可能だ。
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増幅で得られるボーナスはランダムで、“ステラ彫刻刀”を用いて再抽選できる。
 ステラは1日1時間だけ入場できるダンジョン“深い沼”で入手可能。合成によってよりレアリティの高いものを作成でき、こつこつ集めていけば着実に強化が進むシステムとなっている。

聖衣と使い魔

 キャラクターの衣装である“聖衣”と、連れ歩けるペットのような存在“使い魔”。これらにはそれぞれ攻撃速度やMP回復量などのボーナス能力が備わっている。聖衣は外見を好みのものに固定することも可能。着せ替えも楽しめる要素だ。
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 聖衣と使い魔はいずれもガチャ形式で入手するが、ストーリーを進めていけばガチャ券は高頻度で手に入った。特定のタイミングで手に入る聖衣もいくつかあり、着せ替え要素はかなり早い段階から楽しめる。

手間に感じる部分もあるが、プレイしやすさが段違い

 システム面がわかりやすくまとまっており、煩雑さや難しさがないのはこれまで説明したとおり。基本的にはオーソドックスで、よくも悪くも“MMORPGらしい”といった印象だ。

 ただ、このMMORPGらしいという部分が引っかかるプレイヤーもいるかもしれない。たとえば、キャラクターレベルは30レベルくらいから上昇が緩やかになり、成長の楽しみを味わいにくくなる。
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MMORPGに慣れている人なら“成長曲線”のひとことで片付くのだが、ふつうのRPGしか遊んだことがない人は急にレベルが上がらなくなって驚くかもしれない。
 毎日1時間入場できる、いわゆるデイリーダンジョンは最終的には5つ。これらは必須というわけではないのだが、毎日5時間のプレイを欠かさないと“もったいない”と感じてしまう人が多いだろう。

 そんなときに活躍するのが、完全放置のオートプレイ(自動狩り)だ。これなら手間を感じることもなく、1日8時間分の“オフラインモード”を活用すればさらに快適。ダンジョンに潜ってからゲームを閉じてオフラインにしても、引き続き自動で狩りを続けてくれるからだ。
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5つのダンジョンでは、それぞれゴールド(無課金通貨)、経験値、スキルブック、ステラ、ヘブンストーンを多く得られる。
 また、“MMORPGらしさ”の部分をしっかりとケアしている要素もある。そのひとつが、キャラクターレベルとは異なるもうひとつのレベルである“特務隊レベル”だ。
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本作のレベル2種類あり、筆者はこの特務隊レベルにプレイモチベーションをかなり上げてもらった。
 特務隊レベルは、1日に限られた数だけ受注できる“特務隊クエスト”をこなして上げていく。レベルが上がるたびに能力値ボーナスや各種アイテムといった、さまざまな報酬を得られる。

 この能力値ボーナスの影響はかなり大きい。本作では敵に攻撃が当たるかどうかが“命中”の能力値によってかなり左右されるが、特務隊レベルの報酬では命中ボーナスも多く得られるのだ。
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意識して命中を上げないと、敵への攻撃にミスが目立つようになってしまう。最重要の能力値だ。
 命中が大事なMMORPGはほかにもあり、時間をかけて能力値ボーナスを獲得したり、強力な装備を集めて命中を補強したりなど、手間がかかる場合がほとんどだ。だが、特務隊レベルはかなりハイペースで上がるので、命中ボーナスが早い段階で手に入る。

 また、特務隊クエストの報酬には、装備の製作に必要な素材も多く含まれている。特務隊クエストをこなしていくだけで、命中やMP回復量といった、重要な能力値をフォローできる装備がいつの間にか作れるようになっているわけだ。
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早い段階で作れる装備でも命中の値が大きく上がる。おかげで命中不足に悩まされた期間はあまりなかった。
 能力面で大きな役割を果たしてくれる特務隊レベルだが、筆者としてはもっと単純に、さくさくとレベルアップしていく感覚が楽しかった。キャラクターレベルの上昇が停滞ぎみの時期でも、特務隊レベルのほうではしっかりと成長の楽しさが味わえるわけだ。

 特務隊レベルとボーナス効果はアカウント内の全キャラクターで共有なので、サブキャラクターの育成も非常に楽。本作では所持金や聖衣、使い魔といったさまざまな要素がアカウント内で共有される。装備も“倉庫番”NPCを通じて一部共有できるので、サブキャラクターの育成はスムーズだった。
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ダンジョンやオフラインモードの残り時間もアカウント内で共有となる。その日どのキャラでダンジョンに潜るか、育成計画を考えるのも楽しそうだ。

日本独自の調整もあり。人と遊んでからが本番

 遊びやすさが際立っている要因として、すでに韓国などでサービスから約1年経っており、日本でのサービスイン時には1年分の実績とアップデートが集約されている点も影響していると思われる。

 今回の先行プレイでは体験できなかったが、日本でのサービスイン後にはエンドコンテンツがスタートする。ギルド同士の戦争コンテンツだ。日本独自の調整として、従来の報酬とは異なる特別税金が積み立てられ、勝利したギルドが従来のサーバーよりも大きな利権が得られるとのことだ。
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MMORPGは人と遊ぶようになってからが本番。ギルド戦以外にも、フィールドボスなどの多人数コンテンツがどう盛り上がるか、気になるところだ。
 また、日本でのリリース時にはオリジナル使い魔や100万ゴールドをはじめとする特別報酬が支給される予定だ。ローンチイベントでは英雄級の聖衣と使い魔が手に入るとのことで、序盤のゲームプレイがよりスムーズになる。
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聖衣や使い魔のボーナスによる影響はかなり大きい。最初から英雄級(紫色のレアリティ)のものが使えるとなると、狩りがだいぶ楽になりそうだ。
 こうしてリリース後のことに筆者の気が向いているのも、本作がMMORPGとしては格段にプレイしやすく、余裕をもってストーリーを楽しめているからだろう。かといって退屈ではなく、育成の計画を立てたりオフラインモード中に放置狩りする場所を選んだりといった、MMORPGならではのディープな遊びかたもできている。

 ダークファンタジーの世界観が人々の心のすさみ具合や悲観的な態度を描き、ストーリー内の細かな部分からじわじわと心に染み入ってくる。このじっとりとした物語に入り込むためにも、余分なことは考えずにプレイしたいところ。
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 リリース後にはストーリーと同様に、ギルド内やプレイヤー間の交流にもしっかりとプレイのリソースを割けると思われる。プレイヤーが楽しめる余地をプレイのしやすさで確保している本作にMMORPG要素が加わるとどんな化学反応を見せてくれるのか。期待は膨らむばかりだ。
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集計期間: 2025年04月26日07時〜2025年04月26日08時