
時代を先取りしたラジオ番組
『スーパーファミコンアワー』は、スーパーファミコン専用衛星放送アダプタ“サテラビュー”を使って受信するラジオ番組。パーソナリティの軽妙なトークや音楽が放送されるだけでなく、見る、遊ぶ、参加することができるゲームなどのデータ配信も同時に行っていたのが画期的だった。
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タモリさんや内田有紀さんを始めとする人気タレントが大勢パーソナリティを務めていたのもすごかったが、「宇宙から新しいゲームが降り注ぐ」というキャッチフレーズ通り、多種多様なゲームを受信して遊ぶことができた。
放送は、衛星放送WOWOWとチャンネルを共用した衛星デジタル音楽放送セント・ギガの独立音声放送を利用して配信。当時はまだまだ普及途中の衛星放送を利用するということもあり受信のハードルは高く、遊べた人はかなりラッキーだったのではないだろうか。
筆者は衛星放送は見られたがサテラビューを買えなかったため、番組の音声だけを毎日聴いて楽しんでいた記憶がある。
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機材さえ揃えられれば、無料でさまざまなゲームが遊べるのが大きな魅力。なかでも番組と連動し、放送時間のあいだしか遊べない“サウンドリンクゲーム”は、日本全国のプレイヤーが大勢参加するゲーム大会のような感覚もあって楽しかったんじゃないかな。
『BSゼルダの伝説』では、放送によるラジオドラマやナレーターのヒントなどを聴きながらゲームを進めるといった形式で非常におもしろそうだった。また、『BS新・鬼ヶ島』や『BS探偵倶楽部 雪に消えた過去』、『BSファイアーエムブレム アカネイア戦記編』、『BSドラゴンクエストI』など、人気タイトルを題材にしたものも多かった。
ほかにもスコアやタイムを競う“イベントゲーム”、名作ゲームが楽しめる“ゲームベストセレクション”、体験版の配信など、さまざまな番組が存在。ユーザーをあの手この手で楽しませてくれた。
『クロノ・トリガー ジェットバイクスペシャル』や『ヨッシーのパネポン』など、BSオリジナルゲームがあったのも魅力的だったんじゃないかな。当時のファミコン通信編集部員が『RPGツクール SUPER DANTE』で作ったゲームなんかも配信されていた模様。
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雑誌を見るようにテレビ画面で情報を見ていく“マガジン番組”といった形式も存在。各種ランキングを始めとするエンタメ情報やお料理情報などを見ることができた。リリー・フランキーさんが描いたデジタルコミック『リリー・フランキー劇場』なんてものもあった。
また、『鮫亀』や『ダービースタリオン96』、『SDガンダムGNEXT』など、一部のタイトルはサテラビューと連動した追加データやダウンロードコンテンツの配信もあったようだ。
少々時代を先取りし過ぎたきらいもあったか、2000年6月30日をもって『スーパーファミコンアワー』の放送は終了した。