風のクリスタルに導かれた4人の若者の冒険
ファミコン最後の『ファイナルファンタジー』ということで、思い出に残っているユーザーも多いであろう本作。いまでは2006年にニンテンドーDSで発売されたリメイク版で、初めて本作をプレイした人も多いのではないでしょうか。その後のスマートフォン版やPC版への移植はニンテンドーDS版がベースであるため、このファミコン版を知らない人は多いかも?
ストーリーは辺境の村・ウルの近くに住む4人の孤児の少年たちが、洞窟の奥でクリスタルを見つけ、そのクリスタルから世界を覆う闇を振り払う“光の戦士”に選ばれるというもの。リメイク版では主人公のひとりであるルーネスだけで冒険が始まり、その後に3人の仲間が集まっていくという流れなので、展開が異なります。
個人的には『FFIII』はオープニングデモの「そのグルガンぞくのおとこはしずかにかたった」という一文が印象深いです。いきなりグルガン族と言われて何のことだと疑問に思った人も多いハズ。グルガン族は作中に登場する第六感の発達した民族なのですが、冒頭で架空の民族の名前を出すことで、グッと世界観に引き込まれる仕掛けになっていました。
架空の存在と言えば、モーグリが登場したのも『FFIII』から。リメイク版ではおなじみの「クポ」という言葉を発しますが、ファミコン版には存在しません。「クポ」と言い出したのは『V』からなので、リメイク版で統一されたわけですね。ファミコン版のモーグリは「ニャ―」と言ったりするので、いまとなってはレアです。
また、ラストダンジョンが長くて難しいことで有名な『FFIII』ですが、自分としてはガルーダ戦がいちばんトラウマです。なお、リメイク版には隠しボスとして“てつきょじん”が存在しており、これがかなりの強敵で新しいトラウマになりました。
ストーリーに関しては、水の巫女・エリアとの悲しき別れや大魔導師のドーガ&夢の世界の番人であるウネとの戦いなど、ドラマチックな展開がたくさんありました。個人的に思い入れがあるのは4じいさん(4人組のじいさん)。彼らはアムルに暮らしている自称・勇者で、最初は主人公たちのことを認めずに対立します。それが、モンスターに襲われているところを助けられたことで見事に和解。登場するときの軽快な音楽とコミカルなビジュアル、自分たちのことを勇者だと思い込んでいるお茶目な性格でお気に入りのキャラクターでした(笑)。
もしも、この記事を読んで4じいさんを思い出せない人がいたら、ぜひこの機会に『FFIII』をプレイしてもらいたいです。なお、ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータなら、オリジナル版そのままのものがプレイできますよ(あ、もちろん、色褪せぬ名作なので4じいさんに関係なく全人類にプレイしてほしいです!)。
2023年4月20日には、初代『FF』から『FFVI』の6作品を2Dリマスターした作品群『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』がNintendo Switch、プレイステーション4で登場。本稿で紹介した『FFIII』も展開されているので、気になる方はチェックを!