『シャニマス』小澤麗那さん(郁田はるき役)インタビュー。収録ではその場で芽生える感情をなによりも大事に。オーディションやライブのエピソードや楽曲に込めた想いなどを聞いた。

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『シャニマス』小澤麗那さん(郁田はるき役)インタビュー。収録ではその場で芽生える感情をなによりも大事に。オーディションやライブのエピソードや楽曲に込めた想いなどを聞いた。
 2024年4月24日に6周年を迎えた、アイドル育成&ライブ対戦ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)。それを記念して、郁田はるき役の小澤麗那さんにインタビュー。はるきとの出会いとなったオーディション時の思い出から、コミュや歌の収録、そしてライブで大事にしていることなどを聞いた。
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※本インタビューは3月中旬に実施しました。 ※本インタビューは4月11日発売の週刊ファミ通(2024年4月25日号 No.1845)に掲載した内容に加筆、修正を行ったものです。


※本記事では『アイマス』は『アイドルマスター』シリーズ全体、『シャイニーカラーズ』は『アイドルマスター シャイニーカラーズ』シリーズ全体、『シャニマス』はenza対応ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』、『シャニソン』は『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism』、『シャニアニ』はアニメ『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の略称として使用しています。

小澤麗那おざわれな

1月26日生まれ。愛知県出身。ゲームやアニメ、舞台などで活躍。趣味は弾き語り、作詞、アイドル鑑賞など。おもな出演作に『白猫プロジェクト NEWWORLD‘S』(ウルスラ/エイダ役)、『舞歌ファンタジア』(木花卯月役)、『レムナント:フロム・ジ・アッシュ』(ルス役)、『オメガラビリンスZ』チチ役など。

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その場で芽生える感情をなによりも大事に

――はるきと出会う前から、『シャイニーカラーズ』のことはご存じでしたか?

小澤
 もちろんです。はるきを担当させていただく前からライブの映像なども拝見していまして。とくに3rdライブ(※)は幻想的な演出も相まってすごく印象的で。いつかご縁があるといいなと感じていました。

※“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 3rdLIVE TOUR PIECE ON PLANET”。2021年4月~5月にかけて、愛知県・日本ガイシホール、東京ガーデンシアター、福岡県・西日本総合展示場 新館ABCにて開催された。

――そんな中で、はるき役のオーディションを受けられることになります。

小澤
 お話いただいたときは、すごくうれしかったですね。いまの事務所に所属して最初にいただいたオーディションだったので思い出深いですし、とても興奮しました。

――オーディションでは、最初からはるきを受けようと考えていたのですか?

小澤
 いえ、最初は(鈴木)羽那ちゃん役に挑戦しようと考えていました。というのも、オーディションのお話をいただいたときに、ふたりの資料を拝見しまして。印象としては、羽那ちゃんは透明感があって、女の子が憧れる美人な子、「こういう女の子になりたいな」というような理想が詰まった子だなと思いました。

 はるきは逆に、甘い笑顔をまとっていて、柔和な雰囲気を持つ、アイドルらしいアイドルだなと。そんなふたりのイメージを抱いた中で、私がこれまで演じてきた役柄、声質に考えると、羽那ちゃんが合うのかなと考えまして。最初は彼女だけを受けようとしましたが、自分の先入観だけで決めるのはよくないと思い、マネージャーさんと相談して、はるき役も受けさせていただくことになりました。

――実際のオーディションはいかがでしたか?

小澤
 私、オーディションではとても緊張するタイプなのですが、当日は思っていたよりも緊張せず、自分が準備していたお芝居をしっかり表現できました。やり残したことはなかったですね。ただ、セリフや歌の審査があまりにもスムーズで、リテイクなどもなかったので、もしかすると私に興味を持っていただけなかったのかなとも感じまして。「これはダメだったかもしれない」と、泣きながら帰ったことを覚えています。

――それでは、合格の連絡があったときは驚かれたのでは?

小澤
信じられなかったです。結果をご報告いただいたときはひとりで外にいたのですが、腰が抜けて、座り込んでしまいました。うれし過ぎて、ルンルンでウキウキしながら家に帰りましたね。

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――その後の収録時のディレクションなどで印象に残っていることはありますか?

小澤
最初の収録のときに、「思っているよりもゆっくりと話してほしい」と言われましたね。はるきは私がふだん話すスピードよりもかなり遅いようで、そこに感情を乗せるのが難しかったです。はるきは感情豊かな子なので、ゆっくりと話しつつ、しっかり感情を表現する。その両立には苦労しました。

 そこで、はるきのおっとりとした空気感というのをまず大事にしようと考えました。そして、はるきは強い意思を持っていて、芯のある子だとも思ったので、そこも意識してお芝居を作り上げていきました。

 それと、これはライブなどでもそうなのですが、ガチガチに固めたプランで表現するのではなく、その瞬間に芽生えた感情で表現することを大事にしています。

――これまで収録したゲーム内コミュ等で、とくに印象的だったものはありますか?

小澤
トワコレの【連綿と、桜】郁田はるきのコミュですね。このカードのコミュは、何気ない日常を描いているように見えて、じつははるきのルーツなども描写されていたり、彼女を象徴するような内容となっています。

 とくに、True Endには心を打たれました。このコミュで描かれている、はるきにとっての桜が、私にとっての
『シャイニーカラーズ』というコンテンツなんですよね。ですので、すごく共感できる部分が多くて、収録のときは自然と涙を流していました。ぜひ全プロデューサーさんに見ていただきたいです。

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――続いて、歌の収録時などで印象的だったことはありますか?

小澤
 私は、キャラクターソングを担当したことがあまりなかったので、歌の中ではるきの甘いニュアンスを表現するのに当初は苦労していました。そんなときにスタッフさんから、かわいい雰囲気が出る発音などを教えていただけまして。

 そこから、はるきらしい歌を歌えるようになりました。また、コメティックの楽曲はかなりテンポの速い楽曲が多く、リズムに乗るのに苦労しましたね。速いテンポ感の中でしっかりとはるきらしく歌わないといけないという焦りもあり、なかなかうまくできませんでした。そんなときには、「伴奏の音をしっかりと聞いてみるといいよ」とアドバイスをいただけて。それがキッカケで、コメティックの速いテンポの中でもバッチリとリズムに乗って歌えるようになりました。これらのアドバイスは、いまでも意識していますね。

――現在、コメティックの楽曲は4曲リリースされていますが、改めてそれぞれの印象や、収録時のエピソードなどありましたら聞かせてください。

小澤
 どの楽曲も思い入れがありますが、その中でも『ハナムケのハナタバ』がお気に入りです。デビュー曲『無自覚アプリオリ』のつぎに収録した楽曲なのですが、はるきらしい歌いかたが見えたのがこの楽曲なので印象深いです。また、コメティックの楽曲は、社会に反発する若者、悩める若者を代弁するような強いメッセージが込められていることが多いですが、『ハナムケのハナタバ』は比較的明るい曲調で心地よく聴けるので、すごく好きです。毎日のように聴いていますね。

 
 『無自覚アプリオリ』については、最初に聴いたときはロックなテイストでかっこいい楽曲だなと思ったのですが、いざ歌うとすごく難しくて。曲調に合うように攻撃的に歌っていたのですが、「はるきちゃんらしく、柔らかく歌ってね」とアドバイスをいただき、試行錯誤しながら収録していった思い出があります。

 『くだらないや』は、はるきがセンターということもあり、彼女らしさが歌詞に出ているので、はるきに共感しながら、感情を込めて歌わせていただきました。

 最後に
『平行線の美学』ですが、この楽曲を収録するころには、はるきとしての歌いかたも身についていて、余裕を持って歌えたので、楽しい収録だったことを覚えています。楽曲としては、人と人を突き放した、私とあなたは平行線、というようなメッセージが歌詞に込められていて、はるきには少し理解しづらい楽曲なのかなと思ったので、共感しながら歌うのではなく、アイドルして提供された楽曲を歌うというスタンスで収録を行いました。

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――コメティックの楽曲についてお伺いしましたが、ここで、ユニットメンバーの川口莉奈さん(斑鳩ルカ役)、三川華月さん(鈴木羽那役)の印象なども伺えますか?

小澤
 なりちゃん(川口莉奈さん)は、めちゃくちゃ天才肌ですね。お仕事もしっかりとこなしていますが、じつは不器用なところもあって。そんな一面に私は共感しています。お互い嘘をつくのが苦手だったりしますし。天才肌だけど、私たちには人間味のある姿を見せてくれるのがうれしいですし、かわいいなと思います。

 はーちゃん(三川華月さん)は、周りから不思議な子と言われていまして。最初は「そうかな?」と思っていたのですが、最近では「確かにそうかも!」と思うことがたくさんありますね。

 たとえば、初対面なのにもともと友だちだったと錯覚させるほど距離感を掴むのがうまいのですが、一方で、ふたりでいっしょにいるときに、話しかけても返事がなく、30秒後ぐらいに「ごめん、なんだっけ?」と返ってきたりすることもあります(笑)。急に考えを巡らせることがあるようで、おもしろい子だなと思っています。

 そんなはーちゃんとは、昨年行われた、渋谷でのルカの広告展開をいっしょに観に行ったのが思い出に残っています。当時、はーちゃんとは出会って間もなかったですが、同じユニットになるルカの巨大広告が渋谷で展開されるということで、いっしょに観に行きたくて、人見知りながらも声を掛けたことを覚えています。そしたら、「いっしょに行きたかった」と言ってくれて。その時点ではコメティックについて一切情報が出ていなかったので、ドキドキしていましたが、はーちゃんといっしょに見ることができてよかったです。忘れられない出来事ですね。

――そこから、おふたりの関係もより深まっていった感じでしょうか?

小澤
 そうだと思います。そういえば、その帰りにご飯もいっしょに行きましたね。テンションが上がり過ぎて、ふだんだったら頼まない、800円のソフトクリームをふたりで買って食べたりもしました。楽しかったなあ。

 3人いっしょのときの出来事だと、私の誕生日をお祝いしてくれたのが本当にうれしかったです。今年の1月に“リスアニ!LIVE 2024”に出演させていただきましたが、その前日が私の誕生日だったんです。

 これまでの誕生日は家族と過ごしたりすることが多かったのですが、ライブ前日だったので、お家に籠って準備をしていて、少し寂しい誕生日でした。そのことを、ライブ当日になりちゃんに話したら、「じゃあ、みんなでご飯に行こう」と言ってくれて。

 それまで、なりちゃんから誘われることがなかったので驚きましたが、うれしかったですね。ライブが終わった後、3人でしゃぶしゃぶを食べました。そこで、距離がグッと縮まりましたし、お互いを理解できた感覚があります。

――じつは、三川さんにも同じ質問をしたのですが、こちらのエピソードを話されていて、川口さんから誘ってくれたのがすごくうれしかったとおっしゃっていました。

小澤
そうなんですよね! その気持ちが本当にうれしかったです。

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――コメティックについてお聞きしましたが、彼女たち以外で気になるアイドルやユニットはいますか?

小澤
 気になるアイドルだと、(七草)にちかちゃんですね。最初にプロデューサーと出会うときのコミュが印象的で、「アイドルでこういうことをする子がいるんだ」と衝撃を受けました。ただ、そういった一面を含めて、いい意味で人間臭くて、ひとりの人間として共感できる部分があり、気になっています。

 ユニットだと、ストレイライトとシーズが気になっています。どちらもかっこいいパフォーマンスが得意ということで、意識しちゃっている部分もあると思いますが、やっぱりライブを拝見すると見惚れちゃいます。私たちも彼女たちのようにかっこいいユニットになりたいと思わせてくれる存在ですね。

――楽曲についてはいかがですか?

小澤
 イルミネーションスターズの『Twinkle way』が大好きです。楽曲がリリースされた当時から好きでしたが、3rdライブの名古屋公演Day1で拝見した際に、もっと好きになりました。最後のサビで3人が向かい合ってパフォーマンスをしていたのですが、そこでひとみん(関根瞳さん)、れいれい(近藤玲奈さん)、だまゆ(峯田茉優さん)3人とも感極まった表情をしていて、その表情にグッと胸を掴まれました。
 そんな大好きな楽曲を、6thライブの大阪公演(※)でカバーさせてもらえて光栄でしたし、めちゃくちゃうれしかったです。

※“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 6thLIVE TOUR Come and Unite! Brilliant Blooms”。 2024年3月2日(土)、3日(日)の2日間、大阪府・大阪城ホールにて開催。

 あとは、シーズの
『Forbidden Paradise』もお気に入りです。もともと好きなジャンルの曲調というのと、6thライブの大阪公演でパフォーマンスを拝見して、かっこよすぎて圧倒されてから、楽曲の魅力に取り憑かれています。

――ライブの話題が出ましたので、初ステージとなった5.5周年ライブ“星が見上げた空”の感想など改めてお聞きできればと思います。
小澤
 それまでステージに立つ経験がほとんどなかったので、とにかく必死で、がむしゃらだった記憶があります。最後までパフォーマンスできるのかという不安もあり、毎日のようにレッスンをしていました。はーちゃんとスタジオを借りて、自主練をしたり、その帰り道にアイスを買って食べたり、何だか部活のような感覚でしたね。不安はありましたが、準備期間も楽しかったです。

 本番では初ライブということもあり緊張してしまいましたが、プロデューサーさんたちが笑顔で見守ってくれているのがうれしくて、パワーをもらえました。皆さんのおかげで、最後までステージで立つことができました。

――5.5周年ライブのMCで、過去に川口さんのパフォーマンスを見ていたので、今回いっしょにステージに立ててうれしかったとお話しされていました。改めて、川口さんとコメティックとしてステージに立たれた感想などもお聞きできればと思います。

小澤
 コメティックとしてのステージについては、作中ではまだ結成して日が浅く、ユニットとしてまとまっていない状態だったので、パフォーマンスで一体感を表現するのにこだわらず、自分の全力を出そうと臨みました。

 一方で、なりちゃんのパフォーマンスもそうですし、ルカの作中の活躍も見ていたので、いっしょにパフォーマンスして、ルカのプロデューサーさんに認められるか不安ではありました。ただ、ルカにも負けたくない気持ちもあったので、そこはライブへのモチベーションにもなりましたね。

 最近では、私たちキャストの距離感もどんどん近くなっているので、今後はそれがパフォーマンスに影響していくのかなと考えています。

――5.5周年ライブを終えられた後には、東京ドームでの“異次元フェス アイドルマスター★▼ラブライブ!歌合戦”にも出演されました。(※▼はハートマーク)
小澤
 夢のようなライブでしたね。私はDay2に出演させていただきましたが、Day1も現地で拝見しました。Day1から会場の盛り上がりがすごくて、こんなに熱気のあるライブに私も出られるんだといううれしさを噛み締めながら、Day2のステージに立った覚えがあります。当日は、ずっと胸がドキドキしていましたが、緊張というよりは、「私、この舞台に立っちゃうんだ」という高揚感がありました。それだけ私自身も楽しんでいたせいか、本当にあっという間に終わったという感覚でした。

――心から楽しめたステージだったのですね。その後2024年1月には“CANVAS”シリーズのリリースイベントにも出演されました。これまでご出演されたステージよりもプロデューサーさんとの距離が近いイベントだったと思いますが、こちらのステージに立ってみて、いかがでしたか?

小澤
 アットホームな雰囲気の中で楽しませていただきました。トークパートなどでもプロデューサーさんとの生のやり取りがあり、いっしょにお話ししている感覚を味わえました。温かい空間でのイベントも魅力的だなと感じましたね。

――コンパクトな規模感のイベントならではの楽しみを堪能されたのですね。そして、先日には6thライブツアーの大阪公演に出演されました。

小澤
 大阪城ホールという大きな会場でしたが、ステージ構成の影響か、プロデューサーさんとの距離がリリースイベントより近かったんですよね。手を伸ばしたら触れちゃうぐらい近くて、最初はどぎまぎしちゃって、なかなかプロデューサーさんのお顔を見られませんでした。

 パフォーマンスについては、「いっしょに楽しむ」というライブのコンセプトだったので、「私も精一杯楽しむぞ」という思いで、タオルを回したりジャンプしたり、プロデューサーさんといっしょに楽しんでいましたね。

――今後の活動の中で、挑戦してみたいことはありますか?

小澤
遠方ロケとか楽しそうですよね。おいしいごはんを食べたりしたいですね。コメティックとしては、全編ラップの楽曲に挑戦してみたいですし、アコースティックライブもできたらいいなと思います。

──それでは最後にプロデューサーの皆さんにメッセージをお願いします。

小澤
いつもプロデュースしてくださり、ありがとうございます。新しいコミュが追加されたり、ライブを重ねるにつれて、どんどんコメティックとはるきちゃんのプロデューサーさんが増えているのを実感していて、とてもうれしく思っています。ライブではるきちゃんが描かれたうちわやタオルを持ってくださる方を見かけることもあり、ありがたい気持ちでいっぱいです。

 プロデューサーさんたちの愛に恩返しできるように、コメティックもはるきちゃんもいっしょにがんばっていきますので、応援よろしくお願いします!

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