
世界の遊びを一変させた伝説のハード
ファミリーコンピュータは、任天堂から発売された据え置き型ゲーム機。“ファミコン”の愛称で親しまれた家庭用ゲーム機の金字塔で“テレビゲーム”というものを世界に広めて一般に根付かせた伝説のハードだ。いまなお語り継がれるほどの凄まじい“ファミコンブーム”を巻き起こした。
海外では“ニンテンドー”の愛称で呼ばれたNintendo Entertainment System(NES)として発売され、やはり日本同様に一大ムーブメントを起こした。本機が存在しなければ、我々が体験してきた世界のゲームの歴史はいまとはまったく違ったものになっていただろう。なお、1983年7月15日はセガ初のゲームパソコンSC-3000と家庭用ゲーム機SG-1000が発売された日でもある。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/10516/a4efdd2f969559e8b1c92e99f32ded48e.jpg?x=767)
当時としては格段に高性能なグラフィック性能を有しているにも関わらず、価格が14800円と安価だった点も大ヒットに繋がった要因のひとつ。ファミコン以前に多くあった海外生まれのハードは非常に高価なものが多かったため、子どもには手が出せなかった。
カートリッジ交換式を採用しており、いわゆるカセットを交換すれば異なるゲームを楽しめたところもうれしいポイント。友だちとカセットの貸し借りをするなんて文化もあったので、筆者もよく借りて遊んだ思い出がある。なかにはカセットを借りたことを忘れてしまい、いまも借りたまま……なんて人もいるのでは?
何せめちゃくちゃ押しやすい位置にあるため、ゲームでつまらないミスをした際などに即リセットするプレイヤーが続出。筆者などはあまりに頻繁にリセットをするため、いっしょに対戦をしていた友だちに怒られまくった思い出がある。飼い猫に踏まれてリセットされてしまったなんてケースも後を絶たなかった。現代で“リセット”という言葉が浸透し日常的に使われているのは、もしかするとファミコンの影響もあったのかもしれない。
当時のゲーム機のコントローラーは縦型でジョイスティックになっている(しかも右手でジョイスティックを動かす)場合も多かったのだが、ファミコンではゲーム&ウオッチ版『ドンキーコング』でも使われていた十字ボタンを踏襲。横長で十字ボタンとA、Bボタンというシンプルな構成のコントローラーは非常に扱いやすかった。ほかに類を見ないこの形は以降、他社のハードを含めてゲーム機のスタンダードとなっていったのだから、まさに革命的だったと言えるだろう。
また、ファミコンのコントローラーと言うと“IIコン”のマイクの存在を思い出す人も多いはず。筆者は『バンゲリングベイ』で「ハドソーン!」と叫んだり、暇を持て余したときに意味なくマイクに息を吹きかけて遊んだりしていたくらいしか思い出がないが、マイク機能を活かしたゲームはそれなりにあった。
有名なものとしては前述の『バンゲリングベイ』で、「ハドソン」と叫ぶと対戦中に戦闘機をスクランブルさせることができた(※)。ほかの有名どころは『たけしの挑戦状』のスナックで歌うイベント、『ゼルダの伝説』のポルスボイスを簡単に倒す際、『スターソルジャー』の裏ステージ出現の際などにマイクが有効活用されている。
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ちなみに、2023年にはファミコン発売40周年を記念して専用のキャンペーンサイトが登場。ファミコンに関するさまざまな問題に答える“ファミコン全国一斉クイズ”や、お笑い芸人のケンドーコバヤシさんがトークをくり広げる“コバヤシ玩具店”など、バラエティに富んだコンテンツを楽しむことができる。残念ながら企画モノは終了しているが、往年のファンもファミコンに触れたことがないという世代でもさらに知識を深めることができるので、ぜひチェックをしてほしい。