テレビ東京系列で毎週金曜18時55分から放送中のテレビアニメ『ポケットモンスター』にて、2024年4月12日から新章『テラスタルデビュー』編の放送がスタートした。
“テラスタル”を修得するため、オレンジアカデミーに留学することになったリコ、ロイ、ドットは、パルデア地方のジムリーダーや四天王たちとバトルや交流を行っていくこととなる。
本記事では、『テラスタルデビュー』編で新たに登場する、ナッペ山ジムリーダー・グルーシャ役の小林千晃さんへのインタビューの模様をお届けする。
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小林千晃 さん(コバヤシ チアキ)
大沢事務所所属の声優。アニメ『ポケットモンスター テラスタルデビュー』編では、グルーシャを演じる。(文中は小林)
クールなグルーシャの胸に秘められた熱い一面が、アニメで深掘りされる!
――まずは、グルーシャ役を演じることが決まったときの率直な感想を教えてください。
小林
まさかグルーシャを演じられるとは思っていなかったので、すごくうれしかったです。ポケモンはもちろん昔から大好きで、ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』はいちファンとしてプレイしていましたし、好きな作品のキャラクターを演じられるというのはとても光栄なことだと感じています。
――ゲームのプレイ中はグルーシャに対してどんな印象を抱いていましたか?
小林
僕がプレイする中では、グルーシャがいちばん最後に戦ったジムリーダーだったので、まずは率直に、「強いジムリーダーだったな」と。そして、セリフこそ多くなかったものの、自分にも他人にもきびしい人なんだなというのは感じ取っていました。ところが、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット ゼロの秘宝』“後編・藍の円盤”で新しく追加された会話シーンを見ると、少し印象が変わって。グルーシャのバックボーンのようなものが垣間見えて、思っていたより人間味がある人なんだなと感じました。
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――アニメで役を演じることが決まった後にまた何か印象は変わりましたか?
小林
ゲームの印象からはやっぱりクールな側面の比重が大きいのかなと思っていたのですが、いざ台本に目を通していくと意外にも熱い一面が多いような印象を受けました。ストイックさというのはゲームでも見られていましたが、アニメでそれがより深掘りされていると思います。グルーシャが胸の内に秘めている情熱もしっかりお伝えできるように表現したいと思っております。
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――グルーシャ以外に、気になったキャラクターはいましたか?
小林
たくさんいるのですが、とくに好きなのはアオキです。ポケモンの登場人物たちって、僕たちがいま生きているこの社会とは、また別の社会性の中で暮らしているんじゃないかと思っています。でも、アオキはどちらかというと僕たちの慣れ親しんだ現代社会っぽい雰囲気がありますよね(笑)。
中間管理職みたいなポジションで、すごく苦労しているところとか、仕事だと割り切ってやるべきことを淡々とこなしているところとか。その溢れ出る哀愁が、ポケモンの世界だと異質で、逆に輝いて見えるような気がしています。ジムリーダーと四天王を兼任していたり、そのふたつで使用するポケモンのタイプも変化したりと、登場するたびに違う顔を見せてくれるのもおもしろくて大好きでした。
――社会人として、アオキにはすごく感情移入してしまう気がします(笑)。苦労がよくわかってしまうというか。ほかにはどんなキャラクターが印象に残りましたか?
小林
あとはネモですね。これまでの作品におけるライバルとは明確に描かれかたが違うところがおもしろかったです。ライバルといえば、同じタイミングで旅に出ていっしょに成長していくキャラクターだったのが、ネモは最初からチャンピオンランクで明確に格上のキャラクターでしたよね。最初は圧倒的な実力差があるところから、主人公が成長して肩を並べるという物語はとても新鮮で魅力的でした。
あと、バトルが大好きすぎて周囲と少し温度差があるところとか、じつはお嬢様だとか、モンスターボールを投げるのは苦手だったりとか、めちゃくちゃいろいろな属性が盛り込まれていますよね(笑)。ネモというキャラクターはたくさん愛されているんだろうなって感じました。
――たしかに、ネモは新しいライバルの描かれかたでしたよね。そして、小林さんがものすごくゲームをやり込んでいることがとてもよく伝わってきました(笑)。いったん話をアニメの方に戻しまして、キャスト発表に対するファンの方の反響はいかがでしたか?
小林
好意的なコメントをたくさんいただけていて、とてもうれしかったです。これほど大きなタイトルかつ人気なキャラクターなので、皆さんプレイしながら100人100通りの声でセリフが再生されていたと思うんです。そのうえで受け入れてくださったというのは、本当にありがたい限りです。
――演じるうえでどのようなことを意識されましたか?
小林
リコとの対比が描かれていることが多いと思っていて。リコは未熟な子どもであるがゆえに無鉄砲とも言える勢いのよさがあります。対してグルーシャはリコたちに比べて成熟していて、一度挫折も味わっているぶん、精神的にも熟達しています。この温度差があればあるほど、イケイケで突っ込んできたリコをグルーシャが冷静に叩き落したときのギャップがより際立つと感じたので、リコの熱量にあえて合わせませんでした。ジムリーダーとしての余裕を保って「これは躱せる?」、「これは攻略できる?」という感じで1個1個試練を与えて、戦いの中で挑戦者を導いていく雰囲気を出しつつ。ただ、心の内には「完膚なきまでに倒す」という熱い一面もあって。元アスリートとして、真剣勝負にこだわるストイックさも表現できるよう意識しました。
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――グルーシャという人物像をとても深く研究されているんだなということが伝わってきます。小林さんは『ポケットモンスター』シリーズに以前も出演されていたことがありますが、今回再び出演することになってどんなお気持ちでしたか?
小林
前回もそうでしたが、これだけ長く続いている作品に途中から参加させていただくというのはものすごくプレッシャーがあったのですが、それ以上にワクワクしていました。実際に現場に入らせていただくと、音響監督さんを筆頭に凄まじい熱量でアフレコが行われていたんです。もう27年間も放送しているテレビアニメとはにわかに信じられないほどでした。もちろん音響監督さんだけでなく、キャストやスタッフさん含むすべての方々が同じ熱量でずっとやり続けていると考えると、とんでもない現場だなと気が引き締まる思いでした。
――現場の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。
小林
基本的には、リコ役の鈴木みのりさんを中心に明るくワイワイとした感じで賑やかな現場です。ただオンオフの切り替えがハッキリとしている印象ですね。お話ししたとおり熱量の高い現場なので、お芝居に臨むときは空気がピリッとするくらい雰囲気が変わります。演出側も役者側もお芝居ひとつひとつにまったくの妥協がなく、そのシーンやセリフに込められた意味とかメッセージ性をしっかりと理解したうえで、自分の言葉や感情に落とし込んで演じないとリテイクになります。だから台本がもらえるたびに僕はうれしくなるんですよ。「やった、出番ある!」って。作品のファンとしてだけでなく、ひとりの役者としてこのすごい現場に立てることがうれしいんです。
――聞いているだけで緊張感がありますね。それを毎週、27年間続けているというのは確かに信じられない思いです。そんな中でも基本は鈴木さんを中心に明るい雰囲気であるという話がありましたが、キャストさんとのエピソードはございますか?
小林
鈴木さんとはこの現場で初めましてだったのですが、ふだんは明るくてムードメーカー的な存在なのですが、アフレコに臨む姿勢は本当に真面目で真っすぐな方だという印象を受けました。僕とそこまで歳が離れているわけではないですが、若いエネルギーをつねに放出し続けているようなパワフルさを感じます。リコは主人公ですから、どうしてもセリフの数が膨大です。当然ディレクションもたくさん受けるわけなのですが、壁にぶつかったときにひとつひとつ全力で乗り越えていく姿勢にはリコの面影を感じざるを得ないですね。本当にピッタリなキャストだと思います。
ただ、僕はグルーシャ役として現場に入っているので、最初のころは役と同様、距離感が近すぎない方がいいと考えて、環境から役作りをしていました。僕に限らず、バトル回のアフレコではみなさん同様の空気感な気がしています。
――小林さんはふだんからそのような役作りのしかたをされるんですか?
小林
僕自身はあまりそういうタイプではないですけど、現場によってはそういう空気感が作られていることがあるので、それに倣って立ち振る舞うようにしています。これはおそらく皆さん気を付けられていることなのではないかなと思います。
過去にはレーティングバトルにも挑戦。お気に入りのポケモンはハッサム
――ここからは、ゲームの『ポケットモンスター』シリーズに関する想い出話をお聞きできればと思います。これまででとくに気に入っているシリーズ作品はどれでしょうか?
小林
やはり子どものころにプレイした作品は特別な思い入れがあるので、そういう意味では『ポケットモンスター 金・銀』や『ポケットモンスター ルビー・サファイア』が大好きですね。
――当時はどんな遊びかたをされていたのですか?
小林
純粋に物語を楽しみつつ、たまに友だちと通信対戦をするような感じでした。『ポケットモンスターブラック・ホワイト』あたりから、オンラインでレーティングバトルなどもやるようになりました。最近の作品ではそこまで本格的にはやれていなくて、カジュアルに好きなポケモンを使って戦うくらいになりましたが。
――とはいえ対戦もされるんですね! どんなポケモンをチームに入れているんですか?
小林
ハッサムが好きで、“バレットパンチ”ばかり指示してしまいます(笑)。ほかにはラティオスも大好きなので、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』でも出会えるようになったのはとてもうれしかったです。ほかにはゲンガーも好きだし、映画の影響でミュウツーやセレビィ、ラティアスなんかも好きですね。
――ポケモン映画もよく見られていたんですね。
小林
とくに『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』はいまでもすごく印象深いです。同じくらい『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』も記憶に残っていて、僕最近いろいろなところで「ヴェネツィアに行きたい」って言っているんですけど、きっかけはこの映画です。物語の舞台である水の都“アルトマーレ”のモデルになっているのがヴェネツィアなんですよね。ヴェネツィア、いつか行きたいなぁ。
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テレビアニメ『ポケットモンスター』
テレビ東京系列にて毎週金曜18時55分から放送中
※一部地域では放送日時が異なります。
※放送内容は変更になる場合があります。第63話 氷の戦い!冷たい瞳のグルーシャ
いよいよリコの応用テストの番。グルーシャに挑戦するため、ナッぺ山ジムを訪れたリコたちは、テストの待ち時間に立ち寄った“アルクジラ滑り”の店主から、グルーシャの過去を聞くことになり……パルデア地方最強のジムリーダーと名高いグルーシャ。その実力が、リコ、ニャローテ、テブリムに襲い掛かる―!!
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