いまなお愛されるスクウェアの3Dアクション
本作は、スクウェアが『アインハンダー』や『ゼノギアス』などといった挑戦的な作品を発表していたときに発売された1本。純粋な少年ルウとワガママすぎるため妹に王女の座を奪われた少女ミントが、それぞれの願いのために“遺産”を求めて冒険へと出るストーリーが描かれます。ルウとミントで大筋の展開は変わらないものの、性格や目的は異なるので冒険に飽きることがありません。
なお、片方の主人公をクリアーすると、もうひとりの主人公を選ぶことができ、ふたりの主人公をクリアーすることで真のエンディングを見ることができる仕組みでした。
ルウ編では王道の感動ストーリーが展開する一方、ミント編は彼女が世界征服の願いを叶えるために冒険をくり広げる内容なので、それぞれ異なる魅力があります。筆者は、ハチャメチャな展開でありながらしっかり感動もさせてくれるミント編が好きでした。ちなみにミントは自分勝手で破天荒な性格ですが、本当に困っている人は放っておけなかったりして、しっかりと感情移入できるキャラクターです。
また、ルウとミントではアクションも異なり、ルウは一撃が強力な巨大な斧を使い、ミントはリング状の武器や魔法、得意な飛び蹴りで戦うことに。ミントの飛び蹴りはめちゃくちゃ優秀で、魔法を使わずに飛び蹴りばかりしていたユーザーは多いのではないかと思います。
『デュープリズム』はゲームアーカイブス(PS Vita、PS3)で配信されています。昔のゲームなのでアクション部分で操作しづらいところもありますが、独特な世界観やキャラクター、幻想的な音楽は唯一無二なのでぜひプレイしてみてほしいところ。本作はほかのスクウェア・エニックスのタイトルに比べてマルチメディア化やグッズ化などが少ないので、25周年を機会にまた盛り上がって企画が始動してくれるとうれしいですね。