
まだ謎が多いゲーム内容についてメールインタビューを行うと、2名の共同ディレクターと、音楽を手掛けるDisasterpeaceことリッチ・ブリーランド氏に、回答してもらえた。
イザドラ・ソフィア(イザ)
Coldblood Inc.の共同設立者で、『Neverway』の共同ディレクター。ブラジル系カナダ人のソフトウェアエンジニア。デバッガークイーン!
ペドロ・メディロス
Coldblood Inc.の共同設立者で、『Neverway』の共同ディレクター。『Celeste』の開発にも参加したピクセルアーティスト。
リッチ・ブリーランド(Disasterpeace)(ディザスターピース)
アメリカの作曲家。63枚ものアルバムをリリース。ゲームでは『FEZ』、『Mini Metro』、『Hyper Light Drifter』、映画では『イット・フォローズ』、『アンダー・ザ・シルバーレイク』などなど、媒体の垣根を超えて数多くの作品のサウンドトラックを制作している。
罪悪感、負い目、そして“人に頼る術を学ぶこと”など、現代社会と通じるテーマも
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本質的には物語重視のゲームで、プレイヤーは主人公・フィオナが抱える問題(あるいは問題から目を背け続ける現実)に向き合う旅を追体験します。戦闘や農作業、ホラーといった要素は、フィオナの視点に立ったときに世界が生き生きと感じられるように設計されています。
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また、あらゆる点で正反対の性質のコントラストを活用することが非常に効果的だとわかり、それがこのゲームの重要な柱となっています。
のどかな田舎の生活や心温まるキャラクターとの交流を、暗く不穏なストーリーと組み合わせることで、ダークな要素が際立ちます。物語が重くなりすぎたときには、息抜きやリフレッシュの場も設けてあります。ドラマの『ツイン・ピークス』がこの絶妙なバランスを実現した作品だと個人的には思っており、本作もそこから大きな影響を受けています。
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『Neverway』が扱っているテーマには、現実から逃れて新しい生活を始めたいという願望、否認、罪悪感、負い目、そして人に頼る術を学ぶことなどがあります。これらは現代社会において日常的に向き合うものでもありますから、多くの人が共感できるのではないかと思います。
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ただ、農業と戦闘を組み合わせている点などは似ているかもしれませんが、共通しているのはそれくらいだと思います。構造的には『Neverway』は物語重視のゲームであり、むしろ『Undertale』や『MOTHER2』に近いです。
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たとえば会話中の選択肢で、そのキャラクターを恋愛対象として見るか、友だちとして過ごすかを選べます。わかりやすくするために、恋愛可能なキャラクターはソーシャルメニューで“独り身”(あるいは“破局済み”笑)と表示されるので、恋愛対象にできるかどうかは一目瞭然です。ただし、意外な展開もあるかもしれません。個人的に「ゲームに“悪人”が恋愛対象として登場したっていい」とずっと思っていたので、この願いを反映させています。
また、デートに関しては、“誰かとカップルになる”という伝統的な帰結に縛られないでほしいと考えています。その理由のひとつは、フィオナが責任のある関係性を築くのが苦手で、現在まさにそれを克服しようとしている最中だからです。とはいえ、デートの相手を誰にするかが物語の中で重要なカギを握るシーンもあります。
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これによって、ゲーム全体に強い視覚的な統一感をもたらしつつ、同時に単調さを防ぐ効果も期待できます。また、色使いにはゲームの世界観に沿ったある意味合いも込められており。この点もプレイヤーに楽しんでもらえるとうれしいですね。
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また、『イット・フォローズ』では音楽的な参照を多用しましたが、このゲームでは一切行っていません。そのため、より自由に制作を進めることができました!
ホラーファンとして、自分がプレイできるホラーゲームが非常に少ないと感じています。 たいていのホラー映画は平気な私ですが、ゲームとなると、自分がキャラクターを操作する分、映画よりもはるかに怖く感じます。ほとんどのホラーゲームは、驚かせたり、追いかけられたり、不安を煽る仕組み(たとえば、使える資源の制限など)が満載です。それが原因で、ホラーというジャンルは好きでも、ホラーゲームをプレイする気にはなれませんでした。
しかし、『ゆめにっき』のように楽しめるホラーゲームもいくつか存在します。その理由を考えていくと、単にプレイヤーを怖がらせる仕組みだけでなく、作品のテーマとしてのホラーが重要なのだと気づかされました。また、プレイヤーが気持ちを回復するための“一息つく”パートが必要であり、準備ができたときにダークなパートへ戻れるようにすることも大切だと考えています。
つまり、『Neverway』はホラーファンに向けたゲームですが、その中でもとくに「ホラーは好きだけどホラーゲームは苦手」という方々のために開発しています!
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7月18日~20日開催の“BitSummit the 13th”に出展
ブース(IP2-02)では日本語対応のデモ版が試遊できるほか、ステッカーなどの特別なグッズの配布も行われるとのこと。本作が気になった人は、足を運んでみてはいかがだろう?