ファミコン探偵倶楽部 笑み男(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
シリーズ初プレイ。活き活きとしたセリフ回しによる会話のキャッチボールや、アニメ演出、そしてヒント機能が、オーソドックスなテキストアドベンチャーに、現代的な遊びやすさと、さらなるドラマ性をプラス。要所要所で挿入される“推理”や“考える”で、集めた情報をその都度まとめられるため、推理が苦手な人でも、怪事件の真相を追う物語を、サスペンスドラマ感覚で楽しめるのもいいね。
週刊ファミ通1863号より
フルボイスに加えてよく動くグラフィックと、臨場感を高める演出面は健在。話を進行させるために同じ項目を何度も選択する必要があるのは、昔ながらの作りではあるものの、“考える”のコマンドを選ぶと何をすればいいのかを誘導してくれることも多く、ほとんど詰まらずに読み進められる。終盤の物語の畳みかたは好みが分かれるかもしれないけど、見応えのあるムービーシーンもあって没入できます。
週刊ファミ通1863号より
ジュブナイルのテイストも感じられる、怖い話+推理もののシナリオに、オーソドックスなアドベンチャー形式のゲームデザインがしっくり。それだけに、全編をこのペースで遊びたかった、終盤以降の急ぎ足がもったいなく思えた、というのが本音です。とは言え、レトロを意識しつつ、いまにマッチした演出とシステムで、やるせない人間ドラマを存分に味わいました。シリーズ続編が何本も出るといいな。
週刊ファミ通1863号より
各登場人物の個性が、映像や音声だけでなく、コマンド選択操作のテンポにもにじみ出るなど、演出面の丁寧さが随所で光ります。とくにあゆみ(声:皆口裕子)との会話は至高。その一方で、“捜査をみずからの手で進めている感触”が、そうした要素の犠牲になっているとの印象も。事件の真相を含めた物語の深みは、ジュブナイルものとしてなら合格点。終盤の展開の駆け足具合にも一定の納得感を得られます。
週刊ファミ通1863号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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