【エルデンリングDLC】『SHADOW OF THE ERDTREE』試遊レビュー。投げナイフや熊の爪など、新武器種はどれもユニーク。未知との遭遇と新たな冒険【6月21日発売】

by西川くん

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【エルデンリングDLC】『SHADOW OF THE ERDTREE』試遊レビュー。投げナイフや熊の爪など、新武器種はどれもユニーク。未知との遭遇と新たな冒険【6月21日発売】
 フロム・ソフトウェアより2022年2月25日に発売された『ELDEN RING』(エルデンリング)。その追加ダウンロードコンテンツとなる『SHADOW OF THE ERDTREE』(シャドウ オブ ジ エルドツリー)が2024年6月21日、ついに発売を迎える。

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 それに先駆けて某日、フロム・ソフトウェアがメディア向けの試遊会を実施。この試遊会では、DLCで追加される新エリア“影の地”の一部を自由に遊ぶことができた。そこで今回は、約3時間のプレイ時間で感じたことや、多くの“褪せ人”たちが注目している新武器の手触りなどを中心にお伝えしよう。

 なお、試遊会でプレイしたデータは開発中のバージョンなので、記事内に出てくる名称も含めて、製品版とは異なる可能性がある。

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会場には『COLLECTOR'S EDITION』の同梱物などが展示されていた。
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左の写真は『COLLECTOR'S EDITION』に付属する“串刺し公、メスメル”のスタチュー。右写真のものは付属品ではなく、抽選販売された“串刺し公、メスメル”のレプリカヘルメット。

ミケラの十字を見つけ、その足跡を辿る物語

 試遊では、フロム・ソフトウェア側が用意したレベル150のキャラクターでプレイを行った。以前、本誌のインタビューにて宮崎英高ディレクターが話した通り、DLCのエリアに向かうには“血の君主、モーグ”との戦いの舞台にあった、繭(“神人眠りの繭”)から垂れる枯れた腕がカギに。そこでプレイヤーは、とある人物と出会い、“影の地”へと向かうことになる。
 “影の地”は本編の“狭間の地”とは別マップとなっており、薄暗い膜が空全体を覆っているかのようで、どこか夕暮れを感じさせるフィールドだった。3時間のプレイ(これで全部が理解できるとは思えないが)を通しての印象は、本編の楽しさとほとんど変わらないというか、本編に慣れ親しんでいれば違和感なく新しいマップを楽しめるイメージ。

 「本編とは大きな違いのある体験が待っているか」と言うとそうではないのだが、
『ELDEN RING』のすべてをやり尽くしたという人も、新鮮な気持ちで冒険できることは間違いない。

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“レディソード”という新しい武器には、特殊な構えに移行する戦技“片翼の構え”があった。

 さて、プレイヤーは影の地でミケラの足跡を追いながら、散りばめられた物語や登場人物との会話を経て、ストーリーを進めていくことになる。各所で出会う登場人物たちがミケラについて語ってくれたり、冒険のヒントを出してくれることもあったが、足で集めた物語の断片を、自分の中で構築していく語り口は健在のようだ。

 また、フィールドの一部には黄金に輝く光の柱のような“ミケラの十字”(ルーンだろうか?)がそびえ立っており、そこではミケラの残したメモのようなテキストが確認できた。また、この十字の近くにはだいたい“祝福”が置かれており、“祝福の導き”の代わりとなる道標の意味も持っているようだ。

 とはいえ、試遊できた範囲内では筆者は十字を3ヵ所しか発見できなかった。とある人物が、十字の場所が記された地図(マップ画面ではなく、おおまかな場所がわかる情報アイテム)をくれたのだが、こちらが示していたのも3つの場所だけ。ただ、十字は冒険の中心地点と、その先に待ち受けているふたつのダンジョンの入り口付近にあったので、冒険の主要目標への導きとなる印象を受けた。

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黄金に輝くミケラの十字。各所にあるこの十字を探し、ミケラの足跡を追うことで物語の輪郭が見えてくるのだろう。

 今回の試遊可能エリアでは、いわゆるレガシーダンジョンと呼ばれる大型ダンジョンの“塔の街、ベラルート”と、中規模のダンジョン“エンシスの城砦”がメインとなっていた。もちろん道中には小規模なダンジョンやボスエリアなどが存在し、それらも自由に体験可能。

 マップ画面でフィールドを見ると、試遊可能エリアはそこまで広くない印象を受けたが、これはごく一部のようで、全体像はつかめなかった。しかし、各ダンジョンはかなり構造が入り組んでいる模様。“塔の街、ベラルート”も“エンシスの城砦”も地下が存在するようだ。横の広さだけでなく、立体的な高低差を大きく感じたので、探索のおもしろさは本編と変わらないだろう。

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塔の街、ベラルートはレガシーダンジョンのひとつ。

 探索すれば、やはり初見で驚かされる位置に敵がいたり、強敵との出会いなどが待っていた。そして何より、新武器や未知のアイテムの発見という、
『ELDEN RING』ならではの喜びもあった。

 DLCエリアを遊ぶ基本的な条件は、ゲーム後半(モーグを倒せるくらい)まで進めていること。そのため、戦闘の骨太さは十分。用意されたレベル150のキャラクターでは、装備性能やステータス振りにもよるとは思うが、強敵相手なら2発でたいてい倒されてしまうくらいの力の差があった。

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影の地専用の強化要素“影樹の加護”に注目

 既報の通り、影の地専用の強化システムが存在。これには歯応えのある戦闘を緩和する意味もあると思われる。宮崎ディレクターが『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の“攻め力”に少し近いイメージと話していた要素だが、その詳細が判明した。

 それは、各所に落ちている“影樹の破片”を入手し、祝福で消費することで“影樹の加護”を得られるというものだ。ちなみに、“影樹”の読みかたは“えいじゅ”とのこと。

 “攻め力”とは異なり、入手方法はおもに探索のようで、プレイした範囲では、だいたい先述したミケラの十字のそばに落ちていた。また、本編の各強化システムのように、教会のような場所も関連していると思われる。最初の強化は“影樹の破片”の消費が1個だったが、つぎからは必要数が2個に。おそらく、段階を経て必要な数が増えていくのだろう。

 “影樹の加護”をアップさせると、攻撃力とカット率(いわゆる防御力)が「影の地のみ」で上昇する。体感での感想になってしまうが、その効果量は1段階ごとに「強くなったな」とほんのり感じるほど。カット率の効果は比較的わかりやすく、2発でやられた強敵の攻撃に対して、2段階アップすれば3発まで耐えられた。ただ、強化を重ねることで大きくプレイフィールは変わるだろう。

 もうひとつ、“霊灰の加護”という強化システムの存在も確認できた。これは、各地に落ちている“霊灰”を祝福で消費することで、召喚した霊体と霊馬の攻撃力やカット率を高めるものだ。ただし、今回の試遊では霊灰に頼ることがなかったため、効果は実感できなかった。なお、“霊灰”は“影樹の破片”よりも、比較的見つけやすい場所に置いてある印象を受けた。

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公開されてから“かわいい”と評判の、この敵。攻撃性は低いのだが、その……怒るとあんまりかわいくなかったよ……。しかし、何かしらの秘密がありそうな気が。
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この“ウィッカーマン”のような巨大な敵もフィールドを徘徊しており、挑戦してみたが……腕を地面スレスレに振り回したり、踏みつけると炎が噴き出す範囲攻撃をくり出したりと、かなり厄介。しまいには、プレイヤーを捕まえて自身の身体の中に放り込むことも。難敵だった。

アクセントの効いた新武器種たち

 今回の試遊用データでは新武器種や新魔術・祈祷・戦技など、いくつかの新要素があらかじめ用意されており、DLC序盤では手に入らないであろう武器種なども使用できた。ここからは、おもに追加された武器カテゴリに絞って、感想をお伝えしよう。なお、体験できたのはほんの一部で、すべてではない(時間が足りなさ過ぎで……)。

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流紋武器

 厳密に言うと武器カテゴリではなく、武器種ごとのバリエーションのようなもの。“流紋”と名付けられた新たな武器を使用できた。流紋武器は投擲要素が特徴のようだ(投擲武器は“流紋”以外にもあるかもしれない)。

 “流紋斧”の通常攻撃は、ほかにある“バトルアクス”くらいの中型斧の同じだが、強攻撃で斧を敵へ投げつける。ボタン長押しで溜めることができたほか、ジャンプからも投擲が可能。斧はロックオンした敵に向かうので、遠~中距離からの飛び道具として活用できそう。弓などと違い、弾数を気にしなくていいのが大きな強みだろう。

 “流紋槍”は、イメージ通りの槍投げ武器。ダッシュ強攻撃からも槍投げが可能だったため、武器種ごとに投擲アクションがやや異なるようだ。

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 “流紋大槌”は、巨大なハンマーをブン投げるというもの。ただ投げるのではなく、陸上競技のハンマー投げのように、ハンマーをグルグルと回転させてから投げる(ボタン長押しで回転時間が延長)。回転中にも攻撃判定があった。威力も高めで、シチュエーションによっては一方的に攻撃できることも。

 “流紋短剣”は、好きな人にはたまらなそうな武器。すべての攻撃が投げナイフとなり、連続でビュンビュンと短剣を飛ばすようなプレイが可能なのだ。高速で遠距離攻撃ができるのだが、遠すぎると敵にヒットしてもダメージが入らなかった。これは特性なのか、敵のカット率の影響なのかはわからなかった。

 中~近距離で使用しないとダメージを与えられなかったため、遠距離からチクチク当てるというよりは、敵とやや離れた距離から華麗に攻め立てるような武器となっているのだろう。本編にも一部、両手持ちすると自動的に二刀流になる武器があったが、“流紋短剣”もそれに該当する。

逆手剣

 逆手で持つ曲剣。体を回転させながら、踊るように斬りつけるアクションが特徴だ。両手持ちで二刀流になり、スピーディーで手数も多く、かなり扱いやすかった。また、付属していた戦技“死角からの一撃”で、瞬時に左右どちからに回避するかのように回り込み、鋭い一撃を放つこともできた。

大刀

 大型の刀。刀系の特性である“出血”属性を持ちながら、振りの大きな一撃を放てる。イメージとしては、刀版の“特大剣”といった感じだった。付属する戦技“大上段”は、大刀を頭上に構える、構え系の戦技。構えたのちに、各攻撃で素早い踏み込み斬りを放つことができた。

刺突盾

 刺突武器と盾を組み合わせた、攻防一体の“デュエリングシールド”が登場(カテゴリは刺突盾)。大きさとしては大盾くらいで、ボタンを押すと盾を構え続けるのではなく、少し構えた後に攻撃をくり出すようだ。戦技“盾攻撃”が付属しており、使用すると盾の先に付いた槍のような部分で、敵に連続突きを放てる。

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格闘

 拳武器とはまた異なる、モンクのように戦える“格闘”カテゴリは、DLCで初登場するもの。“落葉格闘”という武器では、掌打とキックを織り交ぜた、まるでカンフーのような攻撃をくり出すことができた。印象は『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の仙峯寺拳法を使う修験者(僧侶たち)に近い。

 全体的に動きはスピーディーだが威力はそこまで高くないという感じで、イメージ通りの格闘戦を楽しめる。戦技“落葉旋風脚”は回転蹴りで上昇しながら、終わり際に地面目掛けて蹴り下ろす攻撃で、こちらも“仙峯脚”を彷彿とさせるものだった。

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獣爪

 爪武器の派生といった感じのカテゴリが、“獣爪”(祈祷“獣爪”とは違う)。使用できた“赤熊の爪”という武器は、熊の手をそのまま拳に装着するようなイメージ。爪武器とは異なり、まるで熊になったかのような荒々しいひっかき攻撃をくり出せた。

 戦技“赤熊の狩り”は、大きく爪を振りかぶり衝撃波のようなものを発生させる攻撃。さらに、追加入力による追撃もくり出せた。獣のような攻撃性が特徴だが、熊以外の獣にもなりきれるのだろうか?

調香瓶

 調香術に使用する“調香瓶”が、武器種のひとつとして新登場。今回体験できた武器は、瓶で火花を振りまくというもの。目の前に火花を連続でくり出したり、360度に火花を振りまいたりと、かなり独特の性能を見せてくれた。使った感じではダメージがそこまで高くなかったのだが、これは使用していたキャラクターが筋力振りだったからだと思われる。なお、攻撃時に調香瓶系アイテムは必要としない。

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褪せ人たちよ、6月21日に備えろ

 3時間の試遊の中で、倒せたボスもいれば、時間切れで断念したボスも。全体的には『ELDEN RING』本編と地続きとなる体験が待ち構えていた印象で、本編をしっかり遊んでいればとまどうことはない。本編を初めて遊んだときのように、ワクワクする未知との遭遇や発見が楽しめることは間違いない。短時間のプレイでも、新たに獲得できた武器種や、新たな強敵たちとの試練に、2022年2月に感じたあの驚きや喜びが味わえたのだから。

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 フロム・ソフトウェアが手掛けてきたDLCとしては過去最大級のボリュームという、
『SHADOW OF THE ERDTREE』。すでに周回プレイまで楽しんでいる人も多いだろうが、このDLCをきっかけに遊ぶ人やひさびさに“狭間の地”に降り立つという人は、来たる2024年6月21日までに操作方法などを確認して備えておくべき。

 そして、“影の地”という新たな世界で、さらなる冒険をくり広げていこう。

 また、
『SHADOW OF THE ERDTREE』の配信に併せて、『ELDEN RING』本編の膨大なアイテム・会話・イラストをテーマ別に抜粋・要約して掲載した、事前ムック『The Overture of SHADOW OF THE ERDTREE ELDEN RING fan book』が6月17日に発売される。かつて狭間の地であったことやゲーム体験を振り返るほか、もちろんDLCの関連情報も収録。DLCのパッケージアートをあしらった、B2ファブリックポスターが付録に付いてくる。

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【書名】The Overture of SHADOW OF THE ERDTREE ELDEN RING fan book
【発売日】6月17日(月)
【定価】2750円[税込]
【付録】B2ファブリックポスター
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 さらに、ebtenで本ムックを購入すると、購入特典としてイラストカードが1枚付いてくるので、気になる方はチェックを。
[IMAGE]※イラストカードのサイズ:A6サイズ(約105mm×148mm) ※イラストカードの画像はイメージです。 ※なくなり次第終了となります。

 ぜひゲーム本編の体験や設定を思い出し、影の地での新たな冒険を全力で楽しむために役立ててほしい。
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