
ゲームを自作できた夢のマシン
ファミリーベーシックは、ファミコンでプログラミング言語のBASICが使えるようになる周辺機器。通常より少し大きい特殊なロムカセットとキーボードがセットになっており、簡単なゲームプログラムを自作することができた。パソコンに興味を持ちつつも高価で手が出せなかったユーザーには、非常に魅力的に映ったアイテムだったのではないだろうか。
起動するとAIがプレイヤーに語りかけてきて、回答を入力することでモード選択などを行えた。いまで言うところのAlexa、Siri、Googleアシスタントみたいなもの、と言ったらかなり誇張表現かもしれないが、幼い少年だった筆者にはそれくらい未来を感じさせるユーザーインターフェースになっていた。
メインモードの“GAME BASIC”のほか、電卓機能である“カリキュラムボード”、音楽が作れる“ミュージックボード”、メッセージなどの文字を打ち込める“メッセージボード”、簡単な占いができる“占い”といったモードが存在。プログラミングをする以外にも、気分転換で遊べるような機能も搭載されていた。なお、データのバックアップはロムカセットに乾電池を入れることで行えた。
当時の筆者は「ゲームを自作すれば無限に遊べる!」と歓喜したものだったが、何の知識もなかったため難し過ぎて早々に挫折。何年か後にファミマガの“打ちこんでRUN”というコーナーに掲載されていたプログラムを打ち込んで遊んだだけで自作は夢のまた夢だった……。筆者よりも大人なユーザーたちは、マイコンBASICマガジンを読んでより高度なプログラムを打ち込み、盛り上がっていた模様。
1985年(昭和60年)2月21日には、新規命令が追加されて機能アップしたロムカセット単体の“ファミリーベーシックV3”が発売。これには4つのサンプルプログラムがバンドルされていため、すぐにゲームを遊ぶこともできた。プログラムを書き換えて改造もできたので、より楽しみやすくなっていたのではないだろうか。
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