本作はニンテンドーDSで発売された『悪魔城ドラキュラ』シリーズ3作品を1本にまとめた作品。さらにボーナスタイトルとしてアーケード版『悪魔城ドラキュラ』と、それをもとにした新作アレンジ作品『悪魔城ドラキュラ Revisited』を収録している。
- 『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』
- 『悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス』
- 『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』
- 『悪魔城ドラキュラ』(アーケード版)
- 『悪魔城ドラキュラ Revisited』
本記事では、本作を先行プレイしたプレイレビューとともに、追加機能や収録タイトルの紹介をお届けしよう。
M2移植! 安い! 買うしかない!!
しかも各タイトル、どれもプレミア価格が付いていて、いま遊ぶとなるとかなりハードルが高い。それが今回、まさかの2750円[税込]という驚きの価格で配信される。あまりにも安すぎる……! いやだって、現在はプレミアがついちゃって、1本ずつ数万くらいするので……。
移植は前回のゲームボーイアドバンスシリーズのコレクション『Castlevania Advance Collection』に引き続き、M2が担当。もう「M2が移植を担当している」と聞いただけで、間違いナシのコレクションタイトルだと確信。実際、軽く遊んでみただけでも大満足のプレイフィールだった。
内容紹介とかの前に、約3000円で1本ずつ数10時間は確実に遊べる探索アクションRPGが3本遊べて、しかもオマケタイトルも遊び応え満載なので、ぜひご購入を! もう下記読まなくてもいいから買うべし!! ……と書いてしまうと、本記事が終わってしまうので、もう少し続けよう。
ちなみに開発陣にお話を聞いたところ、タイトル名の『Dominus Collection』にある“ドミナス”は『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』に由来したキーワードで、“マスター”や“支配者”という意味を持つとのこと。
コレクションの追加機能
どこでもセーブ&ロード
ゲーム自体の中断機能(ロードすると消滅するセーブ)や、セーブ&ロードにはもちろん対応。それとは別に、コレクションタイトル側でどこでもセーブ&ロードに対応。
セーブスロットは豊富に用意されていて、セーブデータを分けてセーブ可能。純粋に攻略に役立てたり、特定の場面だけセーブを残すなど、さまざまな使い道がある。
巻き戻し機能
操作感や巻き戻す感じは『Castlevania Advance Collection』とだいたい同じで、さらに鮮麗されたような感覚。細かく好きな場所を指定できるが、もちろんこちらも使いたくない人は使わなければいいだろう。
活用方法としては、単純にダメージを避けるために使ってもいいが、オススメはレアドロップ系を狙うとき。いずれの作品も、敵を倒すとスキル系やアイテム類を得られることがあり、同じ敵を何度も何度も倒してドロップを狙う瞬間がある。そのままやってもついでに経験値稼ぎに使えたりするが、巻き戻しを絡めればよりドロップ品を狙いやすくなる(あと、ドロップしたのにエリア移動しちゃったときとか。ありがち)。
図鑑機能
各タイトル内にも図鑑機能はあるが、それよりも情報が網羅された図鑑機能になっている。ゲーム内のものはゲーム進行とともに解放されるが、本作独自の図鑑機能は最初からすべて解放済み。ラスボスなども閲覧できてしまうので、本作より遊び始めた人は閲覧しないほうがいいだろう。
どのタイトルも収集要素がとても多いので、ゲームクリアー後や、ほとんど探索が終わったときのゲーム内図鑑埋めなどに使うといいだろう。
ゲームバージョンの変更
ギャラリーモード
また、直接的には関係ないが『悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair』に参戦していたキャラクターたちは、同作の立ち絵も収録されていたのがファンとしてうれしいところ(移植まだかな……)。
ミュージックプレイヤー
アチーブメント機能
メニュー画面でオープニング再生
とくに『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』と『悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス』は、アニメ調のムービーなこともあり、当時よりも綺麗な映像が楽しめるのはファンとしてもたまらない要素。
画面の配置変更
画面レイアウトはいくつか用意されているので、自分の好みに合わせて選択するといいだろう。
タッチ機能への対応
本作はNitendo Switchのモニター、プレイステーション5のタッチパッドなどに対応しているほか、スティック操作でカーソルを操作することも可能。
ネームエントリー、謎解きなど、いくつかの要素にタッチを使用するが、基本的にはスムーズに動かすことができ、概ねストレスに感じることはなかった。「え、アレは?」と思われる方もいると思うが、そこは『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』の紹介で説明しよう。
その他の細かい要素
また、対戦モードや通信機能を使った要素がタイトルによってはあったが、それらはすべてオミットされている。
ハード間の“決定ボタンとキャンセルボタンの配置が違う”問題も、ゲーム側で切り換えできるようになっているので、戸惑う人は適宜変更するといいだろう。
収録タイトルの紹介
『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』
クリアー後のオマケモードも人気のひとつで、ユリウス・ベルモンドたちを操作するアクション性の高いシナリオが楽しめる。
「あれをスティック操作でやるのか!?」と想像していたが、本作では魔封陣のポイントがボタン操作に対応しており、決まったボタンの順番を押すだけで魔封陣を描けるようになったため、スムーズにボスを倒せるようになった。タッチ操作の準備も必要ない。
『悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス』
ダブル主人公らしく“パートナーシステム”を搭載し、キャラクターを常時チェンジしながら闘ったり、それぞれの個性を活かして謎解きに活かす、またはふたり同時に登場して戦うなど、ふたりだからこそのアクションや探索要素が特徴。
主人公のジョナサンは、メガドライブの『バンパイアキラー』より登場したジョニー・モリスの息子であることから、『バンパイアキラー』との関わりがとても深い。また、『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』などに登場するリヒター・ベルモンドも関わっている。
大きなダンジョンを攻略していくスタイルはそのままに、さらにその中に並んでいる、多彩な世界観を持つ絵画がステージとなっているため、ステージのバリエーションはとても豊富。BGMも相まって、各ステージの人気も高い。
タッチ要素は本作ではオマケ程度に使われ、パートナーの移動先や一部のスキルの方向指定など、基本は使わない要素に落ち着いている。
こちらもクリアー後のモードも人気が高く、リヒター・ベルモンドが使用できるものや、とあるキャラクターたちが使えるモードなど、非常にやり応えがある。
『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』
ドラキュラに対抗する組織・エクレシアは、ドラキュラを封印する力を持つ究極の印術を完成させる。エレクシアの女戦士・シャノアは印術と適合するはずだったが、シャノアの兄弟子・アルバスがそれを奪ってしまう。ドラキュラに対抗するため、そして“奪われた刻印”のために、シャノアはアルバスを追う。
また、グリフは変身・召喚・パッシブスキルなどさまざまで、形は大きく変わったものの、中身自体はソウルシステムにやや近い。特定のグリフを組み合わせることで発動できる“合成印術”もある。
タッチ操作はほぼオミットされ、ボタン操作のみのアクションに集約。基本はオマケモードのアクションに使用する程度なので、本編では本作ならではのタッチ機能を使うことは少ないだろう。
『悪魔城ドラキュラ』(アーケード版)
本作で遊べるようになっているのは、開発陣聞いたところ「下記タイトルとすぐに比較できるように収録した」とのこと。
『悪魔城ドラキュラ Revisited』
また、ボスや演出も見直されていて、正直意味のわからないような部分(ただ岩石が横に飛んでくるとか)が独自解釈で変更されていたり、ボスの攻略性が増しているなど、ゲーム的にもアレンジされている。
本作のみ、オマケながらに新作タイトルなので、いち『悪魔城ドラキュラ』シリーズファンとしても本当に本当にうれしい1本だった。ちなみにタイトル画面で例のコマンドを入れるとしっかり対応していたが、ステージが全開放されるため、本作を自力でクリアーしたい人は入力しないほうがいいかも。
お得すぎるコレクションタイトル
昨今のタイムアタック系イベントなどで「破天荒なゲームのシリーズ」と思っている方もいるかもしれないが、まともに遊べばまともにおもしろいので、まずは購入してゲームを始めてみてほしい。